F & F嫁の “FFree World”

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ロックウエーブ20周年作品展示会 前編

2012年10月16日 | ミリヲタ

F log











前 log で書いた美術品は製作者が参加する展示会の為に里帰りさせたものです。

その展示会を観に 14 日の日曜日、新橋までやって来ました。
















RICOH GXR MOUNT A12 / LEICA SUMMICRON-M F2 35mm ASPH.



烏森口から出て赤レンガ通りを目指します。

残念ながら曇空で時々雨がパラつきます。


















RICOH GXR MOUNT A12 / LEICA SUMMICRON-M F2 35mm ASPH.



途中、烏森神社に参拝。

いい写真が撮れますように。





















RICOH GXR MOUNT A12 / LEICA SUMMICRON-M F2 35mm ASPH.



新橋駅から 7~8 分で タミヤプラモデルファクトリー新橋店 に到着しました。

1 階はタミヤのショップになっており、最新作から定番商品までたくさん販売されています。

もちろんイタレリもあるでよw




さて開催中なのは ロックウエーブ20周年作品展示会 ―MMと育った僕らの時代― と銘打った展示会です。

とにかく日本のミリタリー・モデリングを支えてきた大御所が数多く在籍されている会ですね。
























RICOH GXR MOUNT A12 / Voigtländer SWH 15mm F4.5 Aspherical 2



さて店内巡回もひと通り終わり、2 階へと昇ります。

展示スペースにはめくるめく M M ( ミリタリー・モデリング ) ワールドが広がっておりました。


















RICOH GXR MOUNT A12 / Voigtländer SWH 15mm F4.5 Aspherical 2



10 時の開店直後とあって先客は数名でした。




その中にブログでお世話になっている Maximum さん がいらっしゃいました。

Maximum さんといえば、2010 年の東京 AFV の会 にて初レジンにもかかわらず部門 3 位という輝かしい成績を収めた凄腕モデラーです。

上記リンクの拙記事においてはトップ写真に使わせていただいた スキャンメル・パイオニア・タンクトランスポーター が素晴らしい出来でした。




まずは Maximum さん にご挨拶。

その後、受付で写真撮影の許可を取ってから濃厚な展示作品を見て回ります。















まずお断りしておきますが、たくさんの出展作をすべて網羅しておりません。

F が気に入ったもの、好みのものだけですので、巨匠、大御所の有名作が抜け落ちているやもしれません。

そこは個人が運営する個人のブログですのでご容赦くださいませ。



















まずはこの展示会に足を運ぶきっかけとなった親交あるモデラー/翻訳家の 篠原比佐人さん の作品からです。





RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



篠原さんと知り合うきっかけとなったのは、2007 年 4 月の拙ブログ記事 においてこの FIAT626 の写真を使わせていただいたからです。

製作者ご本人からコメントいただき光栄でしたが、まさか後日そのご本人と静岡でお会いすることになるとは思いませんでしたね。




過去も現在もソフトスキナーですが、この 626 は何度見てもいいですね。

キャビンの絶妙なグラデーション、汚れたガラスの表現、繊細なミラーステーやワイパー、積載された木材も素晴らしいです。

さりげなく積まれたドラム缶の塗料禿げと油汚れもステキ。

そして服装を変化させたフィギュアも豊かな表情 ( 顔も手も ) で素晴らしいです。

ウチの蜜柑山にこのモデルヴィクトリアの 626 確かあるんですよねぇw





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



右は前の log で触れた F 所蔵の 「 スターリングラード 冬 1943 」 です。

左は雑誌の作例で作られたタミヤのエニグマです。



















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



篠原さんの持ち込んだ作品の中で最大なのはこの 「 3 時方向に敵!! 」 です。

関西ご在住の篠原さんはあまり大きな作品は持ち込めなくて残念そうでした。

であるからこそ F 所蔵の小品にもお声がかかったのですが。










 










RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



ただでさえペナペナ装甲の自走砲が、敵にがら空きの背後に回られたら相当やばいですね。

兵士の慌てた表情がよく出ています。

篠原さんの作品では主題である車体や兵士もさることながら、土台となるベースや木々の表現が見事です。






















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



小品三作です。

右の M2 その 1 で作られた壁は、スターリングラードを彷彿とさせますね。

それにしてもどれも小粋で素晴らしい作品ばかりです。

やはり地面に目を奪われます。

















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



これも比較的大き気な作品で雑誌掲載されたのを見ました。

ベルリン市街戦をテーマにした特集でしたね。

F がこの作品で感銘を受けたのはガレキもそうなんですが、マズルブレーキの下に写っている路肩と下水溝のフタなんです。

良い意味で重箱の隅ですが、このなにげない表現が素晴らしいんです。

しっかり泥が水で流れた後が現されてますし、ワンポイントで緑があしらわれているのもニクイですね。

























RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



さてお次は展示会最大の作品。

青木周太郎さん の 「 ANIMAL FESTIVAL 」 です。

いや~ 1/35 では過去に類を見ない巨大な作品で、あまりにも大きなためベースが 2 個に分割されています。

実際の馬のほか、象やら熊やらいろいろ揃ってますw



















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



自分が雑誌の専属カメラマンでこの作品の撮影を依頼されたら途方に暮れるでしょうね。

とにかく 1/35 フィギュアの群像劇 ( それはそれでたいへんですが ) は見かけますが、車両によるそれの中でも最大級でしょうね。

といって大味ではまったくありません。





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



F が模型復帰第 1 作に選んだ 38(t) も装甲列車の一部となっていました。

しかし単体の 38(t) だけでもあんなに苦労したのにこの作品の中では1%以下でしかないんですから‥



















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



装甲列車の FLAK と砲塔。

しかしこの装甲列車ってヤツは、ミリと鉄を同時に嗜む方にはたまりませんでしょうね。

ねぇ hirorinさん (笑




奥にはブルームベア、ハーフトラック、さらにはエレファントとすべて紹介していたらそれだけで終わってしまいます。





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



巨大な作品の後はミニマムなビネットで。

素晴らしい作品群で知られる 平野義高さん の作品 「 鷲は舞い降りた 」 です。




最初プレートのタイトルを見た時、小説版の鷲は舞い降りたかと思いましたが、降下猟兵によるムッソリーニ救出作戦でした。

黒衣はドーチェ、隣はもちろんヨーロッパで最も危険な人物、武装親衛隊のオットー・スコルツェニーですね。

これがまたよく似ているんですわ。

仏頂面のドーチェとしてやったりのスコルツェニーの対比がおもしろいです。

漏れ聞いた話では作者はスコルツェニーのベルトを締めすぎた ( ややスリムに見えてしまう ) と仰っているらしいです。

いやいや厳しいお話です。






















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



あの平野さんのご紹介がフィギュアのビネットだけでは怒られてしまうでしょうか。

肩車されているのは 「 撃墜王 アフリカの星 」、ハンス・ヨアヒム・マルセイユです。

ちゃんと黒人の従兵もいますね。

撃墜の過程をゼスチャーで説明しているのでしょうか。

カッチカチの表現ではないですが、とにかくとっても雰囲気の良い好きな作品なんです。
























RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



これも雑誌で拝見したことのある作品、柴田和久さん の 「 Ostpreußen 1945 」 です。

1/16 でそれなりに大きなビネットですが背景の塀や木、枯葉も素晴らしいです。 

なによりビッグスケールで綿密に作りこまれた三者三様の服装と武装をしたフィギュアが見事ですね。

どう見ても有利な闘いではないと感じさせる表情が絶妙です。





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



こちらも柴田さんの作品 「 Italien 1943 」 です。

こちらも 1/16 スケールでこの写真では前線を注視する将校達という雰囲気です。





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



でもこの作品は高さがあって、崖の下から降下猟兵がなにやら報告をしています。

ところが上の連中は聞いているのかいないのか… 

将校の尊大な感じが現れていていいですね。























RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



さてお次は F がこの日の展示会で もっとも好きな作品 です。

吉岡信夫さん 制作の 「 オーストリア海軍ドナウ河パトロール部隊 1972 」 です。

これあらゆる意味において驚愕の作品です。




まずはタミヤの巨大キット、1/35 ドラゴンワゴンが目につきます。

トランスポートされているのは河川用のパトロールボートでしょうか。

















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



展示ケースに入っていて写真を撮りにくいのですが、ボートを上から見た状態です。

前部の砲は Maximum さんのご指摘でマルダー歩兵戦闘車のラインメタル 20mm 砲ではないでしょうかとのこと。なるほど。

後部の二連銃架は MG シリーズですよね。

ギターケースが謎を呼びますw




















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



ドラゴンワゴンも抜かりありません。

しかしタンクトランスポーターっつーのはどうしてこんなにカッコイイのでょうねぇ。





















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



吉岡信夫さんの素晴らしいのは、背景の建物を非常に丁寧に作り込まれてますね。

車体に夢中でそれらをしっかり撮らなかったのは反省点です。

ひとつ前のドラゴンワゴンを上から見た写真。

窓にあしらわれたプランターも細かいし、水上機オジさんの背後の扉もいかにもオーストリアという感じがしませんか。


















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



で、この作品の何に驚愕して何を気に入ったのかというと・・・・・




じつはこのパトロールボート、すべて架空の設定!!! らしいのです。

ベースの船体はあったようですが、それを基にスクラッチしたボートはこの世に存在しません。

篠原さんを通じて吉岡さんが話された事を聞いた時はひっくり返りました。

いや見事にだまされました。

てっきりこういった部隊がこのようなボートをドナウ河で運用しているとばっかり。




デッチアップに眉をひそめる方もいらっしゃるでしょうけれど、 F はこのような自由な発想が大好きです。

こういったセンスから新たな道が開けるのでは。

架空だという話を聞く前からこの作品が本日のピカ一でしたが、聞いてからますますホレましたね。

いや~じつに素晴らしい!
























RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



さて前半最後は 伊藤康治さん の作品です。

この Bi bis も雑誌で作例として拝見しました。

履帯交換のシーンで構図といい色味といい、非常にフォトジェニックですね。
























RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



一転して同じく伊藤さんの小さなビネットです。

良い雰囲気ですね。

制作がパタッと止まっている自分の作品に羽ばたくニワトリを登場させようとしている F にはたいへん参考になります。


















RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO



前半の最後を飾るのはトップ写真にも使わせていただいた、ズバリ 「 冬 」 という大作です。

雪が積もって凍結した小高い丘 ( 当然滑りまくる ) を登る砲兵部隊の苦難を描いています。




トップ写真のように砲に視線が行きがちですが、マウルティアも抜群に上手いですね。

履帯がスリップしてなかなかパワーが伝わらない感じが出ていますし、幌と止めているロープの質感も抜群です。











前の log で篠原さんの 「 スターリングラード 冬 1943 」 をご紹介した際、あえて美術品に例えました。

望外にも SNS で交流のあるアート関連のアンテナか高い方に 「 美しい作品 」 と言っていただきました。

たいへん嬉しかったですね。

この作品も雪にまみれ、泥だらけになりながら、アハト・アハトを押し上げる男たちの闘いをダイナミックかつ綿密に描いています。

ええ、ミリタリー・モデリングではこの状態を 「 美しい 」 といいます。















前半やっと終了です。

後半に続きます。

後半も濃い~です。














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8 コメント

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これは! (あいろん)
2012-10-16 07:03:10
どこかの誰かが作っているのとは違い、芸術品ですよねぇ・・・。

確か元は同じ箱に入ってるような気がしたのですが・・・はて?
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お世話になりました。 (Maximum)
2012-10-16 23:02:20
F様、しのはら様、こんばんは。
日曜日はありがとうございました。楽しい時間を過ごす事ができました。

もの凄く濃い空間でしたね。
”生”で見ると、やはり感激物です。
あの様な作品が作れたら楽しいと思うのですが、無理、あります(汗)。
(私は凄腕モデラーではありませんですよ)

そーいえば、Fさんの”イタチ”はどうなってますか(笑)。
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あいろんさん、こんばんは!! (F)
2012-10-17 23:32:58
ホントに芸術品という表現がピッタリですね。
制作された年代によっては最新の技術でないものもあるのでしょうけれど、制作にかけた情熱は時代を超えて熱く燃えています。
全世界の人々が同じように入手できるキットを使って作り加えるプラスαに魅力を感じます。
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Maximumさん、こんばんは!! (F)
2012-10-17 23:40:48
こちらこそお世話になりました。
私も模型誌で拝見していた実物を見て感動しました。
でもよく言われることですが凄すぎてモチベーションに直結しないかもしれませんw
それでも大いに刺激を受けましたし、ミリタリー・モデリングの良さを再認識しました。

Maximumさんの作品は素晴らしいですよ。
模型に取り組まれる真摯な姿勢を見習わなければ。


“イタチ”…痛いところをw
当日の夜、篠原さんにもしっかりハッパかけられました。
もう形はほとんど出来ているので下地~塗装です。
変な妄想(情景です)は置いといて、まず車体を完成させなければなりませんね。



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随分遅れてしまいました! (しのはら)
2012-10-19 15:24:10
MAXIMUMさま

先日はわざわざお越しいただき本当にありがとうございました!

今回の展示はFさんがおっしゃったように限られた物の中からの選択でしたので迫力不足でしたが、それでも初期に一生懸命製作した思い出のある作品たちでした。見ていただけて光栄です。次回はお会いする際は是非MAXIMUMさまの作品を生まで拝見させていただきですね・・・・。

帰還してから月末締め切りの作例と格闘しています。今までなんとか落とさずに来ていますが、今回は本当に厳しい状態です・・・うまくいけば来月のMA誌に掲載されているはずですのでご覧下さい。

ありがとうございました!
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Unknown (Maximum)
2012-10-19 22:50:59
しのはら様
コンクリートや布、木部といった材質の質感表現が素晴らしかったです。色々とお話をさせていただき、血中ミリタリーモデリング濃度が高まりました。
静岡ホビーショーにはいらっしゃいますか? 次回、そちらでお会い出来たらと思います。私の作品をお見せするのは恥ずかしいのですが・・・。

MA誌、楽しみにしております。


F様もイタチ、頑張って下さいね。
返信する
針先図星 (hirorin330)
2012-10-22 12:14:38
あう。出遅れました。

私なんざ、どれも中途半端で、
眩しく拝見しているだけですが、
展示室の俯瞰図(?)で鷲掴み。w

アップは、まだかとワクワクしながら、
鋼Fワールドに浸らせていただきました。

で、お目当ての拡大画像にたどり着き、
装甲列車いいなあ、とつぶやいた途端、
文中御指名でぶっ飛びましたです。

ドーラ、手を出そうかなあ。(笑)
あ。
ドーラと言えば、『ラピュタ』にも、
装甲列車が出てましたね。(^_^;

すみません、つまらないコメントで。
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hirorinさん、こんばんは!! (F)
2012-10-25 19:37:10

突然お呼び立て致しましてw

宮崎御大も装甲列車好きそうですよねぇ。
いや実際に好きなんでしょうね。
このごった煮感がたまらないところです。

いつぞやのホビーショーで1/35ドーラ見ました。
屋根裏のひみつきちにレール4本敷いてどーでしょうか。
当然砲身は最大仰角で!

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