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経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

東京から 電柱が消える日

2019-10-12 09:04:06 | なし
◇ 小池知事は「30年までに」と発破 = 東京都はいま「オリンピック後の東京をどうするか」の計画作りに、頭をひねっている。その1つに挙がっているのが、無電柱化の促進。小池知事は「オリンピック後の10年間で完了するように」と指示しているが、これは容易な仕事ではない。なにより巨額の財源が必要だ。新しい事業を推進するために、古い事業を切り捨てられるかどうか。東京都は決断を迫られる。

国や都はこれまでも無電柱化を進めてきたが、まだ東京は“電柱の街”だ。たとえばロンドンとパリの無電柱化率は100%、ニューヨークは80%。台北は95%、ソウルでさえも46%。これに対して東京は16年度末で23区でも、わずかに8%という状態。景観の問題だけでなく、地震や台風で電柱が倒れ、交通障害や停電を起こしやすい。

なにしろ電柱の数が多い。都道に建てられた電柱は、およそ5万7000本。市区村道では62万9000本もある。その総延長は2300キロ・メートルに達する。これを地中化するのに要する費用は、1キロ・メートル当たり、なんと5億3000万円。総費用は気が遠くなるほど膨大な金額になる。その財源をどうするかが、最大の障害だ。

東京都がこれまでに進めてきた計画をみると、工事費のコスト削減に力を入れてきたことが判る。だが小池知事が指示したように「2030年までに完了」ということになると、それだけでは話にならない。国からの補助に加えて、都自体も一大決心をしなければならないだろう。たとえば水道や地下鉄・バス事業の民営化など。そこまで踏み切れれば、オリンピック後の景気を支える原動力にもなるはずだ。

       ≪11日の日経平均 = 上げ +246.89円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   

裁判になる ふるさと納税 (下)

2019-10-11 07:55:53 | ふるさと納税
◇ 裁判の行くえは五分五分? = 裁判となった場合、実は泉佐野市には強力な助っ人が付いている。泉佐野市は総務省の決定を不服として、第3者機関の「国地方紛争処理委員会」に調停を申し立てた。この委員会は9月初めに勧告書をまとめたが、その趣旨は泉佐野市側にとって有利な内容となっている。理由は「改正以前の地方税法には、返礼品についての制約規定がない」「総務省が行政指導で返礼品の規制をするのは、地方分権の理念に反する疑いがある」というものだった。

これに対して総務省は「豪華すぎる返礼品は百害あって一利なし。ふるさと納税制度を維持するためには、行政指導も必要だった」と主張。紛争処理委員会の勧告を一蹴してしまった。常識的に考えれば、たしかに高額な返礼品で寄付を募る風潮は好ましいものではない。しかし泉佐野市などが、法律に違反していなかったことも事実である。

大阪高裁は、どんな判決を下すのだろうか。専門家の間でも、意見は分かれているようだ。法律に違反していないのに、懲罰的な措置を講じることの是非。中央官庁の地方自治体に対する行政指導の拘束力。地方自治体の自由裁量権などなど。裁判で論じられるとみられる問題点は数多い。

また新しいふるさと納税制度では、返礼品は「地場産品で、寄付額の3割以下」と規定された。だが優良な地場産品のない自治体にとって、この規定は厳しすぎるのではないか。総務省は過剰な返礼品について「他の自治体との不公平性」を指摘したが、この「地場産品に限る」規制は、新たな不公平を生じるのではないか。ふるさと納税はいま、多くの議論を巻き起こそうとしている。

       ≪10日の日経平均 = 上げ +95.60円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

裁判になる ふるさと納税 (上)

2019-10-10 08:29:40 | ふるさと納税
◇ 泉佐野市が総務大臣を提訴へ = ふるさと納税を巡って、総務省と小さな地方自治体が法廷で争うことになりそうだ。コトの起こりはことし5月。総務省が6月からスタートさせた新ふるさと納税制度に、大阪府泉佐野市など4市町の参加を認めなかったこと。泉佐野市はこれを不服として、11月にも高市総務相を相手取って大阪高裁に提訴する方針だ。

ふるさと納税は、都道府県や市区町村に寄付をすると、自己負担分2000円を除いた全額が税控除の対象になる制度。18年度の寄付総額は5127億円と6年連続で最高を更新した。地方自治体によっては高額の返礼品を出して寄付を集めたため、総務省は「過度な返礼品は止めるよう」に、何度も通達を出している。しかし泉佐野市などは従わなかったので、新しい納税制度への参加を認めなかった。

総務省によると、17年度の場合で各自治体が集めた寄付額の平均は1億円強。これに対して泉佐野市は、アマゾンの高額ギフト券など豪華な返礼品を出して497億円。また静岡県小山町は250億円、和歌山県高野町は196億円、佐賀県みやき町は168億円の寄付を集めている。

こうした豪華な返礼品による寄付集めは、ふるさと納税の本来の趣旨に反する。また常識的な返礼品にとどめている他の自治体に対して不公平だ。総務省はこの弊害を是正するため地方税法を改正、返礼品は「地場産品で寄付額の3割以内とする」ことを明記し、ことし6月から新しいふるさと納税制度をスタートさせた。

                              (続きは明日)

       ≪9日の日経平均 = 下げ -131.40円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

パートの残業が減ったイミは?

2019-10-09 08:00:57 | なし
◇ 残業はイヤなのか、人件費削減か = 厚生労働省は8日、8月の毎月勤労統計を発表した。それによると、労働者1人当たりの名目賃金は平均27万6296円で前年を0.2%下回った。このうち一般労働者の給与総額は35万7112円で0.2%増加した。一方、パートタイム労働者の給与総額は9万9111円で0.1%減少している。この結果、物価の上昇分を差し引いた実質賃金は0.6%の減少。相変わらず実質賃金は伸び悩んだ。

一般労働者の給与が増加したにもかかわらず、全体の平均給与総額が減少したのは、パート労働者の所定外給与つまり残業代が4.6%も減少したことが主な原因。パート労働者の月間総労働時間は83.1時間で、前年より3.1%減少した。長時間働くのはイヤだというパート希望者が増えているのかもしれない。

最低賃金の引き上げに伴って、パート労働者の時給は大幅に上昇した。8月の場合、時給は1177円で前年比3.4%の増加となっている。またパート労働者の人数も増加を続け、労働者全体に占める割合は31.39%にまで上昇した。経営者としては、パートの人数を増やす一方で残業を減らし、人件費の膨張を抑えようとしているのかもしれない。

いちばん警戒しなければならないのは、景気の悪化を理由とした人件費の削減だろう。このケースでは、まずパートの残業が抑えられる。次いで一般労働者の残業、さらにパートの人員削減へと進む。現段階ではそうした動きは感知できないが、これから年末にかけての雇用情勢には注意が必要だ。

       ≪8日の日経平均 = 上げ +212.53円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

10月は“荒れる月” : 株価

2019-10-08 08:31:11 | 株価
◇ 売りと買いがせめぎ合うとき = 日経新聞によると、過去5年間の日経平均の月中値幅は10月の1764円が最も大きかった。アメリカの投資信託が決算に備えた売りを出しやすいという指摘もあるが、それだけでは説明し切れないだろう。とにかく高値と安値の差が大きいということは、それだけ売りと買いの力が大きかったということになる。歴史的にみると、世界恐慌が始まった1929年の“暗黒の木曜日”や、87年の“ブラックマンデー”も10月の出来事だったと、日経の記事は付け加えている。

最近のニューヨーク市場をみると、売りと買いの力がぶつかり合っている。売りはアメリカ経済の先行きに対する警戒感が、主たる力に。たとえば輸出の減退や生産の伸び悩み。あるいは景況判断の悪化が、製造業だけでなく非製造業にも広がってきたこと。その一方、買いはFRBによる追加利下げへの期待。年末商戦の予想が明るいこと。あるいは米中間の経済協議が進展するという希望的的観測などが根拠になっている。

東京市場はどうだろう。こちらも売り材料は、実体経済の悪化。輸出や生産の鈍化に加えて、企業や消費者の景況感も低下してきた。消費増税のあとの節約ムードも心配されている。その一方、買い材料は株価の低さがもたらす割安感。日本株はまだ買う余地があり、年末には年初来高値を更新すると予想する投資家も少なくない。

こうした売りと買い圧力の交錯で、10月第1週の株価はニューヨークでも東京でも大きく上下した。では今後はどうなるか。景気の悪化を示す指標が発表されれば、株価は下がる。その間を縫って利下げなどのニュースが出れば、株価は上がる。しかし、しだいに景気の悪化を示す兆候が強まって行くのではないか。激しく上下動しながら、株価は下がって行く。これが“荒れる”という意味だろう。

       ≪7日の日経平均 = 下げ -34.95円≫

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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