◇ 船長の説明はきわめて常識的だったが・・・ = 日銀は先週28日、新体制となって初めて開いた政策決定会合で、‟超金融緩和政策”の継続を決めた。会合後の記者会見で、植田総裁は「もう少し辛抱して、粘り強く金融緩和を続けたい」と発言している。関係者のなかには政策の修正あるいは変更を期待する人も少なくなかったが、サプライズはなし。きわめて無難な船出となった。このため、この日の円相場は一時136円台に下落、日経平均は8か月ぶりの高値を付けている。
植田総裁は会見のなかで「過去25年間の金融政策運営について、多角的なレビューを実施する」とも述べた。政策が生んだ効果と副作用を検証するという意味だ。検証すれば、必ず副作用の大きさも明らかになる。したがって現在の政策についても、副作用を是正するための修正や変更が必要なことを示唆したと言えるだろう。「過去10年間」と言えば、黒田政策の検証ということになるから、「過去25年」として当たりを和らげたのではないか。
また植田総裁は「引き締めが遅れてインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで物価2%を実現できなくなるリスクの方が大きいと判断している」「レビュー中でも正常化を始める可能性もゼロではない」などと発言した。一見するときわめて慎重で、常識的な説明のように思われる。だが「もう少し辛抱」とか「正常化」といった言葉遣いからは、新総裁の隠された真意を覗けるような気がしないでもない。
結局、植田総裁は「超緩和政策の副作用は見逃せない」と認識。だから早急に「緩和政策の修正あるいは変更を実施したい」と考えてはいる。しかし世界経済が下向きのいまは「引き締めのリスクが大きい」から、実施できない。過去の検証を行いながら、副作用の悪影響を洗い出し、世界経済が上向くのを待ってイールドカーブ・コントロールなどの手直しに踏み切る--と見たのだが。
≪2日の日経平均 = 上げ +34.77円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝0敗】
植田総裁は会見のなかで「過去25年間の金融政策運営について、多角的なレビューを実施する」とも述べた。政策が生んだ効果と副作用を検証するという意味だ。検証すれば、必ず副作用の大きさも明らかになる。したがって現在の政策についても、副作用を是正するための修正や変更が必要なことを示唆したと言えるだろう。「過去10年間」と言えば、黒田政策の検証ということになるから、「過去25年」として当たりを和らげたのではないか。
また植田総裁は「引き締めが遅れてインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで物価2%を実現できなくなるリスクの方が大きいと判断している」「レビュー中でも正常化を始める可能性もゼロではない」などと発言した。一見するときわめて慎重で、常識的な説明のように思われる。だが「もう少し辛抱」とか「正常化」といった言葉遣いからは、新総裁の隠された真意を覗けるような気がしないでもない。
結局、植田総裁は「超緩和政策の副作用は見逃せない」と認識。だから早急に「緩和政策の修正あるいは変更を実施したい」と考えてはいる。しかし世界経済が下向きのいまは「引き締めのリスクが大きい」から、実施できない。過去の検証を行いながら、副作用の悪影響を洗い出し、世界経済が上向くのを待ってイールドカーブ・コントロールなどの手直しに踏み切る--と見たのだが。
≪2日の日経平均 = 上げ +34.77円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝0敗】