経済なんでも研究会

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中国から吹き出す 不況⇨インフレ風 (下)

2022-05-19 07:27:18 | 中国
◇ 翻弄される日米の企業群 = 中国発の不況風は、いくつかの経路をたどって世界各国に吹き付ける。まず中国の国内需要が減退するから、各国の中国向け輸出が伸び悩む。中国側の貿易統計でみると、原油を除く輸入額は3月が前年比3%、4月が7%の減少だった。半導体から化粧品まで幅広い分野で、輸入が減っている。各国の景気にとっては、その分だけマイナス要因となる。

もっと大きな影響は、中国側の輸出統計に表れる。4月の輸出額は前年比3.9%の増加、3月の14.7%増から急減した。パソコンやスマホなど半導体関連の製品や部品の輸出が、大幅に減っている。工場団地の閉鎖や港湾作業の渋滞が原因。この結果、アップルは4-6月で1兆円の収入源となる見込み。

日本企業も打撃を受けている。たとえば三菱自動車・ホンダなどは、中国から部品が届かないため国内工場の操業を停止。またソニー・東芝・味の素などは、上海工場が閉鎖された。さらに良品計画、ファミリーマートなどは、上海市の店舗が休業に追い込まれている。中国政府のゼロ・コロナ政策が解除されない限り、こうした状況は改善されないだろう。

ゼロ・コロナ政策は、いつ解除されるのだろう。上海市当局は「6月から段階的に」と言明しているから、7月以降は正常化が進むかもしれない。ところが、そうなると抑制されていた需要が反動的に噴出する。するとエネルギーや資源価格に強い上昇圧力がかかるだろう。中国発の不況風は、一転してインフレ風に変わる。そのタイミングを見誤らないようにしないと、企業の打撃はもっと大きくなってしまう。

        ≪18日の日経平均 = 上げ +251.45円≫

        ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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