経済なんでも研究会

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ハラをくくった 中国 : 対アメリカ

2019-08-17 08:13:49 | 中国
◇ トランプの落選を待つ戦略に = 中国のアメリカに対する姿勢が、明らかに変わってきている。トランプ大統領は1日、中国製品のほとんど全部に10%の関税をかける第4弾の制裁措置を発表した。ところが中国側はこの措置を激しく非難したものの、これまでのような報復措置はとっていない。アメリカからの農産物輸入を停止したとも伝えられているが、中国側は無言のままである。

人民元の対ドル相場が5日、11年ぶりに7元を割り込んだ。アメリカ財務省はさっそく中国を「為替操作国」に指定し、厳しく非難した。ところが元相場は、その後も7元を下回ったまま。上海市場の元相場は、人民銀行が毎朝決める基準相場によって左右される。この基準相場が中国側の言う通り「アメリカの関税引き上げで、元の需要が減った」からなのか。それともアメリカの言うように「為替操作」なのかは判らない。しかし中国側が、アメリカの批判を“無視”したことは明らかだ。

これまでの米中交渉で、アメリカは中国に対して「国有企業への補助金政策などを止めるよう」強く要請してきた。しかし中国にとって補助金政策は経済対策の要諦であり、絶対に放棄できない。このため中国側は、これに固執するトランプ政権との話し合いを断念したのではないか。そこで7月末に2か月ぶりに上海で開いた米中間の閣僚交渉でも、全く進展はみられなかった。

時を稼いで、来年11月の大統領選挙でトランプ氏が落選するのを待つ。習政権は秘かに、こういう基本姿勢に転じたのではないか。だからムキにならずに、時を稼ぐ。一方のトランプ陣営もそれを察知していて、「中国は組しやすい民主党の勝利を願っている」と、選挙戦のスローガンに使う。そして中国へは、圧力を強めざるをえない。その結果、世界経済を覆う黒雲は、しだいに濃さを増しながら長く停滞することになりそうだ。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +13.16円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】   

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