経済なんでも研究会

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おカネを貯め込む 日本の企業

2017-06-16 07:31:49 | おカネ
◇ 実質無借金企業が2000社を超えた = 企業がますますおカネを貯め込んでいる。日銀がまとめた資金循環統計によると、金融機関を除く民間企業が保有する現金・預金は、昨年末の時点で244兆円に達した。前年に比べて7.5%増加している。このうち現金は9兆7000億円だった。日本のGDPの半分に近いおカネを、企業が手元に置いているわけだ。

日経新聞の集計によると、上場企業のうち実質無借金となった会社は、3月末時点で2016社に達した。実質無借金というのは、手元資金が有利子負債より多い会社。1年間で60社増えて、全上場企業の58%に及んだ。この実質無借金会社の数は、08年から連続して増加している。

内閣府と財務省が共同で実施した法人企業景気予測調査のなかに「17年度の資金調達方法は」という質問項目がある。その答えの第1位は、大企業と中堅企業がともに「内部資金」を使う。中小企業は「民間金融機関」が第1位だったが、第2位は「内部資金」だった。世界中を探しても、企業がこんなにおカネを貯め込んでいる国はない。

困っているのは、優良な貸出先を失った金融機関だろう。だが企業に資金が滞留することは、日本経済にとっても好ましいことではない。おカネが回らず、景気が上向かないからである。安倍首相は企業に対して「おカネを賃上げに回してほしい」と要請しているが、結果は思わしくない。政府は企業におカネを使わせる方策を、もっと真剣に考えるべきである。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -51.70円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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