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カタルーニアが誇る 世界一の名シェフ <フェラン・アドリア>

2020-08-26 17:50:51 | 素晴らしき世界/スペイン/グルメ
EL BULLI (ブルドッグ)のシンボルは「雄牛」



1980年後半、カタルーニアに歴史に残る名シェフが出現しました
その名も『フェラン・アドリア』


フェラン・アドリア氏


フランスのポール・ボキューズ以後、素材を生かし軽くデリケートな新しい料理スタイル「ヌーヴェル・キュイジーヌ(新しい料理)」が西欧の料理を
一変させてきました

その革新的風潮からさらに抜け出し、いわゆる「ケミカル・キュイジィーヌ』を生み出し
料理界を未来志向に変えてしまった


レストランの名は『EL BULLI (ブルドッグ)』

カタルーニアからバレンシアあたりの発音では「エル・ブージ」
標準スペイン語で「エル・ブーリ」


ブルドッグの顔を線描きした板っきれが看板


実に素朴なレストランでした



フランス国境に近いフィゲーラスで高速を降りて海側に30分ほど行くと
ローザスというリゾートの町がある


正面の丘の上に城塞の後が残る海岸通り

この海岸通りの右側がビーチ

その町から左に逸れて、荒涼たる小高い起伏の連なる半島に入り
セメントのひび割れだらけの簡易舗装の道を一時間以上
人の住む気配もない荒涼たる道を迷いながら進んで
急坂を降ると小さな湾に出る

エル・ブージがひっそりと存在しています。

白い建物の二つのうち下の建物がレストラン

あたりには、何もない
海からは陸にボートを接岸できる場所もない。



春から秋の半年しか営業せず、半年で8000席。
半分は地元の店の昔からの顧客にとっておき
外国からのお客に残り4000席
週5日間で6ヶ月
営業は時期によって昼か夜
つまり外国のお客様は1日に30名ほど

12月1日が翌年の予約受付の解禁日。
電話(当時は電話)が繋がったら幸運者で2分後に全席が埋まってしまう

その後、あまりにも予約が殺到するので解禁日を10月1日にした
結果は同じことだった


メニューはなく、「本日のお食事はこれこれでございます」と十六品くらいのお品書きを渡される



ある日のコースをご紹介しましょう


まず細々とした前菜がたくさん出てくる。
八寸とか向う付け、みたいな


   

揚げ物(?)と各種ハーブのジュース



   

試験管入りのものと牡蠣の天ぷら様のもの
ちなみに左の寿司巻き様のものの中にもなにやら入っていた



   



上の3点は同じもので、ゲストに合わせてアイスノン様のゲルの袋の色が違う



   


この二葉の写真は同じもので、右がディテール




ここからいよいよ「お料理」になる


  

まるでデザート



お品書きでは「甲殻類のタリアテッレ」
当然平麺のパスタにエビカニのソース....だと思いますよね

そうしたらなんと、「甲殻類でとったコンソメスープ」をジェラチンで固め
薄く平たく伸ばし、タリアテッレの様に切ったもの!
周囲の黄色い部分はポテト・ピューレではなく
香り高い「何か」のペースト

想像を絶する



これは、液体窒素でマイナス150度Cほどに冷やして粉末状にした
「フォアグラ」




そこに熱々のコンソメスープを注ぎ、ややかき混ぜながら
冷たい粉末状の食感のフォアグラと、それが溶けかかった食感と
熱〜い極上のスープの食感とが混じり合う味と温度のハーモニー!!




これは、お品書きでは「クルディテ」
人参とビーツ(甜菜)ときゅうりと根セロリなどを細切りにしてさらに乗っけ
ヴィネガーとオイルで食べる学食や大衆食堂の前菜

ところが
頭の中「??マーク」で一杯になりながら口に入れてみると...

7種の生野菜をすりつぶして成分を抽出し
ゼリーで固めて細く切って並べてある

当然それぞれの野菜の味と香りと色でした



  

左の皿は、アドリアさんが発明した「エスプーマ」
一般的にはフランス語で「エミュルジオン」と呼ばれる
素材の要素を泡にしたソースに包まれる様にして別の素材が



ここからいよいよデザートとなりました



固柔らかいフルーツのおせんべい
したの洋館みたいなものは、あくまで載せ台






デザート一挙盛り





左上のカクテルグラスの中はフルーツのジェラート風の冷菓
でもジェラートではありません
エッセンスを泡にして凍る寸前まで冷やしたもの





もう
何が何だか

びっくり
驚き
ショック
感心

で二時間が終わってしまいました。



次回では、別の日のコースをご紹介します♡


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