![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/74/78e71a090055baf7d1e33d3ba6c4a50e.jpg)
EL BULLI (ブルドッグ)のシンボルは「雄牛」
1980年後半、カタルーニアに歴史に残る名シェフが出現しました
その名も『フェラン・アドリア』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/ba/85c814805520ff25886eac9dfa1f1ae4.jpg)
フェラン・アドリア氏
フランスのポール・ボキューズ以後、素材を生かし軽くデリケートな新しい料理スタイル「ヌーヴェル・キュイジーヌ(新しい料理)」が西欧の料理を
一変させてきました
その革新的風潮からさらに抜け出し、いわゆる「ケミカル・キュイジィーヌ』を生み出し
料理界を未来志向に変えてしまった
レストランの名は『EL BULLI (ブルドッグ)』
カタルーニアからバレンシアあたりの発音では「エル・ブージ」
標準スペイン語で「エル・ブーリ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/57/ad0da0328dc059a844ac98b801c171c9.jpg)
ブルドッグの顔を線描きした板っきれが看板
実に素朴なレストランでした
フランス国境に近いフィゲーラスで高速を降りて海側に30分ほど行くと
ローザスというリゾートの町がある
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/47/0c1c82b1d831f6fbf66b587f2979c70e.jpg)
正面の丘の上に城塞の後が残る海岸通り
この海岸通りの右側がビーチ
その町から左に逸れて、荒涼たる小高い起伏の連なる半島に入り
セメントのひび割れだらけの簡易舗装の道を一時間以上
人の住む気配もない荒涼たる道を迷いながら進んで
急坂を降ると小さな湾に出る
エル・ブージがひっそりと存在しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/2a/f49eb1e86e05941177fa10a48f567bf5.jpg)
白い建物の二つのうち下の建物がレストラン
あたりには、何もない
海からは陸にボートを接岸できる場所もない。
春から秋の半年しか営業せず、半年で8000席。
半分は地元の店の昔からの顧客にとっておき
外国からのお客に残り4000席
週5日間で6ヶ月
営業は時期によって昼か夜
つまり外国のお客様は1日に30名ほど
12月1日が翌年の予約受付の解禁日。
電話(当時は電話)が繋がったら幸運者で2分後に全席が埋まってしまう
その後、あまりにも予約が殺到するので解禁日を10月1日にした
結果は同じことだった
メニューはなく、「本日のお食事はこれこれでございます」と十六品くらいのお品書きを渡される
ある日のコースをご紹介しましょう
まず細々とした前菜がたくさん出てくる。
八寸とか向う付け、みたいな
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/c8/e865371b96ca0c0fb1ce741ad5bf2561.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/8e/19e1388e09a4fb8f7457a8c1ee407682.jpg)
揚げ物(?)と各種ハーブのジュース
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/3c/0426a9f133303b6566780aba2b2fad7d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2f/79b152375cca1f74fd6230045704ea12.jpg)
試験管入りのものと牡蠣の天ぷら様のもの
ちなみに左の寿司巻き様のものの中にもなにやら入っていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/fd/39a26e8f0b7928fd62f750ce3b28fe1a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/76/4399802e313e9d9a96cd89e7e2c4d515.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/72/6314a72105c2344f4a6f749313a6c1dc.jpg)
上の3点は同じもので、ゲストに合わせてアイスノン様のゲルの袋の色が違う
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/e0/4788f57b8aba46e22e060b0f2e1ef669.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/14/b9635422998325324f7ea9e0d69ee353.jpg)
この二葉の写真は同じもので、右がディテール
ここからいよいよ「お料理」になる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/47/a174bb7deff9c90fd53b125cbdde688c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/92/34e01160d9861c8408d4909cbeac28d3.jpg)
まるでデザート
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/4c/27d53b77996f7fe530b01d854ec86586.jpg)
お品書きでは「甲殻類のタリアテッレ」
当然平麺のパスタにエビカニのソース....だと思いますよね
そうしたらなんと、「甲殻類でとったコンソメスープ」をジェラチンで固め
薄く平たく伸ばし、タリアテッレの様に切ったもの!
周囲の黄色い部分はポテト・ピューレではなく
香り高い「何か」のペースト
想像を絶する
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/be/f86b415ba9a0a18d20f31449108d487a.jpg)
これは、液体窒素でマイナス150度Cほどに冷やして粉末状にした
「フォアグラ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/4b/6a32d26dc17aafd3dbd8d2040b7294fd.jpg)
そこに熱々のコンソメスープを注ぎ、ややかき混ぜながら
冷たい粉末状の食感のフォアグラと、それが溶けかかった食感と
熱〜い極上のスープの食感とが混じり合う味と温度のハーモニー!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/66/3f73596049f390d50cd5489b0eda1a27.jpg)
これは、お品書きでは「クルディテ」
人参とビーツ(甜菜)ときゅうりと根セロリなどを細切りにしてさらに乗っけ
ヴィネガーとオイルで食べる学食や大衆食堂の前菜
ところが
頭の中「??マーク」で一杯になりながら口に入れてみると...
7種の生野菜をすりつぶして成分を抽出し
ゼリーで固めて細く切って並べてある
当然それぞれの野菜の味と香りと色でした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/7c/d7432261fb7fbd3a0e29f1655d8a7081.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/7d/ccdd100f99ab6f497eff35a6a60e357c.jpg)
左の皿は、アドリアさんが発明した「エスプーマ」
一般的にはフランス語で「エミュルジオン」と呼ばれる
素材の要素を泡にしたソースに包まれる様にして別の素材が
ここからいよいよデザートとなりました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/39/b3b4a3a99da75257b9dbd0ca6f968935.jpg)
固柔らかいフルーツのおせんべい
したの洋館みたいなものは、あくまで載せ台
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/89/a1e56fee35172101762f3e07d4a5c507.jpg)
デザート一挙盛り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/93/6d219c569283f8c8274f58e6df8777ae.jpg)
左上のカクテルグラスの中はフルーツのジェラート風の冷菓
でもジェラートではありません
エッセンスを泡にして凍る寸前まで冷やしたもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/b7/7370c0e5e032118234e9b03b4ad32d05.jpg)
もう
何が何だか
びっくり
驚き
ショック
感心
で二時間が終わってしまいました。
次回では、別の日のコースをご紹介します♡
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます