『山の峠』1833
ターナーの水彩画は
実に独特の境地を切り開いている
油彩のタブローと同じように
「風景画」に特化し
闇と光
霞と光
古典的アカデミスム と 革新的破壊的無秩序
とが対をなして交互に現れる
冒頭の「アイキャッチ」フォトは
アカデミスムではない方の側
もちろん
油彩と違って
複数の色の塗り重ねはやらない
色が濁ってしまうから
だから
表現の技術は違う
しかし
非現実的な光の捉え方は
油彩と同じ
『テームズ河とキュー橋』1805
『テームズ河 クィルウォール付近』1808
この辺りは
アカデミスム
『橋とヤギの群れ』1806〜07(銅版画)
『シヨン・ハウスと アイルワース近くのキュー宮殿』1805
だが
一方では
『ゴールデイル・スカール』1808
この
岩の渓谷の水彩になると
かなり自由な光の使い方になっている
『エディーストーンの灯台』1817
『サン・ジオルジオ・マッジョーレ教会』1819
『スカルゴトウ』1825
マルリー・シュー・セーヌの合流地』1829〜30
『ルーアンの時計塔』1832
『カーンナヴロン城』1833
『ホワイトヘヴン、カンブリア』1835〜36
沖合の海上に降る雨
このパターンはターナー好んで用いて
繰り返し描いた
『ハーレック城』1834〜35
『バンブール城、ノーサンバーランド』1837
アカデミスムの手法の作品と
具象を感じない光と色彩の混交の作品と
混じり合って発表されているいのは
前者が
主に後援者からの注文制作で
後者は
展示会への出品目的で描いた自分のための作品
だったのかもしれない
『虹の下のアーレンブライシュタイン』1840
『レマン湖 ローザンヌ付近オーシュ岩と共に』1841
『リッシュナウ、上ライン河』1842〜43
晩年に近づくと
「夕景」に注力してゆく
『ヴェネチア、潟の上の日没』1840
先駆けは
すでに1830年になる前から有った
『ペッチハウスのテラスから見た庭園への日没』1827
これはまだ写実性が見られる
が
こうなると....
『日没』1845
具象は何も見られない
光と
光がもたらす色彩の集合だけ
『黄色い日没』1845
そして
夕陽があるなら
朝日もあるはず
『日の出、岬の間から戻ってくる漁船』1845
ここまでくるとお分かりですよね
『印象、日の出』クロード・モネ(1872 )
『ラヴァクール付近、セーヌへの日没、冬の効果』モネ(1880)
いかがでしたか。
※ 以下おまけです ※
クロード・モネ『ロンドンの国会議事堂』連作
『ハウス・オブ・パーラメント(国会議事堂)』1900〜1903
『国会議事堂 日没』1902
『霧 ロンドン 国会議事堂』1903
『国会議事堂 日没』1903
『霧中の国会議事堂』1903
『国会議事堂 ロンドン 霧の効果』1903
『国会議事堂 かもめ』1903
『ロンドンの国会議事堂』1904
『かもめ テームズ河と国会議事堂』1904
『国会議事堂』1904
『国会議事堂 日没』1904
『国会議事堂』1904
『ロンドン 国会議事堂 テームズの水面の反射』1905
※※ 更におまけ ※※
ジョゼフ・ウイリアム・ターナー
『炎上する国会議事堂』
を
三点
『1834年10月16日 炎上中の上院と下院』1934
『炎上する国会議事堂』1937
『炎上する国会議事堂 1834年』1934 水彩
さて
次回はまたスペインに戻りましょうか?
お楽しみに
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以下のサイトも御覧ください
↓
https://veritas21.com 『こんな旅がしてみたい 誰も真似のできない旅のプランナー』
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