荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れる
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キブロンをフェリーで出港し南下すること45分
『Belle=Île-en-Mer ベル=イル・アン・メール』に到着する
港の名前は『Port du Palais ポー・デュ・パレ』
直訳すると「宮殿港」だが
港のある集落の名前が『Le Palais ル・パレ』だから
港は要塞のすぐ下
上陸したら
とりあえず要塞を訪れてみよう
『Citadelle Vauban du Palais ル・パレ・ヴォーバン要塞』
その前に
Photo by @GoogleEarth
港を挟んで北に要塞南に市街地
その市街地も東西と南と三箇所は城壁が残っている
港は西側にプレジャーボートと漁船用の係留池が伸びて
西の先端は閘門で閉ざされるようになって水位を維持している
実はこの要塞は二重の空堀に囲まれている
最初の空堀を渡る
その後
堀と堀の間を歩いて内側に入る橋のところまで行く
二番目の橋を渡って内側に入る
火薬庫
分厚い壁の丸い塔である火薬庫は
周りを同じような厚い石の壁で囲んだ中に建てられている
大きなバケツの中に小さなバケツを据え付けた様な構造とでも言えば良いか
井戸も必然
城壁の上から港の方向を見る
川の様に内側に伸びている内港の方向
城塞から出て下の港の位置
そのままプレジャー・ボートと漁船用の内港につながる
オマール漁の籠が積んであった
閘門管理事務所
途中に水量調整と歩行者橋を兼ねた閘門がある
市街地を囲む城壁の城門
『Porte de Vauban ヴォーバン門』
『Poete Bangor バンゴー門』
外側が海の部分の城壁の上に
昔の給水場があります
この「小屋」の中(むしろ下)は貯水プール
今でも澄んだ水が讃えられている
位置関係を再確認しよう
下の地図上で上からぶら下がる「キブロン半島」から
「ベル=イル」の北東部中央「ル・パレ」に着いた
「ル・パレ」から東にまっすぐ
緑のポインターのあたりに来ると
島の西の果てにポツンと白い小さな家が建っている
船上の航海者を誘惑する「サイレン」にちなんで
『Syrène de Belle=Ile ベル・イルのサイレン』と呼ばれている
ここまでくると
この辺りも侵食と風化だけで作られた造形の美しい海岸線が
絵の様な複雑な美しさを持っている
この辺り一帯は崖脳えギリギリを観光客が歩き回る
踏み分け道みたいな通路が確保されている
写真で見るより
はるかに高度があり恐怖心覚えるほどだがみんな平気で歩いている
そしてこの場所は
「クロード・モネ」が浮世絵に触発されて描いた絵のポイントの一つ
『アール・ヌーヴォーをたどろう 3 <起源となったジャポニスム 2>』
さて
この辺りから「ル・パレ」に引き返す道に戻って
途中で北に向きを変えると
いきなりメンヒルが道路際に立っていたり
野生の雉が戯れていたりを見ながら
北西の先端『Sauzon ソーゾン』まで行くと海岸に
『Fortin Sarah Bernardt フォルタン・サラ・ベルナール』という建物がある
「Fortin」とは「Fort 要塞」からきた言葉で「ちびっこ要塞」
というようなニュアンスなので
辞書には「トーチカ」と訳してあることがあるが
「守備軍分遣隊詰所」みたいな小さな兵舎
あの「サラ・ベルナール」が50歳の時に
廃止されていたこの軍の建物を買い取って別荘に改装
その後
1922年に亡くなる前年まで
30年間にわたって毎年夏にヴァカンスを過ごしたお気に入りの場所だった
Photo by @EspaceMuséographiqueSarahBernardt
軍の分隊の駐屯ようの建物だけあって
海岸のやや内側の窪地を利用して建てられているので海側から敵船が探索しても見えない
時期になるとエリカが咲き誇る
最後に「クロード・モネ」の連作を挙げておこう
『le Pyramide de Côte Coton コトン海岸のピラミッド岩』
実景
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