今更なのですが・・。
今年の8月20日に毎日新聞記者、福田隆さんをお招きして、地域セミナーを開催しました。

会場となったねおほでは、地域の人も参加し、センターに来る中学生や高校生も真剣に、福田さんのお話に耳を傾けました。
福田さんのお話の内容はアフリカの北東部に位置するスーダンの事です。
実際に現地を取材してこられた時の体験を聴いたり、記録映像を見たりしました。
スーダンは1983年から2005年の一月まで内戦をしていました。
取材当時は内戦が終了して間もない2006年、当時のスーダンは主に3つの地域に分かれています。
北部はアラブ系住民の多く一番豊かなハルツーム、そして西部のダルフール、原住民や黒人系住民の多い南スーダン。
お話いただいたのは南スーダンのこと。
内戦は北部のスーダン政府と南部のスーダン人民解放運動との間に起こったものでした。
福田さんの記録映像は南スーダンへ入るところから始まりました。
乾いて赤茶けた砂の大地が広がる風景が続いた先には、内戦により逃亡してきた難民の人々が暮らすエリアへと、映像は変わってゆきました。
びっしりと並んだマーケット、インターネットもあったり、スニーカーもあったり・・・。
けれども平野などは水汲みの少女や、家畜の世話をする少年たちが行き交う人々が生活する真っ只中に、地雷がいくつも根深く埋まっており、いつ被爆するともしれない環境です。
そして、キャンプ内は貧しさと生活に必要な衣食住がままならない環境、そして衛生的な問題、人々による暴力や窃盗、それに加えて度々襲い来る嵐の存在。
その度せっかく立てた小屋も無残に崩れてしまいます。
その記録写真のなかで人々の表情が印象に残りました。
怯えと怒りのような厳しさに、悲しさというか放心というか、それらがないまぜになったような瞳をした人の顔です。
その瞳を見て、どきっとしました。
氷を胸にあてられたようです。
やっぱり、どの人も暴力というものは怖いんだ・・・。と感じました。
写真の中には教会が徹底的に破壊された写真もありました。
そこに暮らす人々の神聖な所、本当に大切なところを徹底的に破壊する。
これはほかの国でも、どこの地域でも、共通する破壊の仕方なんだそうです。
また損傷の激しかった、南東部のカポエタでの取材のお話もききました。
90台以上の戦車が、そのまま野ざらしの中を子どもたちが遊んだり、内戦もおわったのに高圧的な兵士の存在。
怪我をしたおかげで帰ってこられた少年兵の話や、家畜の世話の途中で、空爆により手を失いながらも、
なんとか生きていこうとしている少年の話。
福田さんの記事を読みましたら、その少年も生きていこうとしている気持ちが、
人の施しを求めていくようになってしまう心に変わってしまっていたり・・・
また、取材の許可を行政からきちんともらっているのにも関わらず、軍の兵士が取材陣を恫喝したり・・・と人の心の芯の部分まで内戦や暴力の影響が、歯を喰い込ませていくことに、言葉もありません。
その記事では福田さんが話し合ったスーダン難民の男性の言葉が印象的でした。
「教育。」
その男性はキャンプ内で教育を受けていたそうで、出会った他の人々も教育の大切さを語ったそうです。
福田さんの記事から文章を載せさせていただきます
「両手を失った少年、兵士は十分な教育を受けていなかった。必要以上に卑下すること、力で相手をねじ伏せることは人間の尊厳を失わせる危険な行為だ。それを知るのが「教育の力」だ。と口をそろえた。」
また、滞在中の宿には蠍や毒グモが出たり・・・マラリアにかからないための予防接種や取材の上での苦労などもお聞きしました。
このように、福田さんが生身で取材してくださった貴重な映像や言葉で伝えてくださいました。
現在の南スーダンは2011年に独立し、南スーダン共和国となりました。
しかし、未だ争いは続いているようです。
今、この日本に生きて、自分は教育や学んで行くことの大切さを、未だにしらないのではないか・・?
と思いました。
そして、教育ということはどういうことか、スーダンの方々が言った大切さも考えます。
それから、福田さんには子どもたちの学習にも協力いただきました。
この場になりますが、福田さん、本当にたくさん、ありがとうございました。
(や)
