7月4日(土)、講師に徳丸ゆき子さんをお呼びし、『シングルマザーとその子どもたち~地域の支援と社会的課題』と題して、地域セミナーを行いました٩( 'ω' )و 参加者は43人で、多様な方々で盛況でした。
徳丸さんは「大阪子どもの貧困アクショングループ」の代表として活躍されています。
子どもの貧困はバブルの時代でも10 人に 1 人の割合でしたが、現在では 6 人に 1 人。物質的、金銭的な貧困だけでなく、お金がないために人と繋がることができなかったり、働くことや文化活動に参加できないことも貧困に含まれます。
そして、日本のシングルマザーの 8 割以上は働いていながら半分以上がワーキングプア状態。なのに行政が力を入れているのは就労支援で、生活保護施策のほうは不十分な状況にあります。また、 2014 年 1 月には「子どもの貧困対策基本法」が施行されましたが、予算はほとんどついていない状態で、数値目標もほぼありません。
徳丸さんは、「子どもだけでなく親をまるごとサポートする体制、つまり“生活支援という福祉的視点”が大切」と話しておられました。
子どもの貧困は大人の貧困となって、また次世代の子どもの貧困へと連鎖しがちです。
徳丸さんは、貧困の状況にある子どもを見つけるため、夜回りを行うなどして子どもと出会っているそうです。そしてお母さんたちと出会い、相談にのったり、行政や民間団体・セーフティーネットに繋いで支援を行います。その際に、固くなった心を“ほぐす”ことで、信頼関係をしっかり築くことが問題を解決するためにとても重要とのことです。
徳丸さんは「子どもにご飯」の活動もされており、平日は学校の給食があるが、休日はご飯を食べないなど、欠食の子を支援するため、無料で行っているそうです。「このような場所が地域(小学校区に 1 つ)あれば … 」と話されていました。
私は徳丸さんのお話を聞かせていただいて、「ニーズを把握した支援」を行うことの大切さを感じました。また、貧困の状況にある子どもを見つける難しさを知ることができました。自分でちゃんと意識していないと、なかなか見つからないものだというのも共感しました。
しかしまた、子どもたちのことを考えている人は多くいることも知りました。そのような人たちがつながればきっと支援の輪は広がっていくだろうと思います。
徳丸さんの「枠をこえて活動する」という言葉がとても印象的で心に残りました。ありがとうございました。
(ひかり)
※本セミナーは、2014年度近畿ろうきんNPOアワード助成事業 および、一般財団法人大阪府人権協会 「2015年度人権NPO協働助成事業」として実施しました。