ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ 恐怖の精神病院 (1946)

2021年08月27日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」

患者に対する偏見と差別を「公共の課題」ではなく「個人の悪事」に帰結してしまうところは、製作当時の限界なのでしょう。それにしてもこの邦題はひどいミスリード。原題の〈Bedlam〉は「騒々しく混乱した場所」という意味で精神障害の差別用語としても使われるようです。病院の内側と外側、どっちが〈Bedlam〉なのかという問いがこの映画の真意なのでは。


【あらすじ】
理性の時代と称された18世紀のロンドンの精神病院。詩人で劇作もこなすその病院の院長シムズ(ボリス・カーロフ)は、患者を見世物にして私腹を肥やす非道な男だった。シムズはパトロンのモーティマー卿(ビリー・ハウス)たちを集め、その夜も患者たちに理不尽な芸をさせて喝采を集めていた。客のなかにいたモーティマー卿の愛人ネル(アンナ・リー)は、その残虐ぶりを見かねシムズを激しく非難した。彼女を疎ましく感じたシムズはネルを病院の檻のなかに監禁してしまう。以前からネルの正義感に気づいていた病院に出入りする石工のクェーカー教徒ハネー(リチャード・フレイザー)が、彼女に接近してくるのだった。(白黒/79分)

(8月22日/シネマヴェーラ渋谷)

★★★


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