その先のない雪と氷の国境の町に行きついて、それなりに日々をやり過ごすナナ(チョウ・ドンユイ)と男友達のシャオ(チュー・チューシアオ)。同類のハオフォン(リウ・ハオラン)が加わったところで、その場で浮いたり沈んだりのコップの底の乱痴気騒ぎ。
広い中国のなかで居場所を失くした若者たちに“氷の世界”の出口は見えたのだろうか。
(10月27日/テアトル新宿)
★★★★
【あらすじ】
中国東北部の延吉。漢字とハングルの併記が溢れる北朝鮮との国境の町だ。友人の結婚式に出席するために、この地を訪れた上海の企業に勤めるエリート青年ハオフォン(リウ・ハオラン)は密かに心に病を抱えていた。式を終えた翌日、ハオフォンは時間つぶしに参加した観光バスツアーでガイドのナナ(チョウ・ドンユイ)と知り合う。その夜、彼女の男友達のシャオ(チュー・チューシアオ)も合流し一晩飲み明かすことに・・・。ナナとシャオもまた挫折をか抱えて、この国境の町に流れ着いた若者だった。シンガポールのアンソニー・チェンによるカンヌ・カメラドール受賞作『イロイロ ぬくもりの記憶』に次ぐ脚本/監督作。(100分)