彼からの年賀状は毎年、1月の4日か5日に届く。
2歳年下の大学時代の友人だ。
厳密にいうと年賀状ではない。
明けまして云々、といったお決まりの文言は一切なく
私製の葉書に7~8行、愛嬌のある字で近況を知らせてくる。
俳句を趣味にする彼は、
その冒頭に必ず自作の句を記してくるのだが、
今年の便りは、ある作家の句から始まっていた。
やい癌め
酌み交わさうぜ
秋の酒 江國滋
昨秋、悪性のリンパ腫を得ました。
抗癌治療を続けつつ、時には悪性新生物と酒を楽しんでいます。
命には限りがあることが、ようやく分かるようになりました。
いつのもの癖字が葉書一面に踊っている。
本州の北端の町に住む彼に、たやすくは会えない。
来年の1月4日も平穏に迎えられることを願う。
2歳年下の大学時代の友人だ。
厳密にいうと年賀状ではない。
明けまして云々、といったお決まりの文言は一切なく
私製の葉書に7~8行、愛嬌のある字で近況を知らせてくる。
俳句を趣味にする彼は、
その冒頭に必ず自作の句を記してくるのだが、
今年の便りは、ある作家の句から始まっていた。
やい癌め
酌み交わさうぜ
秋の酒 江國滋
昨秋、悪性のリンパ腫を得ました。
抗癌治療を続けつつ、時には悪性新生物と酒を楽しんでいます。
命には限りがあることが、ようやく分かるようになりました。
いつのもの癖字が葉書一面に踊っている。
本州の北端の町に住む彼に、たやすくは会えない。
来年の1月4日も平穏に迎えられることを願う。