今夜はワシントンホテルでJTのディライトフォーラムがありました
ゲストは藤本義一さんと鹿島茂さんです
藤本義一さんは、昔テレビで拝見した頃と変わらず、饒舌でパワフル。とても76歳には見えません。
彼は中学校1年生の時、父親(45歳)が空襲により仕事が無くなり、うつと結核になり、隔離の療養所へ。母親も米軍にひき逃げされて療養所へ。長男の為、両親の病院のお金と生活費を闇市で稼ぎ始めました。そこで困難な状況でも頑張れば生きていけるという自信を。一年経過して、父は隔離から大部屋に移り、面会ができることに。久し振りに会い「子不孝してすまない」と言われたそうです。そして、続けて言ったことは「お前は頭がいいから、お金が無くても、頭の金庫に学問を入れて運用しなさい」 彼に大学進学を強く勧めたようです。大学の選択については、3つの課題を「学費がやすい。自転車で通える。先生が多くて学生が少ない」これにより、大阪府立大学になり入学。しかし、卒業の時の資格は学校の先生くらい。父は公務員だということで喜んだのですが、定年を考えると55歳(定年が決められたのは1901年でその時の平均寿命は42.6歳)で今の時代には合わなくておかしい、定年の無いものと考えて、絶対になりたくないと考えていた物書きに。なぜなりたくなかったかと言うと小学校3年生の時に担任の先生に「不思議に思っていることを書きなさい」といわれ、みんなが夢のあることを書いたさなか、彼は「靴下」のことを。靴の中にあるから「靴中」が正しいのではないか!書いて怒られたのだそう。その次の年も担任の先生が代わったのにもかかわらず、またまた同じ題材、今度は「出入口」を「入出口」が正しいのではないか!出て行ったものは戻って入ってくるかはわらないが、入ったものは出て行くので。と書き、またまた怒られたそうです。それで、絶対物書きにならないと思っていたのだそうですが、今ではその発想が物書きに通じていたと思えると。
それから1時間10分飽きることのない、小説家らしい観点から現代の日本人に足りないもの、おかしなところを聞かせてもらいました。
大脳はアセテルコリン、ドーパミン、セルトミンから成り立って、完全なものを作ろうとすると3兆円もかかる。だから、せっかくもっているのでフル活躍させよう。男と言う漢字の意味を知っていますか?田んぼで力を出すなんていったら間違いです。上の田の部分は頭の断面です。昔、中国で勝った男が、負けた男の頭を悪口をいいながら、なたでスライスしたそう。その断面が田の形だったのです。女も九の一ではないですよ。中国は神教だったので、あおさいのような服を着て、片ひざを立てて手を広げて女性の拝む姿です。このことは、日本人は知らないけれど、案外、外人は知っているらしい。。。
事実を言うのは頭を使わないこと。虚構を加えて話す大切さ。しかし、嘘はいけない。禁句も使ってはいけない。特に疲労の言葉。疲労の言葉は伝染する。それに、「疲れた。疲れた。」と犬やネコが話したらかわいくないのと一緒。
続く続く。。。とっても面白いお話。。。
鹿島茂さんは明治大学教授でフランス文学者
古書の楽しみ方について噛み砕いてお話されました
古書は高くて先生の給料では買えないので、お金が欲しくてもの書きになったそうです
こちらは、機会があればまた書きます。
ではおやすみなさい