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クララ・ヴュルツ ピアノリサイタル

2006年09月14日 | pocknのコンサート感想録2006
9月14日(木)クララ・ヴュルツ ピアノリサイタル
~モーツァルト・ピアノソナタ全曲演奏会シリーズ第4夜~
四谷区民ホール

【曲目】
1.モーツァルト/ピアノ・ソナタ ヘ長調K.280
2.ピアノ・ソナタ 二長調K.284「デュルニッツ」
3.ピアノ・ソナタ ハ長調K.545
4. ウィレム・ファン・ナッソウの主題による7つの変奏曲二長調K.25
5. ピアノ・ソナタ へ長調K.332
【アンコール】
1. マティアス・カダール/ため息
2.モーツァルト/トルコマーチ

ヴュルツの名前はこれまで聞いたことがなかったが、今年のザルツブルク音楽祭でリサイタルを行い、その時と同じプログラムでモーツァルトをやるというので興味を引かれて出かけた。

「クララ」という名前の響き、チラシで見る細身で伏し目がちな横顔などから、勝手にとても繊細な清楚なモーツァルトを想像していたが、実際にステージに出てきたヴュルツは太っているというほどではないがとても健康的な感じ。椅子に座るやすぐに弾き始めた。これもイメージとは違う…

ヴュルツのモーツァルトは想像とは違ったけれどなかなか良かった。大勢の兄弟姉妹の中であねご的な存在のような、あたたかみと頼りがいのある演奏、とでも言えばいいだろうか。大らかで、太めの線でくっきりと曲の輪郭を描いて行く。音量もたっぷり目でダイナミックな印象さえある。

こう書くとおおざっぱな演奏のように思われるかも知れないが、そういうわけではない。とてもソフトで優しさがあり、あったか味があり、ぬくぬくしてくる。気持ちよくなって前半は時々ウトウトしてしまったが、モーツァルト10代の2つのソナタはとても充実した響きで、聴き応えがあった。その一方、後半にやった初期のヴァリエーションなんかではスカルラッティ的なクリアな線が浮き立つ古典的な演奏も聴かせてくれた。最後にやったF-durのソナタの2楽章のあたたかさも心地よかった。自然に育まれた健康的なモーツァルト。

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