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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト 「SPARK」ジャパンツアー 2016

2016年11月18日 | pocknのコンサート感想録2016
11月16日(水)上原ひろみ(ピアノ)/ アドリアン・フェロー(ベース)/サイモン・フィリップス(ドラムス)

EX THEATER ROPPONGI

曲目
SPARK/DESIRE/WONDERLAND/WHAT WILL BE, WILL BE/
DILEMMA/INDULGENCE/IN A TRANCE
アンコール
MOVE


2年ぶりの上原ひろみライブ。今回はライブハウスでのスタンディン。ライブハウスは初体験。良い場所を取ろうと気合い入れて仕事を早退して行ったが、チケットの整理番号順の入場とわかり番号を見たら800番台、こりゃ当分入れないと、外でコーヒー飲んでから30分後に出直したら、もう自分の番号はとっくに過ぎていて慌てて入場。辛うじてまずまずの場所が取れた。

スタンディングということもあって会場の熱気とテンションも初っぱなから全開モード。そんななかでのライブは臨場感アリアリ。ヒロミは激しい身体の動きと共に、凄いピアノを聴かせた。どこまでも冴えて瑞々しく、はじけ、跳ね回る。超高速でこれでもか!と撃ち込んでくる打鍵は恐ろしいほど正確。ヒロミはどんなに興奮しても、エイヤッ!と勢いに任せて盲目的に弾いたりはしない。1つの音をどんな角度からどんな勢いで撃ち込むべきかを瞬時に判断し、猛スピードのパッセージでも100発100中だ。ハートはどんなに熱く燃え上がっても、ヒロミの頭の中心部分は常に冷静で、自分の演奏とアンサンブルを完全にコントロールしている。

ヒロミのピアノは変幻自在で色々な音や効果を出す。ドラムセットにも、ビックバンドにも、ストリングスにもなってしまう。体がフワッと浮くようなスウィングでダンスに誘い、しなやかで伸びやかなステップでは大空を駆け巡る気分にさせ、アグレッシブな連続パンチを浴びせて意識がもうろうとしたかと思えば、お客の方に小悪魔のように笑いかけながら、右手が高音を妖しく行き来するパッセージでは、絶妙なフィンガーテクニックで全身をくすぐるように愛撫され、得も言われぬ快感に導かれる。次から次へといろんな魔法をかけて、聴き手を興奮に導き、メタメタにし、メロメロにしてしまう。

サイモン・フィリップスのドラムスも熱くて超人的だし、病気のアンソニー・ジャクソンに代わって出演したアドリアン・フェローのベースも縦横無尽に駆け巡る。3人が常に一体となって瞬時に鮮やかに、スリリングに表情を変えて行くリアリティが凄い。ベースがアンソニーでないのは残念だが、今夜が世界五大陸ツアー最後のアジアでの初日となるザ・トリオ・プロジェクトは世界中を魅了したに違いない。

スタンディングで足は棒になっていたはずだが、最後の曲に「もう終わり?」という気分。上原ひろみにますます惚れた! 前後も入れると3時間立ちっ放しで、やっぱ腰にキタ。。。

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(2014.12.16 川口リリア メインホール)
CDリリースのお知らせ
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~

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