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ポラン書房閉店 ~コロナで大切な場所を失わないためにできること~

2021年02月08日 | pocknの気まぐれダイアリー
2021年 2月7日(日)

ポラン書房閉店 ~コロナで大切な場所を失わないためにできること~



西武池袋線の大泉学園駅の近くにある古本屋、ポラン書房が2月7日で閉店するという記事を新聞で読み、昨日、閉店の前日に駆け付けた。ここはずいぶん前に、元同僚に連れて来てもらって以来、時々訪れていた。芸術書や歴史関連の読み物、文学など良質な書籍を豊富に揃えた店内は、絵や書や柱時計などセンスのいいインテリアが架かり、ジャズやクラシックのBGMが流れる落ち着いた空間で、穏やかでにこやかに応対してくださるご主人と奥さんの存在もあり居心地が良く、行くと長居してしまうお店だった。地元というわけではないので度々訪れるほどではなかったけれど、こんな本屋さんがある町っていいなと羨ましさも感じていた。




久々に訪れたお店は、閉店を知った人たちが大勢来ていて人数制限をしていた以外にはいつもと変わらぬ雰囲気。外で待っている人もいたが、つい長居していろいろ買いこんでしまった。一般の書店では見つからないような本との出会いがまたあった。お店を出るとき、ご主人が「お気をつけてお帰りください」と笑顔で見送ってくださった。そのポラン書房は今日の午後8時に長い歴史を閉じた。もうここを訪れることができないと思うとたまらなく寂しい。そんなかけがえのない街の文化の灯が消えることになってしまったのは、コロナで客足が遠のき、家賃を払えなくなってしまったせいだと云う。


コロナ禍で苦しんでいる人達は大勢いる。長年続けてきた小さな飲食店や小売店が次々に閉店に追い込まれ、活動の場を失ったアーティスト達は路頭に迷っている。苦境に立たされているのは、強力なバックアップも持たず競争力もない、弱い立場の人達が圧倒的に多いように思う。コロナは、弱肉強食の世界を更に際立たせ、皆にささやかな喜びと癒しを与えようと誠実に一生懸命やっている人達の人生を踏みにじり、人々が心の拠り所にしている大切な存在を次々に消していく。町の本屋さんや映画館、レストラン、寄席や小劇場、旅館や民宿… 「コロナのおかげで大切なものに気づいた」なんてセンチメンタルに浸っているだけでは何も変わらない。大切なものを守るために行動しなければ!

大切な場所を守るために何ができるだろうかと考えたとき、自分にとってかけがえのない特定の場所を、今こそ積極的に利用して応援することに尽きるのではないだろうか。本屋に行ったからといって、お芝居を観に行ったからといって、家族で食堂に行ったからといって、それが感染拡大につながることにはならない。「外出自粛」の旗印のもと、外出すること自体を感染拡大の元凶のように唱える空気にこそ問題がある。その責任は政府にあり、自治体にあり、メディアにあり、それに踊らされる私たちにもある。マスコミは消えゆくお店とその店主の悲哀を伝えるだけでなく、どんな行動なら感染リスクが低いかを積極的に伝え、家に閉じこもってばかりいないで、大切な場所に出かけて盛り立てるように働きかけるべきではないか。

コロナの不安ばかりを掻き立て、「やってはいけないこと」ばかり並び立てるのはおかしい。改めて訴えたい。「自分が大切にしている場所がなくなってしまわないように、家に閉じこもってばかりいないでみんなで応援に出かけよう!」と。

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