帰ってきた“いつまでかけるか”

マイペースに日常を暮らす。

小説「ビデオ屋ヒデキ」その2

2013-01-25 18:02:41 | 小説
そうは言っても、インターネットで動画なんかが
いくらでも見られるこの時代にビデオ屋にこだわるのは
時代遅れなのかもしれぬ。
そこを察知してか兄貴もビデオ屋を辞めると言い出した。
するとおれはそれを待っていたかのように
「おれが跡を継ぐから、兄貴は引っ込むか、しろ!」とか言ったら
本当に兄貴が引きこもりになっちまった。
トホホホホホホホホ。
とは言え今度はおれを今の今まで食わせてくれた
ビデオ屋に、家族に恩返ししないとな。

なんてことを考えていたが、
おれが継ぐとなったら、数少ないはずだった友人たちが
寄り集まってきて
そいつらにビデオ屋を占拠されたみたいに
なってきた。