帰ってきた“いつまでかけるか”

マイペースに日常を暮らす。

小説「ビデオ屋ヒデキ」その1

2013-01-15 19:15:09 | 小説
おれは今でこそビデオ屋をしているが
これでも、れっきとした・・・。
ニートだったんだ。
って威張れないよな。



おれは長い長~い引きこもり生活にオサラバして
やっとこさ職に就いた。
と言っても家業?であるビデオ屋を手伝っている
だけだと言ったらいいのか。
おれのオヤジがビデオ屋を始めたのはいつの頃だったろうか。
子供の頃のおれはAVのコーナーにばっかり
行っては怒られていた。
しかし、オヤジが倒れてからというもの
オフクロと兄貴が交代で
店番をするようになったのだが
そのオフクロも年寄る波には勝てず
兄貴に代を譲った。
そこでおれはどれだけ自分の店以外の
ビデオなんかも見て、いかに詳しいか張り合い、
兄貴とそういう不毛?な論争をして、引きこもってしまった。