
以前ご紹介したマークスの山の続編的作品。
大分前に読んだものの、すっかり記事化することを忘れていたため、
内容も忘れつつありますが簡単にご紹介します
今回も前作の主人公合田が主役級の扱いで登場してますが、
作品の本筋は、殺人事件ではなく営利誘拐事件。
マークスの山よりも大きな世界観で描かれています。
WOWOWのドラマ版マークスの山のイメージが強くて、
合田=上川隆也を思い浮かべながら読んでしまいました。
マークスの山では本庁の刑事だったのに、
その後何やらトラブルを起こして(「照柿」に書かれている模様)
所轄に左遷されてしまってましたが、
冷静な読みは健在で、誰よりも早く事件の真相に近づいていました。
はっきり言って、内に閉じこもるひたすら暗い性格で、
親友の加納祐介とはちょっと同性愛的雰囲気になっていたり、
決してみんなに愛される「ヒーロー」的な人間ではありませんが、
なぜか気に入ってしまった人物です(笑)
今作では犯人・被害者・捜査班・取材陣と
異なる視点から細かく描かれていて、
マークスの山以上に人物描写が深くなっていました。
そのため、文庫で3冊という物理的ボリューム以上に読みごたえある作品です。
推理小説というよりは、社会派サスペンスの部類にはいるのでしょうか?
とにかく色んな人物の内面を掘り下げて、
ドロドロの人間模様や社会との隔離・絶望感等
マイナス要素たっぷりの世界観ですが、説得力はあります。
内容が重いので海堂作品のように無心でスラスラと読めるものではないですが、
なんとなく気に入ってしまったシリーズなので、
マークスの山とレディー・ジョーカーの間に出ている照柿と、
2009年に出た太陽を曳く馬(こちらは未文庫化なのでまだ先になりそうですが)
を読んでみようと思います。
↓↓
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レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
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レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫) |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
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レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫) |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
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