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植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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市販培養土の比較試験の結果

2025年05月13日 | 家庭菜園

ブログの移転に関しまして、6月いっぱいはこちらgooでの投稿を続けたいと思います。その後は・・・はてなブログに移行するかどうか・・?はてな?・・まだ決めていません。


5月2日の投稿で小松菜のプラグ苗を用いて市販培養土の比較試験を開始しました。その投稿が・・

小松菜で培養土の比較試験をします

の記事です。昨日の時点で明らかに成長に差が出ていましたのでレポートしたいと思います。

栽培開始時5月2日の写真が・・

簡単に試験の概要を述べます。各培養土を2個ずつのポットに入れて試験しました。下2段に並んでいるのがホームセンター各社で販売している14L入り400円前後の園芸用培養土を入れたポットです。一番左の列二つをA社とし順に右へB〜F社とします。上2段に1セットあるのは比較のために6L・680円の高額商品を入れておきました。

そして5月12日、移植後10日経った状態が・・

予想していた以上に成長の差が開きました。D社培養土の小松菜は明らかに成長が遅いことがわかりました。成長が良いのは高額商品とA〜C社の培養土のようです。

横に並べて比較してみたところ・・

最も成長が良かったB社と最も成長が悪かったD社の比較です。同じ期間栽培したとは思えないほどの成長差が生まれました。

次に生育良好な一番と二番の比較を見てみると・・

両端の二つが一番の成長を見せたB社の鉢で、中の二つが二番手のA社の鉢です。

下位の二つを比較すると・・

両端が下から二番目のF社で、中二つが最下位のD社培養土で育てた小松菜です。

小松菜がどのくらい伸びたか測定しました。最も伸びた葉を培養土面からの高さとして物差しで計測しました。葉の開き具合が高さの測定値に影響するので、客観性に乏しくなると思われましたが、成長の開きが大きかったので順位づけには影響ないと判断しました。

  • 高額商品:10.5cm 13.0cm 平均11.8cm
  • A社   :12.5cm 11.5cm 平均12.0cm
  • B社   :13.5cm 13.5cm 平均13.5cm
  • C社   :11.5cm 10.5cm 平均11.0cm
  • D社   : 6.5cm   7.0cm  平均6.8cm
  • E社   :  9.5cm* 11.0cm 平均10.3cm
  • F社   :10.5cm 10.0cm 平均10.3cm

「*」の株は虫食いがありました。

平均値を持って順位付けすると

B社 A社 高額商品 C社 E社 F社 D社

の順となりました。E社、F社は平均値が同じでしたがE社の9.5cmの株の子葉が下の写真のように虫食いされていまして、これが無かったらもっと伸びていたと判断して上の順位にしました。

削られた跡があるのでナメクジでしょうか?犯人は見当たりませんでした。それ以外、アブラムシがほんのわずか見られた程度でした。群れになっているものは無かったのでアブラムシ被害は無視して良いと判断しました。浸透移行性があるアルバリンで一度駆除したのですが効果が長期間続かないようです。アルバリンに耐性できているのかなぁ。


B社の培養土については以前から愛用していたものです。数年前から外装記載のメーカー名が変わっていた商品だったので 以前と同じパフォーマンスがあるか心配していました。しかし、高額商品より良い成績だったのでこのまま愛用していきたいと思いました。A社とC社については、土の様子から良い成績になると予想していました。結果は2位と4位であり、園芸経験を積んだことで土の良し悪しが少しは分かるようになったのかなと思いました。


商品価格と培養土の袋に記載されている各社のアピールポイントを要約しておきます。

  • 高額商品:理想を追求 団粒構造 フローラマックB やバットグアノ他成分をアピール(6L 680円)
  • A社:有機堆肥をベース 保肥力を高める各種原料 緩効性化成肥料入り(25L 598円)
  • B社:90日間効く肥料入り(14L 382円)
  • C社:初期肥料入り ふかふかで根張りの良い pH6.5±0.5 EC1.0以下(14L 348円)
  • D社:木炭、木酢酢入り 緩効性肥料入り pH6.5±0.5 EC1.0以下 (14L 438円)
  • E社:肥料効果120日間 pH EC調整済み 苦土石灰+炭(14L 398円)
  • F社:3ヶ月肥料効果 pH調整済み ゼオライト入り エコマップ配合(14L 438円)

今回の試験では小松菜の初期生育に限って培養土の違いを観察しました。栽培期間がもっと長かったり別な植物で比べてみるなど条件が変われば結果も変わるかもしれません。さらに比較対象を食味にすると成長スピードと無関係な結果になる可能性も考えられます。しかし、今回の目的は園芸植物だけでなく菜園用としても安心して使用できる培養土を決めることにありました。なのでわたくしの結論としてはA、B、C社の製品であればコストパフォーマンス的に心配いらないかなと思いました。幸いB社の店舗は自宅に比較的近いので今後もこの商品を利用していこうと決めました。


【まとめ】

  1. 同一価格帯の市販培養土でも商品により小松菜の生育に大きな差が出ました
  2. 高額商品よりも小松菜の生育スピードが優れた商品が複数ありました
  3. 製品にpHやECの数字が記載されていても小松菜の生育が良くなかった商品もありました
  4. その一方、袋のアピールが控えめな製品の方が成績が良かったものがありました
  5. 今後はB社の製品をベースに利用していくにしても 植物の性質に応じて土の性状を変える成分を追加するなどの工夫は求められます
  6. 小粒ながら軽石が多く含まれた製品があり予想通り生育スピードは下位の結果でした
  7. 成長が良く無かった製品でも、逆手にとって寄せ植えに使えば草姿が乱れにくく長期間楽しめるなどのメリットはあるかもしれません

【感想】

数字を盛り込んでグイグイ来るようなパッケージの商品と控え目な商品が並んでいたら前者を選びがちですが、商品の性能には全く関係ないことがわかりました。それゆえ市販培養土を利用して植物の様子が芳しくなかっ時は真っ先に培養土を変えてみることが解決策になりそうです。

【今後】

  1. 今回の試験開始と同時に菜園にも小松菜プラグを移植してありますので、市販培養土と菜園での栽培の比較をしてみたいと思います
  2. もちろん菜園は日光量、温度、風や近くで栽培している植物の影響など様々な点でポット栽培とは異なるので単純な比較はできません
  3. 判定に葉の身長を測定しましたが、葉の数についても記録をとっておこうと思いました
  4. 各培養土で2ポットずつ栽培しているので一つは液肥を追加して成長に差が出るか観察してみようかと思っています

【追加情報】

5日後の5月18日に観察した結果。最も伸びている本葉について、基部から切り取り長さを測定しました。また、本葉の枚数をカウントし( )内に記します。

  1. 高額商品:17.0cm 17.0cm 平均17.0cm (10枚 10枚)
  2. A社   :17.5cm 17.5cm 平均17.5cm (10枚 11枚)
  3. B社   :16.0cm 15.5cm 平均15.8cm (10枚 10枚)
  4. C社   :16.0cm 16.0cm 平均16.0cm (9枚 9枚)
  5. D社   : 7.0cm   7.5cm  平均7.3cm  (6枚 7枚)
  6. E社   :12.0cm*  15.0cm 平均13.5cm (9枚 9枚)
  7. F社   :10.5cm 11.0cm 平均10.8cm (8枚 9枚)

13日に計測したときと順位が変わりました。

A社 高額商品 C社 B社 E社 F社 D社

また、同じ日に菜園に植えた小松菜についても大中小の3株で調べました。

  1. 菜園  : 19.5cm 22.0cm 24.5cm 平均22.0cm(9枚 9枚 10枚)

【まとめ2】

  1. 今回の同一価格帯の市販培養土試験で、A社の製品は高額商品よりも優れていました
  2. A、B、C社の製品であれば栽培に問題は生じないと思われます
  3. その中で最も家から近い店舗のB社の培養土と機会があればA社のものも利用していきたいと思います
  4. A社のポットよりも菜園への地植えの方がはるかに成長は良い結果となりました
  5. いくら良い培養土を用いても根域が制限されるポットより地植えの方が優れているということ
  6. 菜園で栽培する予定があるなら、できるだけ早くに移植するのが良いと思われます

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