サンティアゴ巡礼・ルピュイの道（第９日目）Pelerinage sur le Chemin du Puy (9em jour)

フランスの聖地、コンクの村　Village de Conques, l'un des lieux sacres de France

ル・ピュイ巡礼路の旅　

第9日目：2013年10月3日（木）
行程：ゴリナック(Golinhac)　標高：649m　→　コンク(Conques)　標高：250m
歩行距離：21km

　　ジットでの朝食のメニューは、殆どどこでも同じです。パンと数種類のジャム、そしてコーヒーです。

　ジットでの朝食

　　朝食を済ませ、身支度をして玄関口に立っていると、ジットのネコちゃんが私の足元にじゃれ付いて来ました。その後、私のリュックに抱き付いていたので、その可愛らしい光景をパチリと撮影。

　リュックに抱き付くネコちゃん

　　ところでこのジットは、周囲には全く人家のない山道の中にぽつん孤立して宿でした。したがって、出発したのは8時でしたが、最初に目指すのはゴリナックの村です。モミの木の落ち葉や栗のイガが沢山落ちている山道を通りながら、ゴリナックに向かいます。約1時間後に、ゴリナックに到着しました。

　　ゴリナックには、950年に創立されたと言うプレロマン様式（ロマネスク様式の前の建築様式）教会がありました。現存する教会はその後の改築で変化していますが、創立当時のシンプルな建築の名残を留めています。好奇心に駆られて、聖ヤコブを刻んだと思われる入り口のドアをくぐり、内部に入ってみました。内部には、St Rochの彫像がありました。

　ゴリナックの教会

　教会の入り口のドア　　　教会のステンドグラス

　内部のSt Rochの彫像

　　この村を過ぎると、次の村エスペラック(Espeyrac)に向かって緩やかに下る山道歩きが続きます。ツタで囲まれたトンネル道、ドングリやイガ栗の落ちている道、路傍にキノコが生えている道など、秋の情緒に満ちた山歩きです。

　　一旦、周囲の景色が開けると、赤っぽい色を帯びたオーブラック種の牛(boeuf d’Aubrac)が水を飲んだり、草を食んだりする放牧場がありました。このオーブラック種の牛は、フランスのブランド牛で、日本にも輸入されています。

　オーブラック種の牛　boeuf d’Aubrac

エスペラックへ向かう途中の10時半頃に、地元のジットが設けた休憩所があったので、コーヒーを飲んで小休止しました。

　休憩所入り口の十字架　

　　それから、しばらく歩くと、赤色の植木鉢を上手にアレンジして製作したお百姓さんの人形と思われるオブジェがありました。

　お百姓さんのオブジェ

　　エスペラックに到着したのは、11時半でした。この村には、ゴリナックで見たのとそっくりの教会がありました。現存する教会は、14世紀に造られた様ですが・・・。

　エスペラックの教会

　　まだ昼食には早いので、次の村、セネルグ(Senergues)に向かって歩くことにしました。この村に到着したのは12時半頃でした。ビールとチーズサンドで昼食を取って、一休みしました。この村の歴史は古く、ガロ・ロマン時代（紀元前2世紀〜紀元後5世紀）に遡るとのことで、しみじみとした旅愁を感じました。

　　この村には、歴史的建造物として、五つの教会と四つの城があったと言いますから、現在では500人ほどの住民しかいないことを考えると、歴史の変遷の不思議を感じます。
現存する教会は、14世紀の再建とのことですが、以前のロマネスク様式を建築を保っているとのことです。

　セネルグ村入り口の十字架

　セネルグの教会
　セネルグに残っている城　　

　　セネルグからはサン・マルセル(St Marcel)までは、平坦な道が続きます。サン・マルセル付近に近づく頃、激しい雨が降り出しました。

　雨の中を歩く巡礼者

　サン・マルセルの教会

　　サン・マルセルを通り過ぎて間もなく、ル・ピュイの道を歩いていて初めてのブドウ畑を見かけました。

　ブドウ畑

　　その後は突然、森林に覆われた険しい傾斜の急坂を下る道となり、滑りやすいので足元に細心の注意が必要です。

　　コンク(Conques)に到着したのは、16時を回っていました。その時には、有難いことに雨は上がっていました。その晩は、サント・フォワ修道院(L'Abbaye Sainte-Foy)の付属ジットに泊まりました。夕食時には、巡礼者一同が大きな食堂ホールに集められ、牧師さんの説教と聖ヤコブ巡礼の歌唱の後、食事が配われました。

　サント・フォワ修道院

　修道院付属のジット

　修道院付属ジットでの夕食