*** Plaisir de voyager ***

非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

サンチャゴ巡礼2010 (第8日目) Pilgrimage to Santiago 2010 (8th day)

2011-10-09 | スペイン巡礼 Pilgrimage in Spain
ビジャダンゴス・デル・パーラモ村営のアルベルゲ Albergue run by Villadangos del Paramo

巡礼第8日目(2010年5月4日) 8th day (May 4th, 2010)
レオン → サン・マルティン・デル・カミーノ 28km (天気:曇、非常に寒い)
Leon → San Martin del Camino 28km (Weather: Cloudy & very cold)
  この日の巡礼道は、ラ・ビルヘン・デル・カミーノに到達後、ルートが二つに分かれます。私としては、最もよく利用されているビジャール・デ・マサリーフェに向けて歩くのが目標でした。ところが、途中で間違えて、予期せぬルートに入り込み、結局閑散としたサン・マルティン・デル・カミーノまで、本日の起点より28kmの距離を歩く羽目になりました。

  ホテルを出発したのは、朝7時半でした。出発時の気温は4℃。ぶるぶる震える寒い日でした。巡礼道を辿って市内を約20分ほど歩くと、豪壮華麗な建物が見えてきました。それは、12世紀に建設されたサン・マルコス修道院でした。プラテレスコ様式と呼ばれるスペイン独特の装飾が施された正面ファサッド(16-18世紀)が見事な美しさを見せています。


サン・マルコス修道院 Monastry of San Marcos

  この建物は、中世においてサンチャゴ騎士団が管理運営していた巡礼宿でしたが、現在は国営高級ホテルのパラドールとなっています。

  さて、9時過ぎにラ・ビルヘン・デル・カミーノの村に着いたので、カフェテリアで小休憩を取りました。しかし、店の女どもが全く無作法・無愛想で不愉快でした。店内には、十数人の巡礼者がおりましたが、これまで出会ったことのない知らない人達でした。

  このカフェテリアを出たとき、私の目の前を歩いている巡礼がいましたので、その後ろを追って歩くことにしました。だが、途中でどうも道の景色がおかしいので、ガイドブックで確かめると、私の目指すビジャール・デ・マサリーフェに通じる道ではないことが分かりました。引き返すのも難儀なので、これも神の采配と考え、そのまま進路を変えずに、サン・ミゲール・デル・カミーノビジャダンゴス・デル・パーラモを経由するルートを歩くことにしました。  

  ビルゲンから約1時間ほどで、サン・ミゲール・デル・カミーノの村に入りました。この村の教会に聳える鐘楼には、コウノトリの巣が何と5箇所も形成されており、その過密な巣作りにビックリしました。


教会タワー上のコウノトリのマンション Condominium built on Church tower

  その後、人影のない巡礼道をただひとりで寒さに耐えて歩いていると、一組の巡礼者に追いつきました。年配のポーランド人夫婦でした。彼らは“お先にどうぞ”と言うので追い抜いて進んで行くと、近辺にはブドウ畑が見えてきました。


ビジャダンゴス・デル・パーラモに向かう途中のブドウ畑  Vinyard on the way toVilladangos del Paramo

  ほぼ正午に、やっとビジャダンゴス・デル・パーラモ村営のアルベルゲ(冒頭の写真参照)に辿り着きました。ここは、寒さから逃れるパラダイスでした。冷えた身体を温め、昼食にありつくことができました。このアルベルゲで、今夜はここに泊ると言う、ケベックから来たカナダ人女性に出会いました。

  このビジャダンゴス・デル・パーラモを経由するコースについては、ガイドブックを見ても説明の記述はありませんでした。アルベルゲの管理員に相談し、アルベルゲのある次の村について質問しました。その結果、4km歩くとサン・マルティン・デル・カミーノと言う村があると言うので、そこを目指すことにしました。

  ビジャダンゴスのアルベルゲを後にして、気力を奮い立たせて、冷たい風が吹きすさぶ寂寥たる巡礼道に挑みました。


全く人影のないセンダ Manless senda 

  センダの右側に目を向けると、白い雪に覆われたカンタブリア山脈の峰々が見えました。


カンタブリア山脈が見えるセンダの道 Senda commanding view of Cantabrian Mountains

  さらに歩みを進めると、水田のような景色が現れ、日本の田園風景を連想しました。


水田のような景色 Landscape like paddy field
 
  昼が過ぎても一向に寒さは衰えず、平原が広がるメセタには強い風が吹きすさんでいました。私が住んでいる横浜では、真冬の寒さでした。この苦難に耐えながら巡礼道歩き続け、14時にやっとサン・マルティン・デル・カミーノのアルベルゲに到着しました。


サン・マルティン・デル・カミーノのアルベルゲ Albergue at San Martin del Camino

  このアルベルゲでは、がらんとした大部屋に2段ベッドが30組ほど並んでいました。しかし悲しいかな、暖房はありませんでした。仕方なく、温もりを求めて村のバールを探し、そこでやっと身体を温めることが出来ました。

  外出から戻ると、隣接する二つのベッドにポーランド人の女性がいました。一人はエヴァ、もう一人はマリという名で、二人とも英語が達者でした。住まいはドイツ国境に近いクラクフと言う都市とのことでした。今後、この二人連れとは度々道中で出合ったり、宿が同じだったりして、会う度に再会を喜んでハグをし合う様になりました。

  夕食時に食堂に入ると、私以外には一組の巡礼しかおりませんでした。メインディッシュは牛肉の煮込みでしたが、味気ないことこの上なく、半分以上食べ残しました。食後には、この地の特産らしい強いお酒が振舞われたのが、せめてもの慰めでした。


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