はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

ドラマ「無言館」。

2022-08-28 11:10:00 | 気になる:テレビ番組
24時間テレビ内のドラマ、時々見るのですが、今回は結構異色?

劇団ひとりさんの監督・脚本
「無言館」




太平洋戦争での戦没画学生の作品を集めた美術館を作るまでの、ドキュメントタッチのフィクション。
頭の片隅の記憶にあったテーマと、ひとりさんの作品ということに興味があって、見始めたら…止まらなくなった。

重いテーマだけど、実際に戦地に行った画家とちょっとチャラい美術館経営者の軽妙なやり取りがロードムービーのようで、また余計なBGMもなく、展開に釘付け。

絵を前にした時の二人の表情の違い、そして、それぞれの遺族の思いなどなど。
描き方が、良い意味でライトタッチ。劇的でもなく、淡々と、静かに展開していくからこそ、逆に「戦争の影」を感じ取ることができて。



浅野さんの、ちょっと胡散臭い感じがたまらなく良かったです。正直軽い気持ちで初めて収集。これが次第に人生で感じる初めての充実感、そして、様々な人と出会い、学生たちの絵を集めることへの葛藤・責任感から、次第に言動も変わっていく。さすがです。
寺尾さんの、人生経験豊かな「先生」感。仲間を戦地に残して自分が生き残ったという重い十字架を背負っている背景は、多く語らずとも表情から滲み出ていました。
このお二人のいいコンビネーションが、このドラマを成功に導いた気がする。

そして、脇役と言うにはあまりに贅沢な出演者。美術関係は舞台系の実力者。
遺族たちには、この人達だけで映画が撮れそうなくらいの渋い方たち。
複雑な思いを抱えた遺族たち。手放す時のそれぞれの感情が、短いシーンながら十分伝わる、流石の配役かと。
会館し、展示された作品を見つめる遺族たちの表情・・・セリフは皆無なのに、涙腺が緩み。。。
作品自体は本物なだけに、そこは何にも変え難い説得力もありました。



ひとりさんの作品は初めて見たのですが、なかなかツボにハマりました。
緩急ありつつ、基本的淡々と、叙情的な感じ。
素人の感想ですけど、尊敬する北野武さんの影響を大いに受けてるのかな?という気もします。
テーマは考えさせられたけれど、エンタメとしても十分楽しみました。


ただ…CMの入るドラマでは、あまりに惜しい。何より、世界観が興ざめ…
それでも、その興ざめ感をすぐ忘れさせる程の「静かな力強さ」がこのドラマにはありました。

ダメ押しが、余韻に浸る間もなく次の番組
これは本当に残念💦

CMを除けば、恐らく90分程度。でも、濃い時間でした。ミニシアターの映画館で、じっくり浸って見たいような作品。
正直、24時間テレビとは少し毛色が違うので、単独のドラマスペシャルで十分だと。
久々にもう一度見たいと思う良作だと思います。後で見ようと録画したので、CMすっ飛ばして堪能します。

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