冥土院日本(MADE IN NIPPON)

死んだらどうなる・・・世界宗教の死後の世界観

死後の世界や生まれ変わりなどの霊的真実を理解するうえで、宗教的なベースがあったほうが有利なのだろうか。答えは否である。

最近のスピリチャルブームもあって、一昔前ならオカルト扱いされた過去世などという言葉もポピュラーになった。多くの日本人は仏教の説く輪廻思想の影響もあって死後の世界と生まれ変わりについて、比較的寛容である。日本人は宗教とは死後の世界を説くものであるといった既成概念がある。しかし他の宗教を信仰する世界の人々にとっては輪廻転生は教義に反する、受け入れがたい話なのである。また仏教が説く輪廻思想も、必ずしも死後の世界の実相を正確には伝えていないのである。

世界宗教の説く死後の世界観を主なポイントのみご紹介する。

★キリスト教では人は死ぬと墓の下で眠り続けるだけなのである。そして最後の審判の日に、死者は皆復活して神の裁きを受ける。そして神の国に迎えられるか、永遠の炎に焼かれ続けるかが決定されるのである。両者は死んだままで行くのではなく生きた状態で行くのである。墓の下で待っている状態をモラトリアム(猶予期間)という。

★イスラム教はキリスト教とほぼ同じである。審判の結果、天国に行くか地獄に行くかが決定される。

★ユダヤ教は復活を信じるのはごく一部の宗派で、多くは死ねば土に戻ると考えている。つまり死ねば終り、徹底した唯物論である。過去ログで社会主義(マルクス主義)はユダヤが作ったものとご紹介した(マルクスもユダヤ人)。社会主義の唯物論にはユダヤ教の影響があるのかもしれない。

★仏教やヒンドゥー教は輪廻を信じている。ただし輪廻とは死んでもすぐに生まれ変わるのである。仏教が説く、中陰(四十九日)とは死んだ後、次にどの世界に生まれ変わるかを決定する期間のことである。生前の行いによってこの世(娑婆)でなく、天界や餓鬼道、地獄に生まれ変わるかもしれないが、これらの世界もこの世と同時に存在する世界なのである。つまり死後の世界(霊界)は無いということになる。

★儒教は徹底した現世中心主義であって、死後の世界を否定はしないが、関心を持たない。ユダヤ教とよく似た考えである。一方、道教は死後の世界を詳細に説いている。仏教説話の地獄や閻魔、鬼などの話は中国仏教が道教の死後世界観を受け入れたもので、後世それが日本に伝来したものである。

誤解を恐れずに大変乱暴な言い方をすれば、宗教の死後観というものは、ある意味において霊的真実を理解する為には、かえって妨げになるのではないかというのが私の感想である。

過去ログで紹介した「コナン・ドイル―人類へのスーパーメッセージ」の本文中にも、敬虔なキリスト教徒であったコナン・ドイルの霊が、生前のキリスト教的思想の過ちを後悔するくだりがある。またカトリックの教義が間違っていたことを懺悔するローマ法王の霊の話。また大変皮肉なことに、キリストの霊自らがリーダーとなって、キリスト教的な死後世界観を改める為に霊界通信のプロジェクトを指揮していた話などが掲載されている。

霊能者による霊界レポートやモンロー研究所のヘミシンク体験談の中に、次のような話も多数見られる。墓の下に只ひたすらじっとして地縛霊と化している霊。下位の霊界(地獄)で彷徨う霊の中には元宗教指導者が多く、波動が合った人間に神や仏と偽ってコンタクトし愛と信仰を要求するという話などである。生前、宗教が説く死後観に傾倒するあまり、死後も自分の置かれた霊的状況が理解できずに、地縛霊となったり、永遠に下位霊界から脱せられずにいるのである。

最近の「世界宗教の真実」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2021年
人気記事