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二重積分の問題がわかりません

2010-12-09 18:36:00 | 微分・積分
投稿者: めぐ 投稿日: 2010 年 12 月 8 日 (水) 23 時 57 分 6 秒
f(x, y) = (x^2 - y^2)/{(x^2 + y^2)^2}((x, y) ≠(0, 0))
f(x, y) = 0 ((x, y) = (0, 0))
f(x, y) を D = {(x, y)|0 ≦ x ≦ 1, 0 ≦ y ≦ 1} で順序を変えて累次積分せよ
という問題です。
0 ≦ x ≦ 1, 0 ≦ y ≦ 1 を見て範囲に文字が入ってないので, そのまま
∫[0→1]{∫[0→1]f(x, y) dy}dxとするまではいいのですが, (x^2 - y^2)/{(x^2 + y^2)^2}の積分ができません^^;
あと, この問題みたいに, (0, 0) の時は特別な値になる問題を解いたことがないのですが, 普通に無視して説いても大丈夫なのでしょうか? ^^;

解答:
先ず, 最後の質問ですが, これは x = r cosθ, y = r sinθ と極座標変換すると
f(x, y) = cos(2θ)/r^2
となって, (x, y)→(0, 0) での極限は収束しません。 ですから, 一応気にする必要はありますが, ε_1 > 0, ε_2 > 0 として
D_(ε_1, ε_2) = {(x, y)| ε_1 ≦ x ≦ 1, ε_2 ≦ y ≦ 1}
を考え, ここの上で f(x, y) を積分して, (ε_1, ε_2)→(0, 0) を考えると, ちゃんと収束するから大丈夫です。
さて, 積分ですが, 全部書くと大変なので, 先ず
∫f(x, y) dy = ∫(x^2 - y^2)/{(x^2 + y^2)^2} dy
だけを考えます。 tanθ = y/x と置きましょう。 すると
x(1 + tan^2 θ)dθ = dy
が分かります。 又 x^2 + y^2 = x^2(1 + tan^2 θ) であることに注意すると
∫(x^2 - y^2)/{(x^2 + y^2)^2} dy
= ∫(x^2 - y^2)/(x^4(1 + tan^2 θ)^2)・x(1 + tan^2 θ)dθ
= ∫(x^2 - y^2)/(x^3(1 + tan^2 θ)) dθ
= (1/x)∫(1 - tan^2 θ)/(1 + tan^2 θ) dθ
= (1/x)∫(cos^2 θ - sin^2 θ)/(cos^2 θ + sin^2 θ) dθ
= (1/x)∫cos2θdθ = (sin2θ)/(2x) = (sinθcosθ)/x
= cos^2θ・(sinθ/cosθ)/x = (1/x)(tanθ)/(1 + tan^2 θ) = (1/x)(y/x)/(1 + (y/x)^2)
= y/(x^2 + y^2).
従って
∫_0^1 (x^2 - y^2)/{(x^2 + y^2)^2} dy = 1/(x^2 + 1)
というわけなので
∫[0→1]{∫[0→1]f(x, y) dy}dx = ∫_0^1 dx/(x^2 + 1) = π/4.

この積分を実行するに当たり
http://www.wolframalpha.com/input/?i=integrate+%28x%5E2+-+y%5E2%29%2F%28x%5E2+%2B+y%5E2%29%5E2+
を参照した。

三角函数の問題

2010-12-02 21:51:00 | 微分・積分
てんさま
僕の作った問題です。
暇でしたら解いてみてください。

nを自然数とする。
 cosθ(1)+cosθ(2)+......+cosθ(n)=k(kは0 =< k =< nを満たす定数)
 0=<θ(i)=<π/2(i=1,2....n-1,n)
であるとき、
 sinθ(1)+sinθ(2)+.......+sinθ(n)=S
のとりうる値を考える。
(1)k=1のときSの範囲を求めよ。
(2)kが整数のときSの範囲を求めよ。
(3)一般のkに対してSの範囲を求めよ。
(4)(3)のとき、最大値M、最小値mとして、∫[0,n](M-m)dkを求めよ。<br>
No.13578 2010/11/23(Tue) 00:41:00

解答:
たけちゃん
一応解いてみました.
(3)
(θ(1),θ(2),…,θ(n)) は閉領域を動くので,
連続関数である S は,最大値 M,最小値 m をもち,
その範囲は m≦S≦M と表される.
ここで,0≦α≦π/2, 0≦β≦π/2 として,
(cosα+cosβ)^2+(sinα+sinβ)^2=2+2cos(α-β)
より,cosα+cosβ が一定であれば,sinα+sinβ は,|α-β| が大きいほど小さいことに注意すると,
1 以上 n 以下の異なる p,q に対する θ(p),θ(q) で,
・等しくないものがあれば,S は最大でなく,
・ともに 0 でも π/2 でもないものがあれば,S は最小でない.
したがって,S は,θ(1)=θ(2)=…=θ(n) のとき最大.
このとき,cosθ(1)=k/n より,
M=n sinθ(1)=√(n^2-k^2).
また,S は,θ(p) のうち [k] 個が 0, n-[k]-1 個が π/2 で,
残る1つが cosθ=k-[k] のとき最小であり,
m=n-[k]-1+√(1-(k-[k])^2).
(4)
∫[0,n]Mdk=n^2・π/4 [半径 n の四半円の面積],
∫[0,n]mdk
=Σ[l=0..n-1](n-l-1+∫[0,1]√(1-x^2)dx) [l=[k], x=k-l]
=Σ[l=1..n-1]l+n∫[0,1]√(1-x^2)dx
=n(n-1)/2+n・π/4
であるから,
∫[0,n](M-m)dk=(π-2)n(n-1)/4.
No.13579 2010/11/23(Tue) 02:12:14

極限と導函数

2010-11-19 21:42:00 | 微分・積分
定理
[0, ∞) で定義された連続函数で (0, ∞) で微分可能な f(x) が limx→∞f(x) = M (有限確定値) とする。
この函数について limx→∞f'(x) = 0 となる必要十分条件は
ある a > 0 が存在して [a, ∞) に於いて f'(x) が一様連続であること
である。

[証明] (oshinobi)
必要性)
f'(x) が x→∞ で収束しないと仮定すると
∃ε> 0∀s∈(0, ∞)∃t1, t2 ≧ s: |f'(t1) - f'(t2)| ≧ε.
これより ∀s: ∃t ≧ s |f'(t)| ≧ε/2.
今, s を任意に固定しておくと, f' の一様連続性によって, 上記のような s に対して
∃δ > 0: t ≧ a, |t - y| ≦ δ⇒ |f'(t) - f'(y)| < ε/4
⇒ |f'(y)| > |f'(t)| - ε/4 ≧ ε/4.
すると, f' が連続だから, f'(y) が常に正 (又は常に負) であることに注意して
|f'(t) - f'(t + δ)| = |∫tt + δ f'(y)dy| = ∫tt + δ |f'(y)|dy > δε/4.
これは f'(x) が x→∞ で収束しないことを示す為, 矛盾。
次に limx→∞f'(x) = 0 を示す。
必要ならば適当な実数 C を選ぶと
limx→∞f(x) = limx→∞(f(x) + C) - C
= limx→∞ex(f(x) + C)/ex - C
= limx→∞ex(f(x) + C + f'(x))/ex - C (by de l’Hospital)
= limx→∞ (f(x) + C + f'(x)) – C
= limx→∞f(x) + limx→∞f'(x).

十分性)
仮定によりε> 0 を任意に固定すると
∃s (= s(ε/2)) ∀x ≧ s: |f'(x)| < ε/2.
これにより ∀x, y ≧ s: |f'(x) - f'(y)| < ε(x, y によらないことに注意).
一方, 各 x ∈ [a, s] に対して, f' が各 x に於いて連続であることから
∃δx > 0: |x - y| < δx ⇒ f'(x) - f'(y)| < ε.
今, δ = min x ∈ [a, s]δx とすれば, δ > 0 であり,
∀x ∈ [a, s] |x - y| < δ ⇒ |f'(x) - f'(y)| < ε.
従って, f'(x) は [a, ∞) で一様連続□

f(x) = (sin x2)/x は連続で limx→∞f(x) = 0 であるが,
f'(x) = 2cos x2 - (sin x2)/x2 は一様連続ではない。 (x→∞ の方で, 段々グラフが詰まってくるから, ε を一様に採ることが出来ない)

二変数函数

2010-11-15 16:18:00 | 微分・積分
f-torresno09
微分積分の問題です。どなたかご指導お願いします。
解答:
boincneet
先ず問題文を分解する。
Z = f(x, y) が
(1) 一変数の函数g(t) を用いて Z = g(x + y) と表すことが出来る。
(2) Zx = Zy である。
(1) ⇒ (2) を示す。
Z = g(x + y) より
Zx = ∂g(x + y)/∂x = g'(x + y) = ∂g(x + y)/∂y.
2010-11-12 21:29:43
red_cat
(2) ⇒ (1)
Zx = Zy とする。 ここで
u = x + y, v = x - y
と変数変換するとx = (u + v)/2, y = (u - v)/2 で
Zv = Zx・(∂x/∂v) + Zy・(∂y/∂v) = Zx/2 - Zy/2 = 0
となるので, Z = f(x, y) は u = x + y のみの函数として書ける。
即ち或る一変数函数 g(t) があって, Z = g(x + y).
2010-11-12 21:45:03
red_cat
[別証] 変数変換の方法としては u = x + y, v = y とする方法もある。
この時は x = u – v, y = v で,
Zv = Zx・(∂x/∂v) + Zy・(∂y/∂v) = -Zx + Zy = 0
となるので, やはり Z = f(x, y) は u = x + y のみの函数である。
2010-11-12 23:36:13

積分正弦函数・積分余弦函数

2010-11-13 15:44:00 | 微分・積分
広義積分の問題なのですが
投稿者: めぐ 投稿日: 2010 年 11 月 10 日 (水) 18 時 44 分 18 秒

(1) ∫[1→∞] cos x/x dx は収束するか?
(2) ∫sin x/x dx = (-cos x/x) - ∫ (cos x/x^2)dxに注意して, ∫[0→∞] sin x/x の収束判定をしろ
という問題なのですがわかりません。
原始関数を求めずに収束を判断する方法はあるのでしょうか?^^;
(原始関数を求められなかった&問題に何に収束するかを求めろとは書いてないので・・・)
一応, (1) は,
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1444454454
というページが見つかったのですが、理解できませんでした^^;

解答:
(1) doryodo さん
I = lim[R→∞]∫[1,R]cos(x)/x*dx.
部分積分して,
∫[1,R]cos(x)/x*dx = ∫[1,R]sin'(x)/x*dx
= sin(R)/R - sin(1) + ∫[1,R]sin(x)/x^2*dx. (*)
ここで,
|∫[1,R] sin(x)/x^2*dx|
≦∫[1,R] |sin(x)/x^2| dx ≦ ∫[1,R] 1/x^2*dx = 1 - 1/R.
したがって, (*) の右辺第 3 項
∫[1,R] sin(x)/x^2*dx は R → ∞ で (絶対) 収束する.
(*) 右辺第 1 項も
|sin(R)/R| ≦ 1/R → 0(R →∞) より,
R → ∞ で 0 に収束する。

(2) ANo.1 minardi
0<p
このとき|cosx|≦1より
|∫_p^q{sinx/x}dx|≦1/p+1/q+|∫_p^q{cosx/x^2}dx|≦1/p+1/q+∫_p^q{1/x^2}dx
=1/p+1/q+[-1/x}]_p^q=1/p+1/q+1/p-1/q=2/p
となる。このことから
lim_{p,q→+∞}|∫_p^q{sinx/x}dx|=lim_{q→+∞}2/q=0
がなりたつ。
これよりコーシーの収束条件を満たしているので
lim_{a→+∞}∫_0^a{sinx/x}dxが収束して
与えられた広義積分は収束することがわかります。
投稿日時 - 2005-01-19 04:07:50

ANo.3 grothendieck
∫(0-∞)sinx/xdx
を計算するために
 ∫(0-∞)sinx/xdx
 =∫(0-∞)dx∫(0-∞)dα exp(-αx)sinx
を考えます。 するとこの積分はαについて一様収束だから積分の順序が交換できて
 ∫(0-∞)dx exp(-αx)sinx = 1/(1+α^2)
 ∫(0-∞)dα 1/(1+α^2) = arctan α|(0-∞)=π/2
より
 ∫(0-∞)sinx/xdx
 =∫(0-∞)dx∫(0-∞)dα exp(-αx)sinx
を考えます。 するとこの積分はαについて一様収束だから積分の順序が交換できて
 ∫(0-∞)dx sinx = π/2
となります。この他、複素積分を使う方法もあります。
∫e^x/xdx
∫sinx/xdx
の不定積分は積分正弦関数と呼ばれ、初等関数では表されないことが知られています。ただしsin x をマクローリン展開してから項別積分することによりxが小さいときの展開式、部分積分によりxが大きいときの漸近展開を求めることはできます。
投稿日時 - 2005-01-22 13:49:33

因みに
1cos x dx/x = -Ci(1) ≒ -0.337404.
0sin x dx/x = π/2.