流産しなければ今頃生まれていました。

　４月に流産した子は、順調なら今月末生まれる予定でした。
　第一子は予定より２週間早く生まれてきたので、もしかしたら２番めのあの子も早くに生まれていたかもしれません。
　そう思うと、今頃は多分、無事出産して入院していた頃だったでしょう。

　先日不妊治療検査の一環で、卵管造影検査をしました。
　これは、卵管に造影剤を流しいれてレントゲン撮影するものです。
　そのものに痛みは少なかったのですが、翌日の夜、激しい痛みに襲われました。
　痛くなっては、収まり、痛くなっては収まり……。

　陣痛みたいだ……。

　第一子で経験した痛みが蘇りました。
　もちろん、そんなはずはありません。
　でも、本当にそんな痛み方だったのです。
　そのとき、予定日まで２週間切っていることに気がつきました。

　ああ、あの子は今日、生まれるつもりだったんだ。

　卵管造影の影響で痛みがあったのです。わかっています。
　けれど、あの子だったのだと思いたいです。
　私の手の中にあの子はいないけれど、無事生まれてくれたのだと思います。

　２００５年１０月１５日が、私の生まれることができなかった第２子の誕生日です。