着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

雨の日でも安心して着物が着られるには

2023-06-14 17:42:04 | 着付け
先日、朝から晩まで雨風強い一日がありました。

前々からこの日は結婚式に参列されるご予定の方から訪問着の着せ付けを頼まれていましたが、この悪天候の中ではキャンセルになるかもしれないな、と内心思ったりしていました。絹製品は水に濡らしてしまうと生地が縮んだりシミになることがあり、自分では修復ができないようなことが起こる可能性があるからです。ですが、キャンセル連絡も入らず、念の為こちらからも連絡を取ってみましたが、
「予定通り着物で行くので宜しくお願いします」
とのことでしたのでお客さまのご自宅に伺いました。

この大雨のなか、着物で出かけられるのであれば、雨コートなどの雨対策グッズを用意されていらっしゃるか、着付けのあと雨に濡れないよう、ご自宅の玄関先に車を横付けされるのかな、と思っていました。
でも伺ってみるとそういうご準備も無く、ご自宅から駅まで、そして式場の最寄り駅からも普段通り傘をさして歩いて行かれるとのことでしたので、ご衣裳やお草履のことを考えると大変心配になりました。
「着物を購入したお店では5年間、着た後のメンテナンスは無料でやってくれることになっているから大丈夫」
と仰るので、そんなサービスもあるのね、と思いつつ、それでも草履や足袋は濡れますし、鼻緒や台は絹の帯地で作られた高価なものと思われましたので、思わず持ち合わせた草履カバーをお貸しすることになりました。私自身、着付けを終えて帰りしな、お客さまのご自宅から駅に向かうまでの間だけでも大分濡れたので心配していましたが、その日の夕方、
「結婚式に行ってきました。お借りした草履カバーのお陰で草履も無事で、食事も沢山食べられて着崩れもなく過ごせました」
とメールが届いて安堵しました。

私は雨のなか着物(晴れ着)を着る場合は、必ず雨コートを着て草履カバーを草履に装着して徹底的に濡れないように防御します。
でも正直暑い季節を迎えた時には、雨の中コートを着用して過ごす道中は本当に大変なものです。そう考えると、やはり着物を購入された時に後々のメンテナンスを無料でしてくれるサービスをつけておくことや、防水、防汚加工などをしておかれることは一時はお金がかかりますが、長い目で見た時には良いのかもしれません。
或いは、何より「現地で自分で着ることが出来る」という選択肢かあることは最強です。これなら大雨が降ろうと、炎天下であろうと道中は気にせず快適に動くことができます。結婚式場などではほとんどの場合更衣室がありますから、冷暖房の完備されたお部屋で着替えれば良いのです。

やはり、自分で着られると色々なところで融通が効いて便利だな、と改めて思いました。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko


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