「隷属の檻」羽野 高生 ・著 イラスト・藤井咲耶 笠倉出版社クロスノベルズ

「隷属の檻」羽野 高生 ・著　イラスト・藤井咲耶　笠倉出版社クロスノベルズ
　2009年12月初版　241ページ　935円

　タイトルの仰々しさからして、ハードな話かと思いきや、かなり甘々でした。

　ストーリーは・・・亡き義父母が残した学習塾を守るため、志信がかつての同級生・飛島とした契約。それは、五日間、飛島の奴隷となり借金分の五百万を手に入れる―。養父母が大切にしていた塾は手放せない。志信はプライドを捨て、飛島に跪く。だが、飛島はその気持ちをあざ笑うかのように、志信を陵辱した。身体は快楽に流されても、心だけは屈しないと抵抗する志信だったが、言葉とは裏腹に熱い飛島の瞳に囚われていく…　というもの。

　変則借金のカタで「お前は俺の奴隷だ」となるんですけど、奴隷扱いされているはずの受けがぜんぜん奴隷扱いされていないんです。
　最初、ムリヤリやられるんだけど、大して酷い扱いはされないし、受けはほとんどダメージを受けないし。
　結局、ハッピーエンドなんだけど、受けが大して酷い目にあわないから盛り上がらない。
　
　受けのコンプレックスみたいなものも、「委員長としか見られない自分」とか、ありふれているし、大して面白くないし、今どき「中学生日記」の登場人物たちだってもっとコムズカシイことで悩んでいるんじゃないかと思います。それを30近い大人がやってるんだから・・・・・・。