「リアルライフゲーム」夜光花・著 イラスト・海老原由里 幻冬舎リンクスノベルズ
2008年9月30日初版発行 262ページ 855円+税
あらすじを読んで映画の「ジュマンジ」や「ザスーラ」を連想したら、あとがきに「ジュマンジを見て」と書いてありました。
ストーリーは・・・
華麗な美貌の道田佳宏は、八年ぶりに幼なじみの平良と再会する。学生時代には友人の透矢、翔太を含めた四人でよく遊んでいた。久しぶりにみんなで集まってゲームをしようとの平良の提案で四人は集まるが、佳宏は用意されたものを見て愕然とする。そのゲームは、マスの指示をリアルに行う、人生ゲームだったのだ。しかも、ゲームを進めるにつれ、シールで隠されているマスにはとんでもない指令が書かれていることを知り…。指令:隣の人とセックス ―!? というもの。
夜光先生、リンクスノベルズから初登場です。
あらすじと口絵から、ゲームが始まった途端に「隣の人とセックス」等のエロ指令が出て、ゲームのマスには全てエロ指令かと思って居たのですが、予想は裏切られました。
エロ指令は130ページ(1ページ2段組です)以降からしか出てきません。それまでに出てくるのは、「婚約者を怒らせて三十万円のバッグを買う」とか「子馬が生まれて祝い金を1万円ずつもらう」とか「カンボジアに学校を建てる」とか。
ちなみに、これらは全て実行しなければなりません。「カンボジアに学校を建てる」と出たら、本当に建てなければならず、その間、ゲームは中断します。
ゲームをする4人は、三人が学校の同級生(佳宏、平良、透矢)で、1人が後輩(翔太)。佳宏以外はボンボン。佳宏もかつてはいい暮らしをしていたのですが、高校の時に父親の会社が倒産、以来、貧乏暮らしという設定です。
結果から言うと、平良は以前から佳宏が好きで、透矢は翔太が好きでした。平良がこのゲームを作ったのですが、透矢にはあらかじめ話を通しておいて、席順も決めておき、エロ関係はそれぞれのカップリングでしか行えないようにしていました。
平良と透矢(二人とも攻め)の目論見どおり、平良と透矢は狙い居ていた相手をおとしてめでたしめでたし。おとされた二人の受けも「もとから~~が好きだったんだ」と気づいて、めでたしめでたし。
「そういうもの」として読んでしまえばいいのでしょうけど・・・こういう特殊な設定の場合、作者が考える方向に話が流れるのは仕方ないとして、いかにそれをわざとらしくなく、ご都合主義に見えないように描くかというのが大切だと思うのです。難しいとも思いますが。
この4人の中で、婚約者がいるのは透矢と翔太ですが、婚約者がらみのマスに止まるのはその二人だけだったり、「右隣の人とセックスする」と出て、夜光先生が狙いのカップリングがエッチするのはいいとして(攻めがそう企んでいたってことにもなってますし)、受け攻めまでも最初から決まっている(受けがその手のマスに止まるのですが「俺が抱かれるんだよな」と考える)のは不自然に思えました。
以前と比べるとだいぶマシになってきたとは思いますが、やはり設定を消化するのに精一杯で、キャラクターの描写の細部まで手が回っていないように思います。
主要人物はまだいいのですが、説明させるに出てくる脇役のセリフがモロ説明セリフなのはご愛嬌でしょうか?
しかしこの本、売れ行きはずいぶんいいようで、ネット書店では軒並み品切れ。
本屋さんでも店頭在庫は見ないです。
2008年9月30日初版発行 262ページ 855円+税
あらすじを読んで映画の「ジュマンジ」や「ザスーラ」を連想したら、あとがきに「ジュマンジを見て」と書いてありました。
ストーリーは・・・
華麗な美貌の道田佳宏は、八年ぶりに幼なじみの平良と再会する。学生時代には友人の透矢、翔太を含めた四人でよく遊んでいた。久しぶりにみんなで集まってゲームをしようとの平良の提案で四人は集まるが、佳宏は用意されたものを見て愕然とする。そのゲームは、マスの指示をリアルに行う、人生ゲームだったのだ。しかも、ゲームを進めるにつれ、シールで隠されているマスにはとんでもない指令が書かれていることを知り…。指令:隣の人とセックス ―!? というもの。
夜光先生、リンクスノベルズから初登場です。
あらすじと口絵から、ゲームが始まった途端に「隣の人とセックス」等のエロ指令が出て、ゲームのマスには全てエロ指令かと思って居たのですが、予想は裏切られました。
エロ指令は130ページ(1ページ2段組です)以降からしか出てきません。それまでに出てくるのは、「婚約者を怒らせて三十万円のバッグを買う」とか「子馬が生まれて祝い金を1万円ずつもらう」とか「カンボジアに学校を建てる」とか。
ちなみに、これらは全て実行しなければなりません。「カンボジアに学校を建てる」と出たら、本当に建てなければならず、その間、ゲームは中断します。
ゲームをする4人は、三人が学校の同級生(佳宏、平良、透矢)で、1人が後輩(翔太)。佳宏以外はボンボン。佳宏もかつてはいい暮らしをしていたのですが、高校の時に父親の会社が倒産、以来、貧乏暮らしという設定です。
結果から言うと、平良は以前から佳宏が好きで、透矢は翔太が好きでした。平良がこのゲームを作ったのですが、透矢にはあらかじめ話を通しておいて、席順も決めておき、エロ関係はそれぞれのカップリングでしか行えないようにしていました。
平良と透矢(二人とも攻め)の目論見どおり、平良と透矢は狙い居ていた相手をおとしてめでたしめでたし。おとされた二人の受けも「もとから~~が好きだったんだ」と気づいて、めでたしめでたし。
「そういうもの」として読んでしまえばいいのでしょうけど・・・こういう特殊な設定の場合、作者が考える方向に話が流れるのは仕方ないとして、いかにそれをわざとらしくなく、ご都合主義に見えないように描くかというのが大切だと思うのです。難しいとも思いますが。
この4人の中で、婚約者がいるのは透矢と翔太ですが、婚約者がらみのマスに止まるのはその二人だけだったり、「右隣の人とセックスする」と出て、夜光先生が狙いのカップリングがエッチするのはいいとして(攻めがそう企んでいたってことにもなってますし)、受け攻めまでも最初から決まっている(受けがその手のマスに止まるのですが「俺が抱かれるんだよな」と考える)のは不自然に思えました。
以前と比べるとだいぶマシになってきたとは思いますが、やはり設定を消化するのに精一杯で、キャラクターの描写の細部まで手が回っていないように思います。
主要人物はまだいいのですが、説明させるに出てくる脇役のセリフがモロ説明セリフなのはご愛嬌でしょうか?
しかしこの本、売れ行きはずいぶんいいようで、ネット書店では軒並み品切れ。
本屋さんでも店頭在庫は見ないです。