ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「ありす白書」五百香ノエル・著 イラスト・小鳩めばる 新書館ディアプラス文庫

2009-03-15 00:00:14 | 読むんじゃなかった
「ありす白書」五百香ノエル・著 イラスト・小鳩めばる 新書館ディアプラス文庫
 2008年3月25日初版 218ページ 560円+税

 五百香先生の作品は2作目だと思うのですが・・・前に読んだときはあまりエロの濃くない作家さんという印象でしたが、これは・・・・・。

 ストーリーは・・・誰からも相手にされないダサダサな僕・ユキルと、超美人で超イイ性格をした双子の妹・ミユキは、大学の研究室で圧倒的な存在感を持つ男・犬走に出会う。ほどなくミユキと犬走はつきあいだし、僕はショックを受けている自分に気づく。でも、意識しないようにしても、彼に目を奪われて―。そんなある日、犬走から「俺を好きだろう?」なんて言われてしまい!?野獣×臆病王子のメルティ・ラブ、H増量でお届け   というもの。

 五百香先生の作品で読んだことがあるのは「骸谷温泉殺人事件」。メインカプが小説家同士という設定でしたが、今作「ありす白書」も受けが小説家という設定。五百香先生は楽屋落ちというか、小説家という設定がお好きなんでしょうか。

 それはさておき・・・・・・この話は私はまったくダメでしたね。
 主人公・千流(ユキル この名前からしてもう受付られないっす)は、コンプレックスの塊。双子の妹に美千(みゆき、と読みます)は誰もが振り向く美少女だけど、自分はブサイクと思い込んでいる。いつでも「美千の兄弟」としか扱ってもらえず、苛められたりしてる。
 だけどユキルは実は「ふっさ ありす」というペンネームの作家。これまで3作発表したが、そのどれもが賞を取り、評価されている。

 みかけは美少女の美千だが、「内実は豪傑な女性」(P10)で「子供のころから常に、美しく特別な身を守るために本能から鍛えられている」(P11)。
 んでもって、美千は「イイ男」を貪欲に求め、行動もする。女とつきあったこともある。だが、そんな美千とは対照的に、ゲイの ユキルはキスもしたことがない童貞。
 「イイ男」ハンターの美千が「この人こそは!」と思ったのが、同じ大学の先輩・犬走。「なんの躊躇も遠慮もなく、無尽蔵に内臓されているであろうフェロモンを垂れ流して」(P26)いる犬走も美千に惚れて、二人は付き合い始める。
 犬走と美千はやりまくり、ある日、美千の家(実家)のリビングでやっているところをユキルは目撃。しかし、そんなユキルに犬走が惚れて、犬走は美千と別れる。ユキルは犬走に一目ぼれしており、ユキルが恋する瞳で犬走を見るうち、犬走がグっときてしまったらしい。

 もともとは2002年に小説b-boyに掲載された作品だそうですが、今回、後日譚を書きおろして文庫化とのことですが、あまり古さは感じませんでした。というのも、このへんちくりんなイっちゃってるキャラクター達は、最近の新人作家さんが書いたと説明されたほうがまだしっくり来ます。
 
 いくら妹がきれいだからといって、何がどうコンプレックスになってイジイジしてるのかよくわからないユキル。

 「『あたし、一晩であんなにイッたの初めて』 恍惚とした表情で、あろうことか兄の目の前でシーツに張り付いて腰を揺らめかしたりなんか」(P26)しながら、彼氏とのエッチをとくとくと語る、私には痴女としか見えない美千。

 「なんの躊躇も遠慮もなく、無尽蔵に内臓されているであろうフェロモンを垂れ流して」←これ、多分、五百香先生は「褒め言葉」で書いているようですが・・・強引すぎで何考えているのかよくわからない犬走。

 ユキルは「ふっさ ありす」というなんともセンスの無いペンネームの作家なのですが、ユキルが作家「ふっさ ありす」なる作家だという設定は全く活かされていません。
 
 「H増量」とのことですが、男女(犬走と美千)のエッチも予想以上にしっかり書いてあって、これって・・・・・・読者の需要があるとは思えないのですが。

 私はどうも、五百香先生の書く文章とは相性が悪いようで、一読しただけでは、よくわからないことがままあります。
 五百香先生は書き方のバランスが悪いと思うんですよね。
 例えば、この話の場合だと、最初のほうは延々、美千がいかに美少女か、美千はどんな少女(非処女)かということが延々と書き連ねてあり、しかも同じことが繰り返し、殆ど同じ表現で出てきたりで、読みにくいことこの上ない。受けでも攻めでもないキャラの説明に何故ここまでページを割くのか・・・イライラしてしまいました。
 五百香先生の話って、イベントとか芝居が少なくって、延々とセリフで説明することが多く、情景の描写があまりないので、何がどうなっているのかピンときません。
 ないとは思いますけど、五百香先生の作品を映像化するとなると大変だと思います。そのまま脚本に起せば、キャラクターがモノローグで・・・・・・というシーンが延々と続くことに・・・・・・。

 はっきり言っておもしろくなかったんですけど、書き下ろしの後日譚「ありすといぬ」を読んで、あきれ返ってしまいました。
 ありすの叔父が亡くなり、お通夜に行ったあと、犬走とありすは葬儀場の駐車場に停めた車の中でエッチに突入。犬走は喪服に興奮した模様。
 「どうしよう、こんなところで・・・・・・ゴメンナサイ、伯父さん」(P179)と言いながら、二人は怒涛のエッチに突入。
 で、その描写・・・文章が・・・・・なんというか、BLにしては下品すぎてついていけませんでした。
 「大きく開いた陰部の中心で、ユキルのペニスが淫靡な臭いを放っている」(P179 臭いの?)
 「ぬめる汁を垂れ流すユキルのアヌスを」(P179)
 「ずじゅっ、ちゅるるっと、お互いの陰部に吸い付いた恋人たちは」(P182)
 「拡張させられたアヌスの中にヌプヌプ飲み込んでいく」(P185 「拡張」ってのがなんとも)
 ユキルはよだれをたらしながらよがりまくります。BLなんですから、よだれはやめましょうや。きれいに描いて欲しかったです・・・・・。

 極めつけはユキルのセリフ。
 「あっ、や、荘、荘・・・・・・ソレ、ソコ、イイ・・・・・・っ、ああんっ、トロトロしたのあふれてきちゃうよぉ」(P181)
 「んぁっ、イイ・・・・・・っ、荘、もっとそこいじって、もっとめちゃくちゃにしていいよ、もっと痛いくらいにシコシコして、先っぽ、もっともっとぉっ」(P184)
 「(前略)イイよぉ、んうんはっ、(乳首の)先っぽもっとぉ、もっといじめてぇ」(P184「んうんはっ」て・・・)
 「んあっ、あぁっん、はいるぅ、荘っ、荘がはいってくる・・・・・・ぅ、ユキの中にはいっちゃ・・・・・・って、あんっ、あぁん、気持ちイイ・・・・・・すごく気持ちイイよぉ・・・・・・」
 「荘・・・・・・もぉダメ・・・・・・ぇっ、そんなにしたらダメ・・・・・・っ、そんなにしたら、ダメ、もぉ、もぉ、ダメ・・・・・・ぇ」(P191)
 「んあっ、ダメッ、ダメ、もぉ・・・・・・もぉイッちゃう、きもち・・・・・・いいいの、いい、あぅんっ、イッちゃう、ソコをそんなにされたらイッちゃうの、イカせてっ、おねがい、イクイクぅっ、イッちゃうっ」
まるで男性向けのエロゲーか、エロ漫画でやられてよがる女のようなユキル・・・・・・。書き下ろしはひたすらやってるだけのお話でした。
 すみません、おばさんにはついていけませんでした。

 ★・・・マイナス5つ

 おまけ
犬走「飲んでくれるか?」
ユキル「オレにアレ飲ませたいの?」
犬走「ああ」
ユキル「じゃあ・・・・・・今夜はしてあげる」(P1979)
 で、ユキルがフェラを開始。(「ゴックン」というセリフは後にも登場)
ユキル「すっごく濡れてる・・・・・・先っぽビチョビチョだよ・・・・・・。あ~あ、こんなにいっぱい・・・・・・イヤらしいのが・・・・・・すごぉい、ネットネト~」
 比較的年をくってから童貞(&処女)喪失したユキルでしたが、一転してエロエロ大魔神と化したようです。

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