多動っぽい子、アスペっぽい子、学校行けない子  ~精神科から診た子ども、ときどき大人~

地方の精神科勤務医です。発達障害や子どもの話を中心に書いてます。(診断治療は、直接専門の先生の方を受診して下さいね。)

世界自殺予防デー

2009-09-10 00:50:00 | 精神保健
 本日9月10日は、世界自殺予防デーです。
 また、9月10~16日は、自殺予防週間です。
 日本では、年間3万人以上の方が、自殺で亡くなっています。ここ数年は、健康上の問題に加え、経済上の問題から自殺をされる方も少なくありません。
 自殺についての正しい知識の普及啓発、早期に介入できる相談窓口、医療機関、そして自死遺族支援は、重要な課題です。
 まだまだ、日本の自殺対策は進んでいませんが、これを機会により一層進むことを願っています。

アスペっ子曰く…「意味がない」

2009-09-10 00:30:00 | 発達障害
(以前、他のブログに書いた記事の一部を書き直しての再掲です)

 アスペルガー症候群の子どもは、大なり小なり、こだわりがあります。

 ある小学校の男児アスペっ子、不登校ですが、本人は、何とか学校に行こうと言う気がないわけではありません。でも、なかなか、朝が起きられません。朝、間に合わないと、もうその日は学校に行きません。
 「起きられなかったら、遅れて行ってみても、いいんじゃない」
 「行く以上は、朝から行かないと意味がない」
 「えらかったら、早めに帰ってきても、いいんじゃない」
 「行った以上は、最後までいないと意味がない」

 ある高校の男子アスペっ子。ある地域の乗車券が欲しく、そのために、そこにわざわざ行くと言いますが。
 「その乗車券を手に入れるだけが目的だったら、チャットで知り合った○○君に頼んで見たら」
 「それは、しない」
 「どうして?」
 「自分で、そこまで行って買わないと意味がない」

 アスペルガー症候群の人は、何かを否定するときに、よく「意味がない」と言います。

 アスペルガー症候群の人にとって、何かをするのか、しないのかは、意味があるのか無いのかは重要な問題です。
 「意味がない」と感じていることを説得してさせようとするのは難しく、それよりも、本人が「意味がある」を感じられるような努力をする所から、・・・・・それでも、「意味がない」と感じるなら、しばらくは、様子を見るようにしています。