多動っぽい子、アスペっぽい子、学校行けない子  ~精神科から診た子ども、ときどき大人~

地方の精神科勤務医です。発達障害や子どもの話を中心に書いてます。(診断治療は、直接専門の先生の方を受診して下さいね。)

エジソンだって、アインシュタインだって。。

2010-05-31 22:58:19 | 発達障害
 先日、発達障害の啓発ビデオとかを見ていると(と言うか、見る羽目になって)、
 最後は、エジソンとか、アインシュタインとかも、発達障害だったとか、
   って、わざわざ、そんな偉人さんをもってきて、特別にアピールしなくっても
   もっと、気軽に、話をすればよいと思うのですが、

 このビデオの影響なのか、とあるアスペ君が教えてくれました。

 「先生、知っていますか、フランケンシュタインも発達障害なんですよ」って、

 本人は、アインシュタインって、言っているつもりみたいで
   でも、それって、怪物くん、チェ・ホンマン、そろそろデモキン、蘇る?

で、以前、他のブログに書いた文章の再掲です。

 ADHDの子どもを持つお母さんと話しをするときに、「ADHDの人の中には、エジソンやモーツァルトなどど大勢の天才がいるんですよ」なんて話題を出そうとしたのですが・・

『お母さん、ADHDと言っても、それ程、珍しいものではなく、それどころか、歴史上の立派な人にも少なくありまん。例えば、エジソンもADHDだったと言われているんですよ。知っていますよね、エジソンを。』
「知ってます知ってます、常識ですよ、あの偉い人でしょ」

 いつだって (チャチャ) わすれない
 エジソンは (チャチャ) えらい人
 そんなの常~識~~

『エジソンは、世紀の発明王と言われた人でね・・・・』
「えっ、エジソンって、キヨスクを作った人じゃないんですか」

 いつだって (チャチャ) 迷わない
 キヨスクは (チャチャ) 駅の中
 そんなの有~名~~

『(あかん、1番と2番がごっちゃになっとる)
 多分、違うと思いますよ。エジソンは、トーマス・エジソンと言って・・・』
「はい、はい、はい、知っています。機関車トーマス作った人ですか?
 この子も大好きです。」

 タッタタラリラ~~

「ところで、先生は、そのトーマス・エジソンさんとか言う人と、お会いになったことがあるんですか」
『ま、まぁ・・・、若い頃に、一度だけ・・・(ここまで来れば、こちらもヤケクソ)』

私は、今まで、エジソンやアインシュタインの話でうまく理解していただいたことがありません。(アスペルガー症候群の方に、延々、1時間、アインシュタインの相対性理論のお話を聞かせていただいたことはありますが・・・)
仕方がないので、もっと身近な事例でお話をすることにしよう。

 お腹が減ったよ~~~  

成功・失敗?

2010-05-23 01:38:35 | 発達障害
 ここ数年、あまり学会や研究会で発表をしていなかったのですが、最近は、時々、自分で発表したり、スタッフに発表をしてもらったりしています。

 子どもの発表をするとき、

 学校に行けたからと言って、それを「成功」かの様に結論づけても、意味がありません。まだまだ、これから、その子が1年後、2年後、どうなっていくのかは、分かりません

 学校を休んだからと言って、それが「失敗」かの様に結論づけても、意味がありません。
一つ一つの出来事は、子どもの成長にとって、どれもこれも、大切な財産になっていきます

 とはいえ、子どもの発表は、私やスタッフにとって、子どもと関わってきたことを、改めて振り返ってみるいい機会になりますね

広島へ

2010-05-23 01:32:45 | 日記
 先週末、広島市で開催された日本精神神経学会に行って来ました
 久しぶりに、懐かしい先生方ともお会いしました。
 お好み焼き・つけ麺のはしごをして、そうそう、ポスターセッションも見に行こうと思ったら、すでに、お片づけ状態でした
 来年の大会は、群馬だそうです。また、おいしいもののはしごに行きたいなと

誰とでも仲良くってか・・。

2010-05-16 22:27:09 | 発達障害
 最近、学校の方では、コミュニケーション能力を育てるというような授業をしているところもあるのですが、その中には、普段話をあまりしない友だちと会話をしたりする時間も合ったりします。もちろん、多く子どもにとっては、とても楽しく、重要な授業ではありますが、

 アスペっ子の中には、こういった授業が苦手な子もいて、

 誰とでも仲良く・・・って、言われても難しいですよね。

 苦手な子とは、無理してつきあわず、ほどほどの距離を保つっていうのも、社会では重要なことで、誰とでも仲良くって難しい課題です。

 「誰とでも、仲良くしましょう」なんて、スローガンは、教室じゃなくって、職員室に貼っておいた方が、良いんじゃないでしょうか。

  ・・・と、講演の時に話をすると、結構、ウケます。

 ちなみに、この話、一番、ウケるのは、学校の先生を対象とした講演会です

どうする!昼夜逆転

2010-05-13 23:07:40 | 不登校
以前、ほかのブログ書いた不登校のお話を一部書き直したものです ↓ 

 不登校の子どもの中には、昼夜逆転をしている子も少なくありません。昼過ぎまで寝ていて、日中は何となくゴロゴロして、夕食をとってから部屋にこもり、夜な夜な、ゲームをしたり、インターネットをして、朝方寝入ると言うパターンです。

 すると、「何とか、学校には行けないにしても、まず、生活リズムを直しましょう。朝は、キチッと起きて朝食をとって、夜は早く寝て生活パターンを戻しましょう」・・・なんてことを指導される先生も少なくないのですが、現実にはうまく行きません。

 朝、起こしたとしても、朝食をとってからすることがないので、結局、2度寝をしてしまったり、皆が学校に行く時間なので何となく罰が悪いので、外にも出ることも出来ず、窓も閉め切って、。。結局は、努力はするものの、もとの生活に戻ってしまいます。

 経験的に、不登校をしていた子どもが、再び登校するようになったと言うことは山ほどありますが、生活リズムを直してから行くようになったと言うことは余りありません。むしろ少しずつ気分が安定してきて、外に目がいくようになると自然と昼夜逆転は改善されてきます。

 昼夜逆転と言う一つの症状だけにとらわれてしまうと、返って本来の抱えている問題が分かりにくくなってしまうこともあります。

 まぁ、とりあえず、朝、声かけして、後は、起きようが寝ようが、様子を見ることにしまよう。