多動っぽい子、アスペっぽい子、学校行けない子  ~精神科から診た子ども、ときどき大人~

地方の精神科勤務医です。発達障害や子どもの話を中心に書いてます。(診断治療は、直接専門の先生の方を受診して下さいね。)

小学校低学年では・・

2010-12-28 00:42:11 | 発達障害
 アスペっ子の中には、小学校1-2年から早々に学校に行かないと言い出す子がいます。

 タイプはさまざまですが、良く経験するのは、多動傾向で、衝動性がちょっとあって、学校生活の集団ペース、のんびりペース、ざわざわペースについていけない、という感じです。

 小学校低学年から、不登校なんて、この先、もう学校には行けないじゃないか、無理してでも行かさないと・・・・と、思ってしまいがちですね。
 私も、不登校の子どもを見始めていた頃は、そう思っていました。

 ところが、5年、10年、15年といろいろな子どもたちを診ていると、決してそうではないと言うことに気づいてきました
 いや、それ以上に重要なことがあります。

 小学校低学年は、家族以外のさまざまな大人と初めて出会う場面です。子どもは、この時期に、「大人って、自分を助けれくれるんだ、受け入れてくれるんだ」という、安心感や信頼感を成長させます。以前だったら、学校以外にも、おじいちゃんやおばあちゃん、近くに住む親戚、近所の人たち、でも、今はなかなかそういう出会いは少なくなってきています。だからこそ、学校の先生は、子どもにとって、初めて出会う大人の代表なのです。

 なかなか、教室に入れなくっても、今は、焦らず、急がせず、学校の行事や情報などを本人に提供し、後は、お父さん・お母さんと、学校の先生と、まずは楽しい時間を過ごすことを考えましょう。

 私の診てきたアスペっ子の中には、小学校低学年から不登校して、今は、元気に、高校生したり、社会で頑張っている子が何人かいます。皆に、共通なのは、小学校低学年の時、なかなか教室に入れなかった、学校にもあまりいけなかった。でも、親御さんとも、先生ともいい関係を保ってきた子どもたちです。

 


3 コメント

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痛感 (ワチママ)
2010-12-28 08:00:54
「自己肯定感をしっかりつけて、愛されてる事をしっかり感じていないと何事にも踏み出せない」と、今痛感しています。
とにかく自己否定ですぐにいっぱいになっていた小一アス美にはいくら褒めても心に届かない、と支援級の先生にも言われました。
本人が納得して、心身ともに充電できれば放っておいても自分から動くはず、と信じて、付き添い登校してました。
先生の中には「泣こうがわめこうが連れてきて貰ったら何とかします」なんて方も居ましたが、私は本能的に「違う~」と思い、「それをすると、次の日から連れて来る自信がありません」とやんわりお断り。
その後、アスペかも、と調べたりするうちに私の本能が正しかったな~と自分を褒めたのでした~p(^^)q
今は支援級にほぼ一日中居て、親としては普通学級にはこだわっていないのですが、先生方は少しでも、と背中を押されるのでヒヤヒヤm(__)m
アス美は「行かなきゃ~」という気持ちは当然あるのでイヤーマフをしっかり持って、一日に一時間程度、嫌々行く、という感じ。
家では随分落ち着いてきたので静観してますが、先生にもっとはっきり言うべきか、迷ってます(-.-;) 「放っておいても行く時は行くはずです~」って懇談会では伝えたんですけれど、。
すいません、つい長々と。
学校の大人との関係 (やっちゃん)
2010-12-29 11:06:35
息子は小3の秋、いきなり強迫性障害とうつ病を発症してから、学校に行けなくなりました。

それから2年、最近やっと学校との付き合い方を親子ともに学べたような気がします。ペースが落ち着いてきました。
はじめは学校生活を元通りにする事ばかり考えていましたが、それを考えているようじゃダメだったんだと今になってわかります。

学校の大人とも、うまくいく人と苦手な人がいるみたいです。今はかなりの先生達とうまくやれている様子。息子ほど今の小学校の先生達と顔見知りになっている小学生はいないのではないでしょうか(笑)

ところで学校で一番好きな先生は、一年生のときの担任だった先生です。親御さんにはかなり評判が悪く、決して息子に優しい先生ではありませんでしたが何故なのかしら?
学校とは・・ (papamama0117)
2010-12-30 09:37:24
ワチママ さん
 コメントありがとうございます。
 今はじっくりと時間をかけてと言うところですね。無理して、褒める・・・と言うことをしなくても自分のペースで生活できる安心感を保証して、あとは、「心身ともに充電できれば放っておいても自分から動くはず」ですね。ばたばた系、おしゃべり系のアスペっ子ちゃんって、結構3-4年になると、落ち着いてきてお姉ちゃんらしくなる子も多いですよね。

やっちゃん さん
 コメントありがとうございます。学校との関係は、なかなか難しいこともありますが、特に、不登校が始まった当初などは、結構、学校の方も混乱して、どうして良いのか分からず、ずれた対応をしてきたり、校長先生が、今ひとつだとそういう傾向が高まりますね。でも、学校に中には、きちっと対応できる先生もいたりして、時間の経過の中で、そういう先生と徐々に出会ってきたり、本人と接していく中で理解を示してくれる先生もでてくるので、あきらめず、巻き込まれず、じっくりですね。

>ところで学校で一番好きな先生は、一年生のときの担任だった先生です。親御さんにはかなり評判が悪く、決して息子に優しい先生ではありませんでした

 たまに、こういうことありますね。結構、先生の方が幼稚だったり、あるいは、アスペ君は、怒る先生が嫌いなのではなく、「意味もなく、場当たり的に」怒る先生が嫌いで、筋のとった怒り方をする先生であれば大丈夫と言うこともあります。何となく、お気に入りなんでしょうね。もっとも、先生が息子さんが好きだったんでしょう。アスペ君は、自分を好きに思ってくれている大人が好きですから。