多動っぽい子、アスペっぽい子、学校行けない子  ~精神科から診た子ども、ときどき大人~

地方の精神科勤務医です。発達障害や子どもの話を中心に書いてます。(診断治療は、直接専門の先生の方を受診して下さいね。)

夜驚症のお話で

2009-05-27 01:21:31 | 心身症
 時々、小学校低学年に来られる子どもさん(特に、男の子)で、夜驚症(やきょうしょ、睡眠時驚愕症って教科書には書いていたりしますが)の方が来られます。
 夜驚症は、眠り始めて1時間目頃(人によって、時間のばらつきはありますが、だいたい、睡眠の前半頃に)、強い恐怖感を伴う叫び声を急にあげます。あまりにひどく泣き叫ぶので、本人よりも、それを見ている家族の方が混乱してしまいます。10分、15分ほど泣き叫んで、徐々に落ち着いてきて、また、眠ってしまい、本人は、部分的に何となく覚えているような子もいますが、ほとんどは覚えていません。その為、むしろ、家族の方が驚いてしまったりします。決して、悪い夢を見ていてこういったことが起きるのではなく、深い睡眠の状態から、浅い睡眠に戻ろうとするときに起きたりするようですが、詳しいことは分かっていないと言うか、私が知りません。
 たまに、てんかんとの鑑別診断を必要とすることもありますが、その辺りは、専門の小児科の先生にお任せするとして。
 夜驚症そのものは、何日間か、くり返されたりしますが、徐々に治まってきます。むしろ、周囲の人があわてふためないように、また、本人は意識がはっきりしないまま興奮状態になるので、ケガをしたりする可能性が高いので、危ないものは事前にのけておいて、周囲の人は、キチッと見守ってあげることが必要です
 きっかけは、特にはっきりしないことも多いのですが、これまでの経験では、本人が怪我をした、発熱があった、目の前で友だちが事故った、お父さんが病気で入院してしまった・・など、精神的、身体的ストレスが強くかかっていたと言うことも少なくありません。

 また、同じ年齢で、夢中遊行(寝ぼけ)もよくみられますが、こちらの方は、歩き回ったりするなどの行為がありますが、何となく、家族も、小さい頃自分や周囲の人にそう言った人がいたりして、それ程不安を抱かないのか、あまり相談に来られることは少ないですね。

 そう言えば、うちの娘が小学校の時、クラスのお笑い係をしていて(そもそも、何でこんな係りがあるんや)、夜中に寝ぼけて、オリエンタル・ラジオをしていました。起きているときより、寝ぼけているときの方が、うまいやん、こっちの方が面白い・・と思いました。