四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

何を探しているの??リンクが一杯です。お探しのものありませんか??探しますよ・・・!!!

淡雪・・・Ⅳ

2008-06-16 21:25:10 | Weblog
呼んだのは幼馴染の晋一であった。・・「晋ちゃん、どうしたの?珍しい所で逢うわね。」「うん、外回りに変わったのでチョクチョクココによるんだよ。」「ほんと、私もたまにしか来ないけどね。で元気にしてる。」「おう、それはいたって元気よ。ところで由紀ちゃん旦那さん相変わらず、これかい、」と言って小指を立てる。「ま~切れずはなれずで続いているみたいよ。でももう良いの私も自分の楽しみを見つけることにしたから。」由紀子はにっこり笑いながらそう話すと「じゃ、由紀ちゃんも趣味かなんかを始めたの?」「そう、趣味みたいなものね。」と言いながら由紀子は安田の日に焼けた顔を思い出していた。
「じゃ、またな、たまには電話しろよ。」晋一は炎天下の外に飛び出していった。
残った由紀子はうどんのスープをすすりながら晋一はまだまだ子供ね。と感じているのであった。事務所に帰ると所長の姿が見えない。
「伊藤さん所長は??どこか行ったの?」「ああ、今佐々木さんがリベンジとか言って二人で出て行ったよ。」「あ・・又川に入るのね。夏が来れば仕事をサボるんだから・・もう・・」と、由紀子は怒って見せて所長の携帯に電話をする。
(この電話は電源を・・・)とガイダンスが流れる。「電話まで切って行ったのね。もう、仕上げが間に合わなくても知らないから、」由紀子は所長の森下の病気に霹靂としていた。
夕方「ごめんごめん、由紀ちゃん何処からか電話あった。?」そう言いながら所長が帰ってきた。「もう知りませんよ、佐々木さん病気を所長にうつさないでくださいね。」後ろにいた佐々木に声を掛けると「コーヒーですか?」とたずねる。「うん旨いやつを入れてね。」と所長が声を返す。「ハイどうぞ、私は帰りますから後はお願いしますね。」と言い残して事務所を出る。夕暮れの中田駅から雑踏の徳島駅に着くと周りを見回す自分にきずき「あ、私って安田さんを探しているわ」呟きながら見回すと改札を出てくる安田の姿が向うも此方にきずき目を合わせる。待っていると「タイミング良いね。どう、コーヒーでも飲んで帰る?」「はい!」と快く返事をし二人で並んで歩き始める。
夕暮れの街を歩きながら由紀子はひと時の幸せをかみ締めるのでした。
少し歩くと「お腹空いてない?」とたずねられ「ハイすこし」と答えると「じゃあそこへ行こう」と言って上を見上げるとそこは駅ビルのホテル<クレメント>の展望レストランです。エレベーターに乗り中に入ると数組の方が食事をしていました。由紀子たちも席につき料理を注文し待つ間に「由紀ちゃん今度は奈良に行かないかい」と安田が誘ってくる。由紀子も行きたいが時間が取れるかな~と考えていると、「同窓会などの名目で出られない、そうすれば少しお酒を飲んでても良いし」と安田がアドバイスをする。「そうですね、旨くすれば1泊2日でいけるかもですね。」と由紀子が答える。「そりゃ素晴らしい、時間があれば遺跡を沢山見てこられる。」(な~んだこの人は私より遺跡なんですか。)と少しムッとする。
でも、安田と遠くで泊まれるともしかすると・・不安と期待で胸が熱くなるのを心地よく感じている由紀子であった。その夜はそんな話で日にちまでは出ないまま別れた。自宅に帰ると明かりのついていない玄関の鍵を開け部屋に入りソファーに座り夜の安田との会話を思い出していた。そして二人で旅行すればどんなアバンチュールが待っているかと想像をめくらすのであった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。