四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

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蜜月の口・・・・Ⅲ

2008-06-08 09:06:22 | Weblog
ポツリと点いた明かりの下で遅い夕食の準備をし、一人でニニロッソのトランペットを聴いていると寂しくなり、いた堪れなくなって窓の外を眺めると遅咲きのアジサイが紫の花をつけ私に視線を投げかけているような錯覚を起こしていた。「お~い、今帰ったぞ・・風呂も飯も要らんからな・・もう寝る。」と言って夫は自分の部屋に入っていく。由紀子は脱ぎ捨てたシャツをたたみながらほのかに漂う化粧品の香りが水商売の女性でないことを感じ取っていた。
「やはり、先日と同じ香りだわ、もう我慢も限界ね。」と、ぽつりと言って洗濯機に投げ入れる。(でも、病弱の母の世話には金がかかる。彼の援助が無くてはいけないし、と言ってこのまま泣き寝入りも腹が立つ)などと考えていた。
そして、ぐっすり寝込んだ夫の所へ行きそっと下着を下げておへそのところへ<夫をよろしく>とマジックで書き込んだ。
そして、翌朝何気ない顔で「行ってらっしゃい」と見送り自分も準備をして出かける。お腹を見たときの女性の顔を思い浮かべていると、「由紀ちゃんなんか良い事あったの??」と所長の森下が尋ねてくる。「いえ・・」「でも、由紀ちゃんの顔が今日はなんか楽しそうだよ」と言われても昨夜のいたずらの話は出来ない。
由紀子は今夜の夫のびっくりした顔を思い浮かべるとおかしさがこみ上げてくるのであった。仕事も終わり何時もに時刻徳島駅に着くと今日は安田もちょうど出てきた所だった、「よう、由紀ちゃん」そう声を掛けられ「あ、安田さん」「どうコーヒー」「ハイ、いいですよ」と言って何時ものように<エトワール>の方に歩き始めると・・「由紀ちゃん今日はさ~少し雰囲気を変えてみない!!」と言われ退屈している由紀子も「はい、良いですが。どうするのですか。?」と安田に聞くと「ホテルの展望レストランで夜景でも眺めながら食事に付き合っていただけませんか?」と言われそれも久方ぶりなので「分かりました、どちらに行くのですか?」
すると安田は「では行きましょうか」と言って一人で前を歩き始める。由紀子はついて行きながら何処へ行くんだろうと不安とときめきの混じった複雑な感情で胸の鼓動が高鳴るのを覚えた。すると少し歩き<センチュリープラザホテル>と書いたホテルの玄関を入っていく、慌てて由紀子もついて行くと7Fと書いたところでエレベーター降り少し薄暗いドアを入ると中はシャンデリアが輝き白いテーブルクロスも鮮やかなそして窓からは眉山の明かりと街のネオンがとても綺麗にきらめいている。由紀子は窓際のいすに座り外を眺めていると「由紀ちゃん、何が良い?魚、お肉?」とたづねられ、「何でも良いです、安田さんと同じで良いですよ。」と答える。すると安田は慣れた様子でオーダーを上げこちらを見て「私はお魚が好きなので魚にしましたよ」と答え続いて「由紀ちゃんを見ていると不思議と親近感があるんだね、何でだろうね?」と言われ「私もそうなんですよ・・安田さんと初めてお会いした時から初めてでないような感覚があるんです。」と正直に感情を説明すると心を見られたようで少し恥ずかしいと感じるのであった。
「ところで安田さんこんな所良く来るんですか??」「いえ、一度由紀ちゃんと来たいなと思いいつか言うと思っていたんですよ。」「中年の夢につき合わせてすみませんね。」「いえ、私ももうすぐ30歳でおばさんですから」と言って「安田さんはおいくつなんですか?」「僕は40歳です。大学を出てがむしゃらに働いて気が付けば40ですよ。由紀ちゃんに会ってから少し考え方が変わりましてね。仕事も大切だが友人の和を広げるのも人生としては楽しいかなと思うようになったのですよ。」「じゃ、私は安田さんの人生観を変えた一人なんですか?実は私も安田さんにお会いしてから少し変わったんですよ。」と言いかけて落書きの話は出来ないので・・「又お話しますね。美味しそうな料理ですね。」と話をはずして「暖かいうちに食べましょ」と言って料理を口に運ぶ「おいしい・・」「安田さん有難うございます。とても美味しいです。いつも夜は一人で夕食なんですよ。」と説明する。楽しい夕食であった。こんな食事は何時からしていないのかな~と思いにふけっていると・・・「由紀子さん出ましょうか?」あれ、丁寧な口調とすこしけげんに思う。・・・


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