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区分所有権

2010年05月30日 | 法律

区分所有権というのは、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して、住居、店舗、事務所、倉庫、その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権のことをいいます。
また、この各部分は専有部分と呼ばれ、共用部分とは区別されます。

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生命保険の外交員をやっている友達がいうには、この区分所有権は営業活動をするとき、一番のネックになるのだそう。
個人は、この専有部分の中に居る限り、エントランスからのコールに応じない当然の権利があり、たとえゴミを貯めこんで臭いが発生し、近所からの苦情が来たとしても、それを処分しない権利も守られ、いかなる第三者にも対抗できる権利があるのだそうです。
だからアポを取らないと当然応じてはもらえず、昔とちがって飛び込み営業なんていうのは成立しないんだそうです。

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なるほど。
都会の集合住宅に住む者は、自分の許諾しない事象に関して関与しないでいることが区分所有法の保護の下、超容易なのだな、と納得。逆に世の中(地域)からすれば占有部分内の事象は、問題が発生してもそれが区分所有当事者以外の第三者に影響しない範囲であれば対処する必要無し、ということなのかな。地域住民の意思の疎通障害の一因が区分所有権の存在、なんだろうけど、法的対抗力は強いみたいだね。
また、一旦無条件に設定されてしまうと、その権利を剥奪することはすごく困難になる。
管理規約の改正でその権利を剥奪・変更しようとしても、「特別の影響を及ぼすべきとき」はその権利者の承諾が必要になるからです。(法31条1項)

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ちょっと趣旨が違うけれど、面白い判例があるよ。

7年間滞納し続けた管理組合費未納者に対して管理組合が催告し、裁判までしたんだけど、支払う必要無しの判決が出たケース。
管理組合は区分所有法59条1項に基づき競売請求をし、民事執行法195条に基づき競売を申立てました。
しかしこれに対して千葉地裁は、管理組合の未払管理費等の債権より優先する債権額(ローンの抵当権)が2700万円あって、余剰が生じる見込みがないから民事執行法63条2項で競売を取り消す決定をしたのでした(剰余主義の適用)。
驚き。

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