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パチャママ的あぐりびと通信

茨城県石岡市、有機生産・飯田農園の妻(焼き物屋)が現場からお届けする日々雑多有機的考察。

八郷のあぐりびと・農園紹介コーナー! <第17回 長井農園>

2008年12月23日 | 八郷のあぐりびと・農園紹介コーナー!
さて~!
1年間の更新を目指してきたパチャママブログ、とうとう1年間の締めくくりの農園紹介コーナーとなりました!
今年1年、本当にたくさんの農園の女性陣とお話をさせていただきました。
お忙しい農作業の合間を縫ってアンケートにお答えくださったみなさまに、本当に感謝です!

ブログの書き込み以外のところで個人的に頂くご感想などの中にも、
新規就農している有機農家がこんなにいるってことをパチャママブログで初めて知りました、とか
毎回この紹介コーナーをみているうちになんとなく前より農業が身近に感じられるようになって
新聞やテレビなどで農業の話題が出ると、注目してしまうようになりました、
などといううれしいお声をいただくこともあり、たとえ素人の小さな取り組みでも、発信することを続けていれば
どこかで、誰かに、何かが届き、そしてその届いた先で、それは誰かの思いの種になり、
それがいつか思いがけないところで芽を出すのかもしれない・・・
このブログに取り組む中でそんなことを、何度も感じさせてもらいました。

1年を通して、18軒(八郷17軒、里美村1軒)の有機農家のかたがたをご紹介させていただくことができましたが
みなさまはどんな農園さんが印象に残っていますでしょうか?
きっかけも、就農方法もさまざまな新規就農農家。
お話を伺うたび、その毎回が貴重な人生の物語でした。

農園紹介を続ける中で、わたしがもっとも強く感じたこと。
それは、農家・農園のみなさんが、一度きりの人生を、本気で生きている、その生きるエネルギーでした。
まあ、なんとなく・・・とか、なりゆきで・・・とか、このほうが楽だから・・・とかいうことでなく、
それぞれの方が、自分の生きる道を模索し、志し、決心し、勇気を出し、本気で生きる。
そんなみなさんのエネルギーに、生きるということのひたむきさに、わたしは毎回本当に、感動していました。

この農園紹介コーナーを通じて、有機農家が現場で日々がんばっていること、
彼ら、そして彼女たちが、、農業という新しい世界に飛び込んでいくことで、
人生の苦労や困難とともに、“そこにしかないしあわせ”をも、また手にしていること・・・。
そんなことをみなさまにも感じていただけたとしたら、本当にうれしいです。

そんな農園紹介の1年間の締めに登場してくださるのが、わたしたちのハードだった移住・就農時代から
なにかとお世話になり、親しいお付き合いをさせていただいてきた、就農まもなく30年という大先輩
長井農園の奥様、ひろみさんです。

この長井農園こそ、移住就農の時期には「飯田農園物語」なんて目じゃないような(笑)「長井農園物語」をお持ちの農園で、
飯田農園の移住期が「ビニールハウス時代」なら、長井農園の移住就農期は、「貨車時代」!
飯田農園物語にも登場するエピソード、
“就農初期には払い下げの貨車2台をつなげ、そこに二人のお子さんと十数年暮らしていらした先輩もあって
そんな当時のお話を伺うのも当時のわたしたちにとって、たいへん励みになりました”
というくだりは、なにを隠そう、この長井農園さんのことなのです(笑)。

物語にもあったように、今は、素敵な2階建ての広々としたお家にお住まいです。
今は苦しくても、がんばっていればいつかはちゃんとした暮らしができるのかもしれない・・・!(笑)
移住当時、わたしにそんな希望を感じさせてくださったのが、長井農園の存在でした。
そうそう、当時、長井さんのお宅で初めて三輪農園の豚肉を食べたのですが、それがとても美味しくて
いつか我が家でも三輪農園のお肉を食べられる暮らしがしたい・・・!と願ったのを覚えています(笑)。

もう大きいお子さんが二人いらっしゃるとは思えないほど、いつも若々しいひろみさんですが、
移住当時はさぞ大変なこともおありだったのでは・・・?
でも、ひろみさんもいつも今より先を見つめながら、素敵な未来を信じて歩んでこられたのだと思います。
なにより、ご主人を思い、信じてこられた、というご夫婦お二人の温かい雰囲気がいいのですよね・・・。
今回お借りしたお写真は、お子さんたちが今より少し小さい頃、ご自宅で撮られたお写真だそうです。
いろりのある素敵なお住まいですよね~!

それでは、以下、アンケートに続きます!
・・・・・・・以下、アンケートに続きます。質問者:いいだかなこ、回答はご本人によるお言葉です。・・・・・・・・・・・・・・
Q1農園名と家族構成、就農年数をおしえてください
長井農園と申します。
夫婦+子供2人(長女のみ東京で学生生活)
夫・就農29年、私・23年

Q2.就農のきっかけを教えてください(夫・妻、どちら先導?)
農的生き方で独立を考えていた主人と結婚したのがきっかけです。

Q3.就農の方法は?また、転職組の方、構想から実行(移住・就農まで)にかかった時間は?
主人がたまたま売りに出ていた土地の情報を得て。
主人は農業のノウハウを“消費者自給農場たまごの会”というところで5年間専住スタッフとして身につけ
地元の農業委員会に農業者として認めていただく手続きをし、独立しました。

Q4.実際の就農にあたってもっとも困難だった点はなんですか?
当時(1985年)、このあたりでは他県から移住して新しく居を構える事すら珍しく、
まして農業を業としていこうという考えも少数派であり、地元に知人も少なかったので
なかなか良い条件(土の質、車でのアクセス、広さ、日照など)の畑が借りられなかったこと。

Q5.就農前後の理想と現実のギャップはありますか?
わたしは農業がやりたい!という強い意志があったワケではありません、正直言っちゃうと。
高校生の頃から漠然と将来やりたい事を考えると、「自分の生活全般に係わるいろいろを自分の手で創り出したい」
という欲張りな夢がありました。
夢を叶えるには、そして生きていくにはお金が必要で、そこの部分は農作物で生計を立てようとなったワケです。
理想と現実のギャップに悩むという段階ではなく、なにしろ一から自分たちの手であれやこれや整備し
前進していくしかなかったというところでしょうか。
田舎生活ド素人の私は、何事が起きても初めてのことだらけで毎日がお祭りさわぎのような楽しさでした。

Q6.一番すきな作業と一番きらいな作業を教えてください。
好きな作業は草取り。
草をとってやると作物が伸び伸び清々した様子で、とても良いことをした気分になります。
どんな作業も意味があって(必要があって)やっていることなので、嫌いというほどの作業はありませんが
しいて言えば真夏のネギふせ(ネギの仮植)でしょうか。
細い溝(片足しか入らないような30cm巾くらいの溝)にネギの苗を一列に置いていきながら自分は後方へ移動していく。
腰を曲げた姿勢でけっこうに長い距離やるので大変ダァーと思うときがあります。

Q7.現在の暮らしの一番の醍醐味は?
暮らしの醍醐味?うーん、難しい質問ですね。
自分に正直でいられる仕事をしていることかな。
うしろめたさを抱えて、自分にウソをついてやらされている感じを抱いて
お金を得る為しかたなく、といった後ろ向きな要素のないところで働けている、生きていける
というところが醍醐味。

Q8.今後就農を目指すかたにメッセージを!
どんどん就農してくださいね。
御自分の感覚にあったスタイル(売り方、作り方、遊び方、学び方etc)を見付けて焦らずやってください。
そろそろ就職する時期を迎えている我が家の子供達にも「これからは農業だヨ!」と本気で言ってます。

長井農園・ひろみさん、ご協力本当にありがとうございました!

あわせてこれまでご登場くださった農園のみなさま、本当にありがとうございました!!

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