パチャママ的あぐりびと通信

茨城県石岡市、有機生産・飯田農園の妻(焼き物屋)が現場からお届けする日々雑多有機的考察。

今年初・窯焚きの日。

2013年01月25日 | 日々パチャ
本日は今年初となる窯焚きをしております。

火をつけて30分くらいは水蒸気を飛ばすために窯を少し開けておきます。
しかし、バーナーの点火の調子が悪い・・・。
一度点検しないとだめですねえ。

さてさて、今月は大雪が降ったり
下の子の学年はインフルエンザによる学級閉鎖があったりして
なかなか仕事に集中するのも難しかったのですが
なんとか窯焚きにこぎつけることができて、よかった・・・。

窯焚きの日の一日前がねえ、いつもキツキツなんですよね。
前々日に素焼き、これは半日くらいで終わるのでいいのですが
明けて本焼きの前日。
素焼の窯を開けて、釉薬かけてまた窯詰めして・・・
これを一日でこなそうと思うとほんとにギリギリ。
というのも、窯焚きの日に出掛けられなくなるぶんのごはんの買い物したり、
燃料の灯油を買ってきたりもしないといけなくて
おまけに農園の出荷日が重なると伝票とか通信などの準備も・・・。
夕べも夜なべでしたが、今の時期は特に寒さが身にしみる(涙)。

まあ、もっと余裕をもった日程で仕事しろ、ってことですけどね(笑)



で、やっと窯に火も入ったところで
ブログ書いちゃおうという余裕がね。
書き始めると長くなるんでね(笑)、忙しい時は自戒してるわけです。

この年末、お正月はこどもたちも私の実家に長く滞在させてもらってたこともあって
久々に本をたくさん読んだりしました。
本好きとしては「読書=娯楽」という気がして、なかなか普段は
じっくり読んだりできないわけで(いや、こそこそ読んでるけど)、
たまには罪悪感のない読書、いいですねえ(笑)

というわけで、特におもしろかったこんな2冊


全然分野は違うけどどっちもすごくおもしろかったです。
基本的に「科学ノンフィクション」みたいなのが好きなんですよね、きっと。
思いっきり文系のくせして(笑)

「奇跡の脳」は、ジル・ボルト・テイラーさんという
アメリカの脳科学者の女性が、自分自身、脳溢血に見舞われてしまい
その自身の研究テーマである「脳」の機能が停止していく様子を
患者として、医師として、内側から克明に記録したノンフィクション。
患者としての発症時の自覚症状の様子から、
世界を認知している脳が出血により機能低下していくことで
見慣れた世界がいつもと違う世界へと変わっていくさまが、本当に興味深い。

著者の出血は左脳に起こり、左脳の機能を停止させてしまったために
右脳のみでの外界の認知しかできないわけです。

左脳が働かないとどうなるかっていうと、物事を客観視する視点を喪失するんだそう。
時間と空間の概念、とか、物事のつながりとか順番とか。
ただあるのは圧倒的な主観、なんですって。
自我というしばりのない、すべてのものとひとつになった一体感。
もちろん、物理的には出血による強い痛みがあるというのに、
そこにはなんと圧倒的な幸福感があった、と。

具体的に言うと、自分の体がどこから始まって、どこで終わるのかがわからない、
「自分」と「自分以外のもの」の堺が消失するように、
外界に存在するものも、「それ」に付属する意味とかつながり
「それ」と「それ以外のもの」っていう区切りがなくなってしまうんだって。


脳溢血を起こした朝、一人暮らしの彼女は仕事に出かける支度をしていて
自分の異変に気付きます。
強い頭の痛みと朦朧としていく意識の中で、助けを呼ぼうと電話をかけるのですが
そのときに電話に向かった様子がこんな風に描かれています。

“しかしこの時点では、私にとっての電話は、非常に面白くて変わった種類の何か、という感じでした。
 奇妙な話ですが、それを何に使うのかが理解できません。
 目の前にあるこの「物体」が、ケーブルを通して全然別の場所につながるのだということを、どうにか理解しました。
 きっとケーブルの向こう側に私と話してくれる人がいて、その人はわたしをわかってくれるはず。すごい!”

こうして、彼女は電話に向い、助けを求めるために、
職場の同僚の名刺を探してその番号にかけようとするわけですが
彼女はやっと名刺を見つけたものの、そこに書いてある文字がひとつも判別できなかったそうです。

“私の脳はもはや文字を文字として、シンボルをシンボルとして、地を地として判別することができませんでした。
 それどころか、名刺は小さな画素を寄せ集めた、抽象的な織物のように見えたのです”

“「A」は「B」ともはやなんのつながりもなく、「1」も「2」と何の関係もない・・・
 順序だった配列を理解するには、知的なつながりをみつけることが必要で、
 もっとも簡単な計算さえ、数時の間の関係をきちんと読み取ることが必要です。
 私の頭はすでに、組み合わせをつくれません。”

(ときおりやってくる明晰な思考の波と朦朧とした意識のはざまで)
 ”周期的に、名刺の上で踊っている数字と、電話のプッシュボタンの上で身をよじっている数字が
 一致します。人差指で電話番号を押すとすぐ、名刺の上に書いてある数字を左の指で覆い隠します。
 なぜなら、自分がどの数字を押したのか、覚えていられなかったからです・・・”


こんな必死の努力を経て、彼女はなんとか自力で助けをもとめ、
病院に搬送されました。
本の後半では、危篤状態からの脱出、手術、リハビリの様子が描かれています。
(この間の、右脳感覚で世界の様子を捉えるさまや、失った脳の回路・ネットワークを
 再構築すべくトレーニングしていく様子もすごく興味深いのですが、その話はまた今度・・・)

彼女は術後の肉体的および精神的な機能を完全に回復していくまでに
8年の期間を経て、この本を書き上げたそうです。


卒中の最中、物事を区別し、客観視させている左脳が機能しない脳で
彼女が感じたというこんな一節がとても印象深かったです。

“うわ、わたしって、すごく変でびっくりしちゃういきもの。生きてる!
 これって生きてるってことよね!海水が袋にいっぱいにつまってるのよ。
 ここで、こんなかたちで、意識のある心があって、このからだは生きるための乗りもの。
 ひとつの心を分け合う、数兆の細胞のカタマリ。それが今ここで、命として栄えてるってこと。スゴイ、
 これってスゴイよね!わたしはさいぼうでできた命、ううん、器用な手先と認識のこころをもった、
 分子でできた命なんだわ!”

わたしたちが普段当たり前に感じている感覚や世界認知は
奇跡のような緻密な生命のシステムが織りなすものなんだ、と感じさせてくれる一冊です!


あああ、また話が長くなって
そしてアンティキテラまで話が回らないという・・・(笑)
もう一冊の本、アンティキテラについては、また今度~!













昭和初期の「家の光」に出逢ふ。

2013年01月21日 | 日々パチャ
我が家の子どもたちが通っている小学校では
年に2回ほど「廃品回収」という行事がありまして
小学校が主体となって、地域の方に協力頂いて
ビン・缶、古紙などの資源ごみを回収し、
その「売上」?を学校の備品購入費等として
使わせていただくのですが。

だいたい土曜日の朝八時とかに始まって
午前中で終了。

こどもにとっては寒いし朝だし参加したくない行事・・・
かと思いきや、男子には結構人気。
なぜなら、古本回収コーナーに待機していると
けっこうな「お宝」、ようするにマンガ雑誌とかマンガの単行本が
どっさりゲットできることがあるんですよね(笑)。
(女子のみなさんはそういうあさましいことはされないで
  真面目にお手伝いしてくれます・・・。)

そして、今年は母もレアものゲットしてしまった・・・。
昭和初期の「家の光」!

昭和10年代くらいです。
定価金二十銭也。

もう、ご紹介したい記事は山ほどありますが(笑)
こちら、吉行あぐりさん、めっちゃ現役時代の記事

銀座伊東美容室の吉行あぐりさんとなってます。
この時代に
職業婦人で雑誌に記事も書いていらしたんですねえ・・・。
ちなみに記事の内容は、最新美容クリームの紹介。
でも、別にマージンをもらうでもない、純粋なおススメらしく
記事の最後に
”明色クリンシン・クリームは定価中缶六十五銭、特大缶壱円。信用ある化粧品店にあります”
とあります。
(変換できない漢字がいっぱいでしたので、現代の常用漢字で失礼!)
雑誌一冊20銭ですから、クリーム1円ってやっぱりお高いんでしょうねえ?


こんな古い雑誌、昭和初期の庶民の方々がどんなことに関心を持ち
どんなことを考えていたのか・・・
ものすごく興味深い資料ですよねえ・・・。
具体的に言うと昭和20年代生まれの両親が生まれる10年くらい前ですから
亡くなった祖父母の青春時代、くらいですかね・・・?

昭和10年発行の11月号に養命酒の広告が載ってるんですけど

その”健康保全会会長”の“高井さん”はなんと安政元年生まれの方!!
その雑誌に掲載されてる時点で82歳だそうで・・・。
安政元年ってことは、1854年(嘉永7年)ですよ。
江戸時代生まれってことです。



あああ、なんか、もういろいろ感じるところありすぎて・・・(汗)
取り急ぎ、本日はここまで!
また書きますね~!!

大雪でしたね・・・

2013年01月17日 | 日々パチャ
いやいや、成人の日の祝日、降りました~、大雪!
雪の山道でスリップ・・・(コワイ想像)
山の我が家での「暮らしストレス」ナンバーワン。
今年もやっぱりこんな日が来ましたか・・・。

まあ、年に数回あるかないかのことなんですが
車がなくては生きていかれぬ田舎暮らし。
やっぱり車が動かなくなるのがいやですね・・・。

しかし、今回は日中は雨の予想だったんですよね。
で、長男は前々から約束してた日だったので友人宅へ遊びにでかけることに。
最近では自転車で勝手にいくようになった小6男子ですが
まあ、みぞれまじりの雪模様ということで行きは車で送ったのですが・・・

その間も予想を上回るペースで雪はしんしんと降り積もり・・・
祝日ということで早めの集荷時間に間に合うよう宅配野菜出荷に行って
雪の中帰ってきたコージさんがいうのには、「もう車は動かさないほうがいい」って!

うーん、となると、このあと六年男子をどう回収したら?(汗)

まあ、この雪の中遊びに行かせた母も母。
ちょうどなかなか会えない他校の友人と会える日だったこともあり
予定通り強行しちゃったのですが。

さいわい、そう遠くないおうちだったので(もちろん近くはないけど・汗)
もう歩きで迎えにいこう、と、遊ばせてもらってる友人宅に連絡とって長男と待ち合わせ場所を決め
帽子をかぶってマフラーして手袋して長靴はいて、長いコート着ていざしゅっぱーつ!!

雪は吹き付けるし、長靴は雪に埋まるけど・・・
なに?この身軽な爽快感!?
ノーストレス!いつも運転で感じる雪の山道の恐怖感ゼロ!

そなんだよ・・・。
自分で歩いていれば雪道なんて怖いことなんてないんだよね。
スリップなんてへっちゃら~♪ブレーキなんていらない~♪
転んだら自分で起きるだけ!めっちゃ身軽~、めっちゃ自由~(笑)

無事途中の神社で長男と合流。
帰りは小学生ガイド付きで、車では絶対通れない田んぼのあぜ道から劇的ショートカット!
なんか、妙に楽しい、非日常空間。
すべって笑う、こけても笑う。
まあ、ほんとはこんなに不便じゃだめなんだけどね。
からくも切り抜けて、とりあえず家族全員の無事に感謝しつつ
雪の1日が暮れていきました・・・。

そして下界で溶けた雪もしっかり残るお山の我が家。
仕事した品を干してる屋根もこんな感じ。
何度も確認して大丈夫な角度なんだけど、なんだか滑り落ちそうでコワイ風景。

新しい一年!

2013年01月13日 | 日々パチャ
みなさま、こんにちは!
いよいよ新しい年が始まっているわけですね~。

昨年末のブログでは
「なんかちょっと元気がなさそうだったけど・・・」
というお声もいただいたりしちゃって
ありがとうございました!すみません!

実は今年は早いもので長男中学入学の年ということもあり
この山から通うのではなく、里に降りたところに
生活の拠点がもてたほうがよいのではないか・・・!?
ということで、山の家も残しつつの里の拠点、ってのを
いろいろと探していた1年だったのですが
うまくいきかけて結果が出ず、というのがあれこれありまして。

期待と失望と気持ちのリカバリー、というのが続いて
年末はなんだか気が抜けてしまい・・・。

結局、当分はまだまだ山暮らしが続きそうですが
まあ、生活改善に向けての
努力をおこたっているわけでなし!
でも、こういうこともひっくるめて
進むべき方向へ向かっている、と思い
今年もがんばっていこうと思います!

仕事のほうもやっとエンジンかかってきました。


生活していると、楽しかったりがんばってたり、ちょっと落ち込んだり?
いろんなテンションのときがあるわけですが
土を触っているときは、なんというか、
自分の一番「ニュートラル」な状態に戻る気がします。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして今年初ひとりギターアップ(どうでもいい~・笑)は・・・

わたしのキッチンは基本薄暗いのですが
太陽の軌道が低いこういう冬場の朝には
すてきな朝陽が差し込みます。
キッチンシンガーとしてはこの朝日の中でうたわないとね~(笑)。
相変わらずの無進歩ぶりですがとにかく楽しいのでよし。
こういう、なんの意味もなく、ほとんど誰も聞いてないのにアップするという
無意味さにぐっとくるひとりギター動画(笑)
でも、ときどきステキなところにピンポイントでつながったりしてます。

すてきな朝陽にあわせて
「I JUST CALL TO SAY I LOVE YOU 」!!!

久々のブログ~♪

2012年12月29日 | 日々パチャ
みなさま、こんにちは!

なーんて、もうずーいぶんブログ更新してないので
無人の空間へごあいさつしてるかも・・・
とか思いつつなんとかからくも年内に更新。
(久々にログインしたらテンプレートが変更されてた・・・)

今年は秋ごろからめちゃくちゃ忙しくて
ブログを封印してたのですが
そのうち冬になったらめちゃくちゃ寒くて
火の気のないパソコンに長く向かえなくなり
気づけばずいぶん経っておりました。
(その間、更新してるかチェックしてくださってた方がいらしたら
 すみません、ありがとうございました!!)

わたしだけでなく、「飯田家」全体としても
目指す方向に物事が進まなかったり、
望む結果が実現しなかったりと
なんだか元気のない年末となっておりましたが
でも、よく考えてみれば、なにも大事なものを失くしたわけでもなく
大切なものはみんなそばにある!と実感したりして
新しい年に向かってなんだかやっと気持ちも晴れ晴れとしてきたところです。



そういえば、もう消しちゃったのですが
夏ごろにこのブログで、わたしの愛する「ひとりギター」の模様を
動画アップして遊んだりしたのですが
今年はなんとその動画もきっかけになって、思いがけない
すてきな音楽ユニットを結成したりしてしまいました♡
無意味なこともやってみるものですね~(笑)
思いがけずますます音楽が楽しい今日この頃。

そのユニット相手の方に
「こんな40近くなってギター弾いて歌ったりしてるのって
 わたしってすっごく変じゃないかなあ・・・?」
と言ったら

「へんだよ!!(笑)でも、わたしたち、へんだっていいじゃない!」

と言っていただき、なんかすごく楽になったというか
解放されましたね(笑)。
ヘンでもいいや、こんなに楽しくてしあわせなんだもん!(笑)

と、いうわけで久々にうた動画をアップ。
受け取る人がいるのかもわからない宙に投げる!(笑)
これがわたしのいつものうたスタイル。
キッチンスツールに座って、料理の合間にうたいます。
あー今日もわたしはしあわせなり♪
来年はもっと楽しんじゃうぞ!

うまくいかないこともあるけど、“ありのままでいいだんよ”
“そのまま進めばいいんだよ”と自らを励ましつつ・・・
こんなうたを、あなたと、そしてわたしに・・・!
「let it be」

どうぞみなさまもよいお年をお迎えください!