この週末はイベントなど行ってまいりました~。
この数年出店させていただいてた「匠のまつり」がリニューアル、
時期も早めて「笠間浪漫」というイベントへ変身・・・。
農業とのコラボ出展をする我が「パチャママ屋」とすると
この時期はとっても出展しづらい稲刈り&野菜の端境期・・・。
来年以降の出展についても悩ましいところであります。
そしてそして。
「わたしがあぐりびとになるまで」の広報活動を相変らす地道に続けているわけですが
ここにきていろいろ紹介文を載せていただけるというお話もつながり
まずはわたしたち飯田農園も会員となっている「日本有機農業研究会」の機関誌
「土と健康」に自著紹介を掲載してくださるということで(しかも2P分!)
このところ、自著紹介文というのを書いておりました・・・。
自分で好きに見どころを書いていいというのは、嬉しい反面、けっこう悩みますね(笑)。
でも、あれこれ推敲しまして、以下のような文章ができあがりました!ほっ!
実際掲載されるのはちょっと先(でも年内?)かもしれませんが
なんにしても、ご紹介いただけるというお話はありがたいものです!
一応こちらにも載せてみますので
ご興味のある方は・・・。
まだ読んだことはないけど。。。どんな本?
という方はぜひこの機会にこんな本です!ということで・・・
紹介文お読みいただけたらさいわいです(笑)
いろいろな思いを込めて書いた本だけに、
いろいろな切り口のご紹介の仕方があるのですが
(恋愛^^、家族愛、育児、自然との暮らし、農業、自分らしいしあわせ・・・etc)
今回は農業誌でのご紹介なので「あぐりびと」というキーワードに焦点をあてて
本のご紹介をさせていただきました。
長い文章読みたくないッ!という方は以下絶対にスクロールしないでください(笑)
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自著紹介「わたしがあぐりびとになるまで」 いいだかなこ
わたしたち飯田農園は茨城県新治郡八郷町(現・石岡市)に新規就農して十二年。
それぞれの南米ひとり旅の間に知り合い結婚したわたしたち夫婦は、新婚旅行と称して再び旅立った南米で第一子妊娠、それを機に帰国。そして「自給的暮らし」を目指して東京から茨城へと拠点を移すことになりました。
山の借地の開拓・開墾から始まった移住初期の混乱がどうにかこうにかようやく落ち着き、現在は、主人が農園を営み、妻のわたしが農園事務を補佐しながら陶器のこどものうつわを焼くという夫婦の力を合わせた“半農半陶生活”を送っております。
十二年前の第一子出産直後、パートナーの就農という決断に巻き込まれ、なりゆきで山に暮らすことになってしまったわたし。目指していた焼き物の仕事での独立は出産で一時中断。夫が移住先と定めたのは電気も水道もない山の中で新生児を抱えた新居は、険しい山道の奥の、風呂なしトイレなし、廃材を利用した一部屋だけの手作りの山小屋でした。
就農当時は、もちろん焼き物の仕事をするどころではなく、住宅街に生まれ農業にはなにひとつ縁のなかった自分が、いきなり農家の主婦になって野菜宅配のおきゃくさまとの窓口を務めることとなり、赤ん坊を抱えた自分にできるのはせめて毎月の通信を書いて農園とお客様をつなげることくらい…。右も左もわからない状況の中、自分だけ農業をやらない後ろめたさ(周囲の新規就農農家がどこも夫婦そろって就農しているのに!)を感じながら、自分の居場所というものを探し続けていました。
わたしは今ここでしあわせなんだろうか?
わたしの望む「幸せな暮らし」っていったいなんだろう?
幼いこどもを抱えた、慣れない、不便極まりない暮らしの中で、わたしはいつもそんなことを自分自身に問いかけ続けていました。そんな日々の中で戸惑いながら、もがきながら、少しずつ見つけてきた自分たちらしい暮らしの形、自分のしあわせ…そんな思いを残したく少しずつ書きため文章にし、縁あって野草社さんという出版社さんに出会い生まれたのがこの「わたしがあぐりびとになるまで」という本です。
この本の題名にも使われている「あぐりびと」という言葉はわたしが勝手につくった造語です。
パートナーが就農したというのに一緒に農業を目指す道を選べずに、いつか自分の焼き物の仕事をしたいと思い続けたわたしはいつもそんな自分に後ろめたさを感じ、農業と自分との間に一線を引いていました。“就農という道をともに選べなかったわたしは農業の世界の人間ではない…”
でも、農家としておきゃくさまとの窓口になり感じることは、都会での暮らしと農業との間にある距離感でした。もっと農業の現場と街の人の心が近いものになったらいいのに…。けれど、そんなときに頭をよぎるのは自分自身のこと。農家の主婦として農園の窓口を務めているのに、私自身が、「生産者でないわたしは農業の世界の人間ではない」などと思っている…。それじゃあ、生産者でない私以外の誰が自分は農業に関わりがあるなどと思うことができるのだろう…?
それならば、“生産者”でも“消費者”でもない、食べるひと、作る人、伝える人、そんなすべての「自分の立場から農に心を寄せるひと」を表す言葉があったらいいのに…!そんな思いからわたしの中に生まれたのが「あぐりびと」という言葉でした。
大きな意味での「農業」はただ作物を生産して終わる仕事ではありません。生産者が心を込めて育てた作物は売られ、買われ、運ばれて料理となって、誰かの食事となる…。その間には、たくさんのひとが関わっていて、そのひとたちは、運送業者でも小売業でも販売員でも消費者でも料理人でもあるけれど、それぞれが農の現場に想いを寄せたときからみんな農にかかわる「あぐりびと」だ。そう考えることができたら、農に関わるひとはどれだけ増えていくことだろう。そしてそう考えていいなら、誰よりもわたしだって、生産者ではないけれど自分の立場で農園を支え、農と関わる立派な「あぐりびと」なんだ。
誰しもが、「食べる」ということと無関係に生きていくことはできません。だからこそ、「食」の根底にある農業がもっと多くの人の心の中で身近なものになっていったなら、わたしたちの未来はもっと明るい光にあふれるのではないか…。「あぐりびと」としてのわたしは農園とおきゃくさまの狭間に立ちながらいつもそんなことを感じています。
本の表紙、暮らしにまつわるイラスト・ちょっと笑える子育てマンガもすべて著者自身で書かせていただいています。巻末には、敬愛する地元の農家仲間の女性陣によるそれぞれの就農アンケートを掲載させていただいています。
生産者・消費者の枠を超えて、多くの方(特に日々の暮らしを支える女性の皆様)に読んでいただきたい一冊です。どうぞ一人でも多くの方にお手にとってご覧いただけたらさいわいです。
「わたしがあぐりびとになるまで」収録:マンガ編
こんな暮らしぶりのマンガイラストが20pほど収録されています!