一人旅はとても楽しいし、気持ちいい事を、私は18歳の夏休みに体験した。今思えばささやかな旅だったけれど、行き先も時間の使い方も誰に相談することもなく、自分で決められる。危険な事もあったが、皆が親切にしてくれた。昨年10月、夜行バス金沢行きのバスに乗った山中のり子さんは60歳。4日間の一人旅だった。永平寺や東尋坊、三国港などをスケッチし、空気や風までも取り込むように色付けもその場でしてきた。12月末から2月の初めまで伊勢崎の喫茶店で、それらの作品を飾った個展を開いた。40年前から絵を描き始めて、個展は20回を重ねた。群馬を永住の地と決めたのは1996年に伊勢崎商工会議所赤城フォーラムにて大賞を受賞したことがきっかけだった。山中さんはバラの花だけの個展を開いたり、人物画も手がけてきた。10人くらいの仲間と、毎週1回モデルを囲んでデッサン会を12年間主催してきた。一生懸命になれることがあることは、人生を豊かにしてくれることを山中さんは実証している。2月わたしはモデルをすることになった。みなさんがどんなふうに私を描いてくれるのか楽しみ!
坂口せつ子
2006年平成18年2月6日木曜日
高崎市民新聞連載より転載
坂口せつ子
2006年平成18年2月6日木曜日
高崎市民新聞連載より転載