番外編。
iTunesの再生回数、気になりませんか? 再生回数順に並べたり、回数が増えたりすると頑張って聴いたなあ、と嬉しくなりませんか?
私は気になります。回数が増えると嬉しくなります。多分ロールプレイングゲームのレベルが上がったり、シミュレーションゲームで自軍が強くなったりるのと同じことだと思う。現実的には何の意味もないけど(小さな画面上で視覚に刺激を与えれば人間に何時間でも没頭させることができる(つまりゲームですね)、というようなことを養老孟司先生が言っていた)、とにかく数が増えるということが嬉しい。
Windows10を再インストールすることはすなわちこの数がゼロになることを意味する。音楽をCDなり、ネットなりから入れ直しても、当然再生回数は0のままである。せっかくたくさん聴いた記録があるのに、経験値がリセットされてしまったようでとても残念だ。でも例えばiPhoneに好きな音楽を入れて、集中的に聴いていたりしませんか? そうしたら、iPhoneにはその記録が残っていたりする。iPhoneをiTunesに繋ぎ、iPhone内の音楽のウインドウに行けば、少なくともiPhoneでの再生回数がチェックできる。全く記録がなくても、まあ大体この回数くらいは聴いたよね、でもいい。
次にその情報をもとに再生回数を編集する。順番は以下の通り。
- (iTunesに音楽を入れ直す)
- ファイル → ライブラリ → ライブラリをエクスポート
でライブラリ情報をXML方式で書き出す。XMLはeXtended Markup Languageで要するにタグがついたテキストファイルのこと - XMLファイルを編集する
XMLはメモ帳でも開けるし、好きな人はエディタで開けばいい。無料のエディタ(例えばVisual Studio Code)はネット上にたくさんある - XMLファイルはデフォルトでは C:\Users\[ログインネーム]\Music\Library.xml にエクスポートされる。
ファイルを開いたら、曲のタイトルで編集したい曲をテキスト内で検索。1曲は<dict>で始まって</dict>で終わっている。この<dict>~</dict>に囲まれた部分に1曲の情報が詰まっている - <dict>~</dict>に囲まれた部分に、どこでもいいから
<key>Play Count</key><integer>再生回数</integer>
という行を入れる。既にあったら、その部分を書き換える。なければ行を挿入。例えば10回だったら
<key>Play Count</key><integer>10</integer> - XMLファイルをセーブ。
上書きでも好きなファイル名を付けてもなんでもいい - iTunes Library.itlのファイル名を変える。
iTunesは立ち上がる時に C:\Users\[ログインネーム]\Music\iTunes\iTunes Library.itl を読んでいる。これはバイナリファイルで、テキストでは読むことができない。多分XMLがバイナリ化されると、この.itlファイルになる。このファイルがある限り、iTunesはこのファイル内にある再生回数を読むので、例えばiTunes Library.itl.bakにファイル名を変えてしまう(問題があったら.bakを取って元に戻す) - この状態でiTunesを立ち上げると、iTunes Library.itlが見つからないので、iTunesはあたかも初期化されたかのようなふるまいをする。iTunes内で購入した音楽ファイルのみを表示
- 本当はもっとたくさん音楽ファイルがあるので、先ほど編集したXMLファイルを読み込む。
ファイル → ライブラリ → プレイリストをインポート
書き出すときはライブラリで、読み込むときはプレイリスト。ちょっと不思議 - XMLが問題なければ編集した再生回数も読み込んでくれる。
さらに自動で C:\Users\[ログインネーム]\Music\iTunes\iTunes Library.itl を再作成し、アップデートされた再生回数がバイナリファイルに書き込まれる