2005年の名古屋大学(文系)の数学3(1)の問題をたまたま目にしたので、頭の体操にちょっと考えてみた。
当たり前だが、これはz3=±8、あるいは実数解が2とー2であることが自明、というところからスタートしている。(それがわからないと多分解けない)。
解法自体はz6=64を変形し、z6-64=0を因数分解して、
(z3-8)(z3+8)=0
(z-2)(z2-2z+4)(z+2)(z2-2z+4)=0
z=±2, 1±√3i, -1±√3i
さて、当然ながら検算してみたいのだが、これが結構面倒くさい。真面目に手でやると、例えば
(1±√3i)3=(-2±2√3i)(1±√3i)
=-2∓2√3i±2√3i-6
=-8
(-1±√3i)3=(-2∓2√3i)(-1±√3i)
=2∓2√3i±2√3i+6
=8
で、さらにそれらを二乗して64であることがわかる(受験生はやっぱり検算したんだろうか)。
でもExcelで出来ちゃったりしてと安易に考えて、Excel、虚数で検索するとなんと虚数(imaginary)関数が標準でたくさん用意されているじゃないか。早速 Complex 関数、IMPOWER 関数を使ってみた。ところがところがである。やっぱ実数部分や虚数部分の無理数は正確には扱えないのである。別にExcel使って20+年、複素無理数(という言葉はなさそうだ)を使えなくったって、実生活では全く困らないし、Microsoftに改善を要求する気も全くないのだが、Excelにも限界はある。
何をやったかということ、
こうやって全部64、が出るのを期待していたのだが、実際にはこうなった。最後の(-2+0i)6なんて、64になってもいいのにね。
なお、わざわざ「z6=64の解を求めよ」ではなく「複素数zを未知数とする...」という長い前置きがついているのは、実数解はどうでもいい(手がかりとしてはどうでもよくない)のと、未知数なわけだから、公式的に憶えてても解法を示さないと0点よ、ってことだと想像する。
=2(1/2±√3/2i)
=2(cos±60゜+isin±60゜)
両辺を6乗しドモアブルの定理を適用すれば
z^6=64(cos±360゜+isin±360。)
=64