じゃらじゃらフォトセラ

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アカデミー賞決定に寄せる思い

2005-02-28 | 【 映画の話 】
米アカデミー賞、イーストウッドとスコセッシの対決に注目 (ロイター) - goo ニュース

米アカデミー賞が決定したようです。

このニュースはとても嬉しいと同時に、アメリカ映画人たちの“気概”というか、映画に対する姿勢というものを感じるニュースだと思います。
自由の国アメリカ、エンタテイメント大国アメリカといえども、過去多くの場面で外国(或いは少数派)勢に対する差別と無縁ではいれなかったのも事実。
アカデミー賞はそういった見方をすれば、“映画の質”そのものを見るのはもちろん主としてあるけれども、実際の映画人たちによる選出であるという点で、他の賞よりも(評論家=非現場者ともいえるところの評価する)芸術的観点などよりも実質的な 「映画人による映画の進むべき道」といったことを強く反映させている賞なのではないかなと感じます。
そういった意味で、真の“映画人たちから私たちへのメッセージ”ともいえるかなと。

自分たちの属する映画の世界を歴史的大作として壮大に描いた『アビエイター』を選出することは容易であったろうし、大義も付け易い。
お祭りのように盛り上げるには最適な一本でもあっただろうと思います。
しかも監督はマーチン・スコセッシ。
監督賞・作品賞でなくても十分に功労賞に値する経歴の持ち主です。

ところが、今回作品賞に選ばれたのはクリント・イーストウッド監督による
『ミリオン・ダラー・ベイビー』イーストウッドもまた、十分に米映画界に於いて活躍・貢献をしてきた俳優であり、監督でもあります。

作品的にこの『ミリオン・ダラーベイビー』は“祭り”あげるに相応しい壮大さを持つものではない、と見られていたにも関わらずの受賞です。

ここに、米映画人が “映画によって自分たちがどうありたいか”の指針的なものを示したと見ることができるのじゃないでしょうか。

個人としての一俳優、一監督が、自分が関わる作品を通して“メッセージ”とか自分のスタンスを示すというのは(演技や技術・芸術的表現以外の)表現としてかなり今までもなされてきていることだと思います。

今回のこのアカデミー賞には、同じように映画業界全体の意識みたいなものが窺がえると言ったら大げさでしょうか。
小粒であっても秀逸な一篇を最高に評価する。
この姿勢を保ち続けるということで、尚アカデミー賞の意義が薄れることなく存続していく・・・
そういった映画人の映画を愛する気持ちが伝わってくるようです。

因みに、今回助演男優賞がモーガン・フリマン『ミリオン・ダラー・ベイビー』主演男優賞にジェイミー・フォックス『Ray/レイ』が受賞。主演・助演両賞を黒人俳優が受賞するのは初めてだそうです。


映画ファンたちにはとても熱い日になる今日この頃です。
映画、万歳。
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