新しい地に新居を構えてから、もうすぐ2年が経とうとしている。
広々とした田舎に住みたくてこの地を選んだが、組の9件中7件が農家という地域。
引っ越して来る前は平凡なサラリーマンである私が上手く受け入れてもらえるか少々不安もあったが、そんな心配は皆無であり、今では近所の人達と家族同然の付き合いをしてもらっている。
田舎特有の付き合いが多く、男衆だけの1泊旅行や女衆だけの日帰り旅行、家族参加の浜行きや夏のバーベキュー、毎月順番で各家に集まる寄り合いやお庚申さんと呼ばれる行事等々。
まぁ好い加減にしてくれないか組の付き合い!と言った感じではあるが、そんな付き合いがあるからこそ良く顔を合わせ家族のように仲良くやって行ける訳で、これも田舎ならではの良い面ではないかと思う。
殆どが農家の為、畑で出来た野菜や果物を毎日のように頂き、本当に感謝感謝で近所の人には頭が上がらない毎日であるが…、しかし、ひとつだけビックリしてしまう事がある。
それは、近所の人は必ず玄関からやって来ないという事…
既に気を使う必要はなく心を許しているからという証であろうが、訪れる時には必ずリビングからやって来るのである。
「いるかね~」
そう言った次の瞬間にはリビングの窓を開けているのである。
油断出来ない…
夏場はパンツ一丁で過ごすことの多い私であるが、慌てて「あっ!、はいはい(汗)」などと言いながらズボンを探すシーンを何度繰り返して来たことか。
まぁ、気兼ね無く付き合える親密度から言えばこういうの、私は嫌いではないんだけれど、少しばかりのタイムラグを与えて欲しいぞ近所!と思うのである。
留守中には庭にも入り、勝手に野菜苗や花を植えて行ったり、肥料や藁束を置いて行ったり。
物置を無断で開け、タケノコを置いて行ったり。
一般的に言ったら住居不法侵入である。
都会のマンションでは二重三重にもオートロックが掛かり、辿り着くのに一苦労する昨今。
未だこんなフランクな付き合いが存在していいのかと思う今日この頃である。
しかし昔の日本って、全く人を疑わないこんな付き合いが普通だったんだろうなと思うと、気楽にリビングからやって来てくれる事に本当のところ嬉しさを感じている私。
そう、田舎の人は必ずリビングからやって来るのである。
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