
おきぐすり
写真㊤:富山の置き薬
「越中富山の薬売り」で知られる家庭用の置き薬の販売は、江戸時代中期から後期にかけて、富山から全国へと発展していきました。そのシステムは、何種類かの薬の入った箱をあらかじめ各家庭に預け、半年または1年後に巡回し、使用された薬の代金を集金し、薬を補充していくという「先用後利」と呼ばれる独得な商法です。
訪問先の家庭では、今でも何代にもわたって親しまれているところも多く、薬の銘柄や顧客情報を細かく記載した懸場帳をもとに、豊富な知識や情報をいかして、お得意さんの健康管理や相談にのるなど売薬さんとお得意さんとの信頼関係は強いものです。
物のない時代には、売薬さんが来ると「おまけ」の紙風船がもらえるといった子どもたちの楽しみもありました。
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医者や病院は、午後は休診だの○曜日は休みだと、肝心なときに役に立たない。もっとも、こちらが勝手に病気になるのがワリイといえば悪いのだが…少なくとも、医者や病院のせいではない。
こういうときに意外に役立つのが「おきぐすり」…難しい言葉で言うと「配置薬」だ。
昔から、越中富山の薬売り、富山の置き薬は有名だ。全国津々浦々のお得意様である家庭に、薬を置いてくる。一定期間の間隔で訪問し、使った薬の代金を徴収し、期限の切れた薬は新しいのと置き換えて行く。使わない限り、何時までもタダだ。昔は、随分、流行ったらしいが、日本の近代化とともに下火になっていった。
そんな前近代の遺物である配置薬制度を、今を時めく「マツキヨ」ことマツモトキヨシが熱心にやっている。当方も、余りにも熱心な勧誘にほだされて、渋々入った。
そんな配置薬が、思わぬ役に立った。
昨夜、寝る前に呑んで寝たら、それまでの○痢が嘘のようだ。さらに朝と昼の食後に服用したら、効果はテキメンだった。本復するには、未だ時間がかかるだろうが、急場の吐瀉は止めることができた。
配置薬を前近代の遺物と、腹の中では馬鹿にしていた自分が恥ずかしい。
「おきぐすり」さん、アリガト。ついでに「マツキヨ」さんも……
06.08.03
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