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土用丑の日・ウナトトの東西

2006-07-23 09:36:03 | 旅・鉄道・グルメ…

 

土用丑の日・ウナトトの東西   
 写真㊤:前川の鰻重

 23日は、土用丑の日。そこでウナギについて……

 ウナトト…つまり「鰻の焼き方」は、大雑把に言って、東日本と西日本では大きく異なる

 東は「蒸した鰻を焼く」が、西は「蒸さずに、いきなり直火で焼く」という違いがある。それに伴い、それぞれの地域で生まれ育った人びとには、どちらを好むかの好みの問題が発生する。

 これは存外根深い問題だ
蒸し焼きする東の人びとは、脂気の少ないサッパリした柔らかい口触りのものを珍重する傾向が強い。よく江戸っ子(東京っ子)が「口の中へ入れたら、トロッととろけるような鰻がイイ」というのは、この傾向を現している。 

                         
                    前川のウナギ

 一方、西の人びとは、皮までカリッとコンガリ焼き上がって、やや噛み応えのある蒲焼きを好む。「蒲焼きのフニャフニャしたのは、気持ちがワルイ。旨くない」と宣(のたま)うのは、やはり自分たちの好みを現している。

 この傾向は、東と西の境界線があってスパッとハッキリ分かれるわけではない。静岡県辺りを大雑把な境として、東西とも、まだら模様に分布し、次第にそれぞれの傾向を強くして行く。


 東の典型例として、駒形橋の鰻・老舗名店「前川を掲載した。西の例としては、岐阜県関市にある同じく老舗名店「辻屋を挙げてみた。

 「前川」が高級店なのに対して、「辻屋」が一般庶民向けの店であることをお断りしておきたい。その差を勘定に入れても、「辻屋」の外まで洩れて出てくる煙(直焼きの煙 →★写真㊦)はすごい。ただ、この煙は客室には行かないようになっている。

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 「前川」は説明無用であろう。それくらい名代の老舗だから。 

        

     鰻 駒形 前川         

                                                 鰻 駒形 前川

       

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 辻屋は、少々説明  が必要だろう。 
  http://blog.goo.ne.jp/osan3/e/0a4e977673f2d2cf4415550f30f6eed4


                               

 ファンの声を拾ってみた

 「辻屋」に対するファンの声 ①
《まずはしっかり待たされます。1時間は覚悟が必要でしょう。でも、それだけの価値があるのではと思います。

 写真㊥は上うなぎ丼2100円、㊦はうなぎ丼定食2600円ですが、ウナギは臭みが全くなく、大振りで天然なのかなと思うような肉厚です。そして外は焼きすぎという感じのカリカリですが、中は柔らかくジューシーですばらしい味です。
 鰻丼定食にはふつう鯉刺しが付くのですが、時節柄(鯉ヘルペス)ふつうの刺身とどちらかが選べるようになっていました。》


 「辻屋」に対するファンの声 ②
《「鰻好き」「鰻食い」の言葉で「鰻を注文してすぐに出てくるのはあかん」という言葉をよく聞きますし、「鰻は煙で食わせる」とも聞きます。

 前者の意味は「焼きおき」という方法で、俗に言う「白焼き」までしておいて、注文が入ってから本焼きの作業をするという方法です。後者は、鰻を焼くときにでる、あの食欲をそそる臭いを外に出して、道歩く人を店に導くという話だそうです。
 という面では、このお店は2つとも該当しており、鰻好きな私は是が非でもいってみたいお店になります。》


 「辻屋」に対するファンの声 ③
《「辻屋」について①②と同趣旨のことを述べた後…ところで・・鰻についてくる「香の物:漬物」はどうしてかご存知でしょうか?

 一つには、鰻を食べた後にさっぱり口の中をさせる、橋休めに食べるものという考えと、もう一つは、鰻が出てくるまでの1時間余りを香の物とお茶でしのいでもらうという考えがあり、以前食べた(浜松の方で・・店の名前も忘れましたが)お店ではお漬物だけで5種類以上お皿に出てきたことを記憶しています。》

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 鰻は、17世紀くらいまでは、丸ごと直火に放り込み丸焼きにしていた。だから、いわゆる中流階級以上の人びとが口にすることはなかった。今でも、東南アジアでは、丸焼きにする食習慣が残っている。

 17世紀末期~18世紀初頭にかけて、京都で今風の「蒲焼き」が考案された。それからおよそ100年後…19世紀の初めになって江戸へ伝わった。その頃の江戸は、丁度、文化・文政…「化政の文化」が栄えていた。


 少々脱線するが…

 上等の酒や醤油が、江戸でも製造できるようになってきていた。それまでは、上方から仕入れていた。上方から下方(江戸)へ“下ってきたもの”は、舶来品として珍重された。地場で製造されたものは、“下ってこないもの”…つまり“下らないもの”だったのだ。これが「下らないもの」の語源だ。国語学者の説である

 ウナトトの焼き方が東西で異なるのは、いろいろな説がある
江戸は武士社会だったから、腹開きは切腹を連想させる。これを嫌ったため鰻を背開きにして蒸した。
しかし、蒸しを前提にした場合、西のように腹開きにすると、身がバラバラになってしまう。①の説は、後から付けた屁理屈だ
東の鰻と西の鰻は、種類が違ったようだ。東の鰻は脂っこく、一度蒸す必要があったらしい。
                          ……などなど。

◆…本当のところは、誰にも判からない

◆とどのつまり、ウナトトの東西の調理方法の違いは…
 「まあ、それぞれの好みだろう。結局、ウマイ不味い…好き嫌い…味の好みは、育った環境・地域の食文化によって、子供の頃に“刷り込み”をされてしまう。(だから成人してからでは、なかなか直らない)」といって、誤魔化すしかない
。 

                                    

06.07.23 (土用丑の日)

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