■ 来ちゃったの~
「こんにちは~」
「どこまでですか?」
「ここです」
「いや、そうじゃなくて明日の目的地は?」
「それがここなんです」
「…(きちゃったのねぇ…)」
で始まった両俣小屋一泊2日の旅。いやこれは大変面白く笑顔一杯の一夜になりました。今回のヤマレコ。
「おばちゃんとお食事したくて来ました!」
「いや実はねぇ、今日は誰もこない、やった!とおもって、明日買出しに出ようかと思っていたのよ」
「…(汗)」
「来ちゃったのねえ…(汗)」
両股小屋の名物小屋番星さん。南アルプスはバス移動なのでバスに乗っていてどこへいくの?と言われ、「両俣小屋です」と返事をすると、かならず「よろしく言っといて」と返事をされる…私のような初めて行く人がこれまた初めてバスで会った人から「よろしく」を伝えても、どれだけの「よろしくパワー」になるんだか、?な世界を繰り広げさせる、その魅力の人、星さん。
底抜けに笑顔がいい人でした。どんな笑顔が見れるかと言うと…エー私は人物写真は撮らない主義なので、ヤマケイワンゲルガイド「南アルプス」P49をご参照ください…
南アルプス (ワンゲルガイドブックス)
星さんから見ると今回の”遊びに来ました♪”は、”?”な感じだったでしょう。
しかし、私には面白い出会いが一杯の楽しい山旅になりました。
■ 魔女もといヤマンバの家に遊びに行く
「だ・か・ら~ 住んでるの~」 ”住んでいる”のではなく、”棲んでいる”と言うほうが正しいのかも知れません?
両俣小屋までは、林道をポクポク2時間ほど歩き、最後の30分ほどが野呂川沿いの崩落地をいきます。
今年は3回目だけど、毎回どこか工事している林道。そして、え?ここを?と初めてならば、必ず一瞬戸惑う野呂川沿いの道…この崩落痕を行くの?
崩落痕を歩く距離は短いのだけど、”道が崩れている”という事実はいかんともしがたく…この道なき道を行くという多少のハードルを越えた末に現れる小さな家…そこが意外にも、快適で楽しげな場所である、という、この展開が想いおこさせるもの…もしこれが現代ではなく、中世ヨーロッパであれば、これは絶対に森に迷った末にたどり着く、魔女の家であろう…と思います。
人里離れた場所に立つサンクチュアリ、自己完結的生活。そこ住む年齢不詳の女性…これはもう魔女でしょ!でなきゃ仙女。 そんなことを言ったらおばちゃんは「違う~ヤマンバー」と言って笑っていました。
毎度の林道。林道だけど、南アルプスの自然のダイナミックさを満喫できます。
一杯咲いているアザミ。この時期のこの道はアザミだらけ。
葉っぱが目を引いた。何の木かな?
ダイナミックな自然=どこかが造山活動中=どこかが工事中というわけで工事中なのだ。
紅葉が始まりつつある…微妙な加減が美しい。
林道は終わり、両股小屋への最後のひと歩き。
いっぱいの白いキノコ。白粉キノコ。
実はこーんな崩落痕を超えていくのだった(^^;)


突き出て白化した倒木。なんだか石垣から首を出している蛇みたい?
崩落痕の脇に細々と続く踏み跡。
河原へ降りる部分もある。
きのこと野呂川。普通に野呂川で川遊びをしたら楽しいんじゃないか?
倒れなかった強い木。
美しい河畔の木々。パイオニアツリー?何の木かな?
小屋はこじんまりしているも整頓されて快適。
■お酒は焼酎で!
夕方の空。秋の空。明日は寒そう。
良く晴れた夕暮れ。
小屋に着くと早速、宴会モードに。コタツに練炭を入れてもらい、ぬくぬくとして
楽しくビールで乾杯♪ 途中、仙丈岳から降りてきたテント泊の男性も加え、たのしい小屋時間の始まりです。
前回来たときは「熊」さんもいたので2つお土産にしたんだけれど、今回は熊さんはお留守だった。
「ああ~来ちゃったわね~」といいながらもおばちゃんが作ってくれたお食事。おいしいです。

「え~ ケーキ~? 何聞いてきたの~」「ガセじゃないの~」とヤラレタ!と思いつつ、おばちゃん、酒は(体にイイ)焼酎!派らしい。
お気に入りの銘柄。焼酎のドンペリ?
おばちゃんはどんどん酒を飲んでいる…私はあまり歩いていないのもあり、お食事が多いのであまり食べられない…&飲むなら食べれない…と思いつつ、山でご飯を残したら叱られる…と頑張って食べる…。
「熊にあったらな」「見詰め合ったほうがむしろ安全」「目をしっかり見て、見たままゆっくり後ろに下がるの」「北アにもいろんな小屋あるの」「ほら、ここは混まないから~」熊に遭遇したらどうするか?北アを歩くならどこを行ったらいいか?マタギの話、登山者をしかりつけると評判の山小屋のオヤジさんにどうやって好印象を残すか?両俣小屋記念レーベルの焼酎を造ったこと。普段の登山の疑問や悩みに的確に答えてくれる。ぜんぜん酔わないみたいなんだな!
通りがかりに参加してくれた京都からの男性は黒戸尾根から甲斐駒を上り仙丈を越えて両俣小屋へ降りてきたのだそうで、途中人に誰も会わなかったそう。「ふわふわ~として楽しそうですね~!」というとうんうんとうなづいてくれました。1人で歩く尾根道はホントに最高ですよね!!彼は翌日は農鳥から奈良田に降りるのだった。いいな~縦走歩き満喫!
宿泊客は私たち2人しかいなかったので、コタツを占領しつつ、8時消灯。
まさに頭寒足熱を実現しつつ…夜はとても冷えました。途中夜中に起きて星空を眺めると満天の星空。しばらくぼうっと外を眺めていました。
翌朝、明けると両俣は初霜でした。
おばちゃんの手形&初霜。
葉っぱ。気温-1℃。朝の気温1℃。上は9度だったから谷はやはり寒い。
初霜は今年は早いらしい。初雪などが早い年は暖冬気味だとか…
小屋の向かいの草むらには食べれる草が。
ストーブの温かさがありがたい季節に入った。ねこちゃんはここが指定席らしい。猫を飼うのは、ネズミ対策なのだそうです。ヒメネズミ。確かに沢には一杯居ますよね、姫ネズミって。ピンポン玉みたいで可愛いネズミですが、破壊力は強力なのだそうです。

両俣小屋のコタツに入りながら寝転がって…眠りを妨げないようにと低い音量に抑えられたラジオの音が遠くに鳴り、ストーブには早くから火が入れられ、野呂川の
清流の流れる音が聞こえるだけの朝・・・とても静か。とても平和。このままこの時間が止まってしまいそうに思える…。眠い。
両俣竜胆…両俣小屋には両俣小屋に来ることだけを目的にして旅する人たちがいる。
なるほどな~彼らの気持ちが少し分かる。
■ 小屋の写真
手作りアンテナ?
トイレは別棟。
シンプルなトイレ。
水場
キャンプ場並みに使えるシンク。
なんだか運動会の本部を思い出すテント…来賓用(笑)?
あ、両俣銀河が!
缶はつぶしましょう。
せり科につく、芋虫。キアゲハ。
朝ごはん。やっぱり歩いていないのもあって多い…
てんぷらにも使われた食材が小屋の脇に。鹿が食べにやってきて迷惑しているのだそうだ。
サバイバーどろの木。
今日は大快晴!
そうこういう間に11:15のバスに乗るので、8時半頃小屋を出る。
朝の空気はいつでも気持ちよい。
きらめく森。
ほんの少し秋の気配が。これから秋に入ると本当に気持ちよい登山シーズンになるでしょう。
足元は鹿の痕跡が一杯。鹿はやっぱり被害が多いみたいですね。
枯木はいつも気になって撮る。
鹿の頭部が浮かび上がる山の斜面。鹿王国宣言?
途中素晴らしく快適な風が吹いて気持ちが良い。
ただこれでは稜線は突風かもしれない。

植生の変化がバッチリ見える。
ゆっくりのんびり歩いていたら、つりの人が登ってきていました。2人。今日もおばちゃんは買出しにはいけなさそうだ…
■ 広河原の森
帰りは急ぐたびでも無いので、のんびりバスを一つ遅らせた。広河原山荘でランチを食べることにして、その脇の森を散策。と言っても15分も時間はつぶれない。
今日の北岳。雪渓がまだある。
広河原山荘へ行く釣り橋を渡って右ではなく、左に折れるとちょっとした森の園地に出る。このつり橋を渡ると、
こんな大樺沢を見て
こんな森に入る。
ここは山に登る人には見向きも去れない場所だけれど、とても気持ちが良い。
大きな木があって、友達と来て何時間でもおしゃべりできそうな森だ。


ああ~きれいだな。
こんなに大きな木の根。森ってほんとに長い年月を経て出来ているからか、とても安心感がある。

こっちはツイスト。
夏の終わり、花は少々…



仰ぎ見る鳳凰三山方面。鳳凰三山の縦走路は広河原まで、白鳳峠からつながっている。が、あの道はしんどかった。
今回は降りてきた女性と北沢峠行きのバスで一緒になり、大いにいかに白鳳峠からの下山が悪路かで盛り上がる(笑)いや~あれは大変な道でした!この方は鳳凰を縦走して、翌日は仙丈に登って帰られるのでした。
芦安…こっちはまだ夏だった。
星さんに会えて、山と人をめぐる世界がまた少し理解できたような???
《両俣関連記事》
・一回目の両俣小屋 オコジョに会う
・北岳肩の小屋 ~ 両俣小屋の左俣コースについて
・2回目の両俣小屋 裏から登る北岳
・夏の北岳 高山植物同定
・両俣小屋までの地図 沢がいっぱい
「こんにちは~」
「どこまでですか?」
「ここです」
「いや、そうじゃなくて明日の目的地は?」
「それがここなんです」
「…(きちゃったのねぇ…)」
で始まった両俣小屋一泊2日の旅。いやこれは大変面白く笑顔一杯の一夜になりました。今回のヤマレコ。
「おばちゃんとお食事したくて来ました!」
「いや実はねぇ、今日は誰もこない、やった!とおもって、明日買出しに出ようかと思っていたのよ」
「…(汗)」
「来ちゃったのねえ…(汗)」
両股小屋の名物小屋番星さん。南アルプスはバス移動なのでバスに乗っていてどこへいくの?と言われ、「両俣小屋です」と返事をすると、かならず「よろしく言っといて」と返事をされる…私のような初めて行く人がこれまた初めてバスで会った人から「よろしく」を伝えても、どれだけの「よろしくパワー」になるんだか、?な世界を繰り広げさせる、その魅力の人、星さん。
底抜けに笑顔がいい人でした。どんな笑顔が見れるかと言うと…エー私は人物写真は撮らない主義なので、ヤマケイワンゲルガイド「南アルプス」P49をご参照ください…
南アルプス (ワンゲルガイドブックス)
星さんから見ると今回の”遊びに来ました♪”は、”?”な感じだったでしょう。
しかし、私には面白い出会いが一杯の楽しい山旅になりました。
■ 魔女もといヤマンバの家に遊びに行く
「だ・か・ら~ 住んでるの~」 ”住んでいる”のではなく、”棲んでいる”と言うほうが正しいのかも知れません?
両俣小屋までは、林道をポクポク2時間ほど歩き、最後の30分ほどが野呂川沿いの崩落地をいきます。
今年は3回目だけど、毎回どこか工事している林道。そして、え?ここを?と初めてならば、必ず一瞬戸惑う野呂川沿いの道…この崩落痕を行くの?
崩落痕を歩く距離は短いのだけど、”道が崩れている”という事実はいかんともしがたく…この道なき道を行くという多少のハードルを越えた末に現れる小さな家…そこが意外にも、快適で楽しげな場所である、という、この展開が想いおこさせるもの…もしこれが現代ではなく、中世ヨーロッパであれば、これは絶対に森に迷った末にたどり着く、魔女の家であろう…と思います。
人里離れた場所に立つサンクチュアリ、自己完結的生活。そこ住む年齢不詳の女性…これはもう魔女でしょ!でなきゃ仙女。 そんなことを言ったらおばちゃんは「違う~ヤマンバー」と言って笑っていました。







実はこーんな崩落痕を超えていくのだった(^^;)









■お酒は焼酎で!


小屋に着くと早速、宴会モードに。コタツに練炭を入れてもらい、ぬくぬくとして
楽しくビールで乾杯♪ 途中、仙丈岳から降りてきたテント泊の男性も加え、たのしい小屋時間の始まりです。

前回来たときは「熊」さんもいたので2つお土産にしたんだけれど、今回は熊さんはお留守だった。
「ああ~来ちゃったわね~」といいながらもおばちゃんが作ってくれたお食事。おいしいです。

「え~ ケーキ~? 何聞いてきたの~」「ガセじゃないの~」とヤラレタ!と思いつつ、おばちゃん、酒は(体にイイ)焼酎!派らしい。

おばちゃんはどんどん酒を飲んでいる…私はあまり歩いていないのもあり、お食事が多いのであまり食べられない…&飲むなら食べれない…と思いつつ、山でご飯を残したら叱られる…と頑張って食べる…。
「熊にあったらな」「見詰め合ったほうがむしろ安全」「目をしっかり見て、見たままゆっくり後ろに下がるの」「北アにもいろんな小屋あるの」「ほら、ここは混まないから~」熊に遭遇したらどうするか?北アを歩くならどこを行ったらいいか?マタギの話、登山者をしかりつけると評判の山小屋のオヤジさんにどうやって好印象を残すか?両俣小屋記念レーベルの焼酎を造ったこと。普段の登山の疑問や悩みに的確に答えてくれる。ぜんぜん酔わないみたいなんだな!
通りがかりに参加してくれた京都からの男性は黒戸尾根から甲斐駒を上り仙丈を越えて両俣小屋へ降りてきたのだそうで、途中人に誰も会わなかったそう。「ふわふわ~として楽しそうですね~!」というとうんうんとうなづいてくれました。1人で歩く尾根道はホントに最高ですよね!!彼は翌日は農鳥から奈良田に降りるのだった。いいな~縦走歩き満喫!
宿泊客は私たち2人しかいなかったので、コタツを占領しつつ、8時消灯。
まさに頭寒足熱を実現しつつ…夜はとても冷えました。途中夜中に起きて星空を眺めると満天の星空。しばらくぼうっと外を眺めていました。
翌朝、明けると両俣は初霜でした。


初霜は今年は早いらしい。初雪などが早い年は暖冬気味だとか…



両俣小屋のコタツに入りながら寝転がって…眠りを妨げないようにと低い音量に抑えられたラジオの音が遠くに鳴り、ストーブには早くから火が入れられ、野呂川の
清流の流れる音が聞こえるだけの朝・・・とても静か。とても平和。このままこの時間が止まってしまいそうに思える…。眠い。
両俣竜胆…両俣小屋には両俣小屋に来ることだけを目的にして旅する人たちがいる。
なるほどな~彼らの気持ちが少し分かる。
■ 小屋の写真













そうこういう間に11:15のバスに乗るので、8時半頃小屋を出る。







ただこれでは稜線は突風かもしれない。


ゆっくりのんびり歩いていたら、つりの人が登ってきていました。2人。今日もおばちゃんは買出しにはいけなさそうだ…
■ 広河原の森
帰りは急ぐたびでも無いので、のんびりバスを一つ遅らせた。広河原山荘でランチを食べることにして、その脇の森を散策。と言っても15分も時間はつぶれない。




ここは山に登る人には見向きも去れない場所だけれど、とても気持ちが良い。







夏の終わり、花は少々…




今回は降りてきた女性と北沢峠行きのバスで一緒になり、大いにいかに白鳳峠からの下山が悪路かで盛り上がる(笑)いや~あれは大変な道でした!この方は鳳凰を縦走して、翌日は仙丈に登って帰られるのでした。

星さんに会えて、山と人をめぐる世界がまた少し理解できたような???
《両俣関連記事》
・一回目の両俣小屋 オコジョに会う
・北岳肩の小屋 ~ 両俣小屋の左俣コースについて
・2回目の両俣小屋 裏から登る北岳
・夏の北岳 高山植物同定
・両俣小屋までの地図 沢がいっぱい
広河原山荘のトリモツ丼はマスターの今年の自信作です。
いかがでしたか?
歳をとるとあいさつした人が誰なのか思い出すのに時間がかかります。
今朝5時にやっと特定ができ、慌てて「夜叉神西口」を検索した次第です。その節はありがとうございました。
あなたのその後のご活躍ぶりにはいささか驚いております。
今後も安全で充実した山活を楽しんでください。
北岳も昨日は素晴らしかったでしょうね~! 仰ぎ見る北岳は大・大快晴でした!!
トリモツ丼、同行者が食べていましたがおいしかったようです。私も次回食べようっと! 今回は、ふと頭に「モツ2日連日・・・」とよぎってしまい別のを注文しました(^^;)
山梨では山が一番!が結論でした。ここに居る限りは山さえやっていればいいかな~なんて(笑)
もし星さんに会われたら、「買出しジャマしてごめんね」と言っていたとどうか伝えてくださいね!
ソロで山歩きすると、こんな「出会い」があってホント楽しいです。
今朝我が家にたどり着き、さっそくヤマレコとブログで両俣宴会?の様子を楽しく見せてもらいました。山を、森を愛する気持ち・・・素敵ですね。
今回の山旅はまるで「修業のような?悪路」もありましたが、素晴らしい景色と大好きな森、素敵な出会いもあって、体はヘロヘロだけど心はパワーアップ!エネルギーをいっぱいもらった旅でした。
またぜひ山でお会いしましょうね!
そうですよ~!私も一杯エネルギーをもらいました~!!
だから山はいいですね!!
修行のような悪路もへっちゃらのパワー、私もそんなふうになろう!なんて思いました。
まだ山2年目ですが、これからも楽しんで登る所存です(笑)
ぜひ山梨の山にこられるときはご連絡くださいね!リビング、いつでもビバーク提供用意がありますし(笑)
山行記録は
http://blog.goo.ne.jp/osakahensyu05/e/ad5cbe753ec71a0701ef0899a01e7133
にまとめていますので、石丸峠のところ、見てみてくださいね!狼平は是非おススメです!!